まあ仮にもプロの料理人が「ファミレス大好き!」と言い切っちゃうのもどうかという話で、
そして実際僕も好きか嫌いか本音で言えば好きではない、利用せずに済むなら利用したくないと思っているわけではありますが、
しかしワタクシ個人の半生を振り返るに、実は結構、ときめいて好きになって積極的にリピートしたファミレスというものがいくつか存在するのです。
そしてある時気付いたのはそんな「僕の好きだったファミレス」はことごとく熾烈な生き残り競争に敗北して
いつのまにか消えるか、消える寸前か、ブランドは存続するが中身が全く変わってしまったか、
みたいなことになっていたという事実。
今回はそんな消えたファミレスとその素晴らしさを振り返ってみたいという生産性ゼロの企画です。
<ケース1:シズラー>
今でも心から復活を望むファミレスの筆頭です。
豪快すぎるサラダバーと一般的日本人の好みをガン無視したアメリカンなグリル料理が売り(?)でした。
サラダバーではトルティーヤでタコスを作ったりピタブレッドでサンドイッチを作ったりできました。
サラダ用の野菜もロメインレタス(当時はまだ珍しかったのよ)があったり、カリフラワーが茹でずに生のまま並んでたり。ラディッシュまるごととか。そして冷凍野菜はほとんど使われてなかった記憶があります。
ハラペーニョやピクルスやオリーブやチーズももちろん取り放題で、ドレッシングもオイルから自分で作れたし
もうその時点だけで今ショッピングセンターによくあるようなビュッフェレストランを軽く上回る楽しさでした。
スープバーのクラムチャウダーの、逆さに振っても落ちてこないような濃厚さも最高でした。
メインによく選んだバーベキュースペアリブは意外と手が込んでいて申し分ないおいしさだったけど
今復活したらメインなしのサラダバーだけでいっちゃうな、きっと。
<ケース2:レッドロブスター>
ステーキ&ロブスターの店。ステーキとロブスターがおいしかったかというと結構微妙だった気はするんだけど
薄暗くて重厚な店の調度やどこかクラシックなスタッフの雰囲気なんかで、「レストランにやってきましたっ!」という非日常のテンションを気軽に味わえたのがよかったのかな。
ここもサラダバーが秀逸で、シズラーとは違い素材そのままというよりは完全に調理されたサラダが何種類か並んでてそれが良かったですね。ハーブや皮ごとのレモンがチキンと和えてあるチキンサラダや、ケイジャン風のスパイシーなサラダ、マカロニサラダも子供がこれ食ったらコレジャナイ、っつって泣くだろ風な味付けで、まあこれもシズラーとは少し別の意味で日本人の好みガン無視系でしたなー。サラダバーの一角にあった色とりどりのジェロもアメリカーンなディスプレイで素敵でした。まあジェロは一回も食べなかったけど。
そう言えばサラダバーではないけどアラカルトでセビーチェをオンメニューしてたり、
透明の大きなシェーカーごと二杯分のショートカクテルをサーブしてたりと何かとチャレンジアブルな店でもありました。(このカクテルのサーブ方はワタクシ某店でパクりました。)
あと、茹でガニを食べる時に今でも個人的にカニ酢より溶かしバターを選ぶのはこの店以来です。
<ケース3:スカイラークガーデンズ>
ガストで当てて絶好調だったころのスカイラークが勢いで(?)作った「高級ファミレス」。
基本イタリアンで、パスタなんかは全くもってファミレスらしからぬものを提供、なおかつ
黒胡椒をびっしりまぶしたリブロースステーキにバルサミコを煮詰めたソースをあわせたものとかの
特徴あるメインディッシュ系はさすがスカイラークグループの調達力を存分に生かしたコスパの高さで
なんだスカイラークやればできるじゃないか、みたいな感じでした。ティラミスも妙にうまかったしな。
自然光をめいっぱい取り入れた半オープンカフェ的な作りもコンセプトによく合ってたな。
当時はシズラー(これはロイヤルホスト系列ね)もまだ元気で、ファミレスであってもチェーン店であっても
いや寧ろ大企業だからこそ、客がたかだか1.5くらいの出費を惜しまなければ個人店を軽く凌駕する料理が提供できるんだ、ということを証明していたように思います。
でも本当に証明したのは、その「1.5倍の値段」は決して「たかだか」ではなかったということだったのですね。
後にこれを安価な形で移部分植した「グラッチェガーデンズ」は定番ブランドとなりました。某Sには押されっぱなしのようですが。
<ケース4:バーミヤン(創業当時限定)>
これは以前にブログでみっちり書いた事があるので詳細はそちらを、ということにしますが
王将を比較対象としてバーミヤンが秀逸だったのは、
王将が「街場の庶民的な中華食堂をさらに庶民的な価格で提供した」のに対し
バーミヤンは「ホテルなんかの高級中国料理やエスニックとしての本場の中国料理を庶民的な中華食堂より
さらに安い価格で提供した」ということでした。
残念なことにそのコンセプトはほとんど世間には理解されないor受け入れられないまま、
いつのまにかバーミヤンは「普通の庶民的な中華食堂」になってしまったのでした。
もうあきてきたのでそろそろやめますが、
これらすべてを凌駕しその頂上に君臨するのが
30年前のロイヤルホスト
なのです。
当時のロイヤルホストがいかにすばらしかったかを
ワタクシは歴史の生き証人として記しておく義務がある。
待て次号!