⑱ハルガヤ
![ハルガヤ](https://stat.ameba.jp/user_images/20121019/22/umaikome/f0/e1/j/t02200293_0300040012244893196.jpg?caw=800)
![ハルガヤの花穂](https://stat.ameba.jp/user_images/20121019/22/umaikome/1a/5a/j/t02200293_0300040012244893197.jpg?caw=800)
ヨーロッパ原産の多年生草本であり、ヨーロッパ・シベリアの原産。明治時代に牧草として導入された。路傍や草地に生育している。株になって生育し、春になると特徴ある花穂を形成するのでその存在がわかるが、春以外では確認は難しい。堤防法面などで群生するが、猛威をふるうほどの帰化植物ではない。
5月から7月にかけ、直立する花序を出す。花茎の高さは20~50cmで、長端に穂状の花序ができる。1つ1つの小穂は長さ10mm程度で、まず雄しべがのび、落下した後に雌しべが伸びてくる。雌しべの先は2つにわかれている。 標本にすると甘い、よい香りがする。花の咲いていない時期では、この香りが唯一の同定ポイントといっても良い。
⑲カラスムギ
![カラスムギ](https://stat.ameba.jp/user_images/20121019/22/umaikome/76/55/j/t02200176_0400032012244900508.jpg?caw=800)
![カラスムギの穂](https://stat.ameba.jp/user_images/20121019/22/umaikome/27/d2/j/t02200275_0256032012244905445.jpg?caw=800)
ヨーロッパから西アジアなどの地域を原産とする一年生草本で、古代にムギなどの畑作とともに伝来したとされるの1つ。日本各地の路傍や堤防、荒れ地などに生育している。秋に芽生え、春に花を咲かせるライフサイクルは、ムギ畑のサイクルとよく一致している。
⑳メヒシバ
![メヒシバ](https://stat.ameba.jp/user_images/20121019/22/umaikome/52/be/j/t02200165_0400030012244915744.jpg?caw=800)
![メヒシバの穂](https://stat.ameba.jp/user_images/20121019/22/umaikome/fb/53/j/t02200229_0288030012244915743.jpg?caw=800)
世界の熱帯から亜熱帯に広く分布し、日本全国の畑や路傍に普通に生育する一年生草本。和名はににらべてやさしいイメージであるところから名づけられた。オヒシバに比べて踏みつけの少ない場所に生育し、夏から秋にかけ、繁茂する。畑の雑草として、厄介ものである。
花は7月から11月にかけて咲き、3~8に分れている。穂の中軸には微細な突起があり、指で挟んで下向きにずらすと著しくざらつく。茎は最初地面を這い、分岐して節からは発根し、やがて立ち上がる。葉は柔らかく、全体に白毛がよく目立つ。よく似た種に<アキメヒシバコメヒシバがある。これらは中軸がざらつかないので区別できる。
21 カゼクサ
![カゼクサ](https://stat.ameba.jp/user_images/20121019/22/umaikome/2c/c0/j/t02200293_0300040012244922532.jpg?caw=800)
![カゼクサの花穂](https://stat.ameba.jp/user_images/20121019/22/umaikome/93/be/j/t02200293_0300040012244922533.jpg?caw=800)
本州、四国、九州、朝鮮、中国、ヒマラヤに生育する多年草。畦道、路傍、草地、堤防糊面などに生育する。茎は根本から斜め上に伸び、踏みつけられてもほとんどダメージはない。根本の部分がちょうつがいのようになっており、踏みつけられても茎はそのときに倒れるだけであり、すぐに元通りに立ち上がる。葉も強靱であり、傷付きにくい。オオバコ、クサイとともに踏みつけ雑草の三役の1つである。花は8月頃から咲き始める。花序はまばらにつき、よく見ないと花穂があることがわからないほどまばらに小穂を付ける。
22
チカラシバ
![チカラシバ](https://stat.ameba.jp/user_images/20121019/22/umaikome/24/62/j/t02200220_0300030012244928264.jpg?caw=800)
![チカラシバの花穂](https://stat.ameba.jp/user_images/20121019/22/umaikome/2e/30/j/t02200220_0300030012244928265.jpg?caw=800)
北海道西南部から南西諸島、東アジア・インドネシアに分布する多年草。田圃のあぜ道や堤防、路傍などによく見られる。人間が踏みつける場所に生育する植物は根系が発達していることが多く、このチカラシバも引き抜くことが困難なほど、根を発達させている。引き抜けるかどうか、力比べをしたことからこの名前が付いたのであろうか。とにかく引き抜きにくい植物である。路傍に生育しており、引き抜きにくく、緑の色が濃いイネ科植物であれば、チカラシバを疑ってみるべき。
10月ころに出るチカラシバの穂は試験管ブラシのような形をしており、たくさんの長い頴(のげ)を付けた種を付ける。この種は犬などの動物の毛の間に入って運ばれ、新天地に生育地を広げる。チカラシバは、このように人間の農業活動に依存して生育してきた植物であるが、最近は少なくなったように思う。草刈り機で強度に刈り取りを行うようになったためかもしれない。
23 ネズミノオ
![ネズミノオ](https://stat.ameba.jp/user_images/20121019/22/umaikome/2f/fc/j/t02200165_0400030012244933518.jpg?caw=800)
![ネズミノオの花穂](https://stat.ameba.jp/user_images/20121019/22/umaikome/73/b3/j/t02200293_0225030012244933519.jpg?caw=800)
本州、四国、九州、南西諸島、中国、台湾、インドネシア、オーストラリアなどに見られる多年草。路傍や草地、荒れ地などに生育する。踏みつけや刈り取りにも強く、強靱な根をはって引き抜きにくい。花序は枝分かれしているのだが散開しないので1本の細長い円柱状に見える。その様子がネズミのしっぽに例えられ、和名となっている。
24 チガヤ
![チガヤ](https://stat.ameba.jp/user_images/20121019/22/umaikome/a3/2e/j/t02200165_0400030012244939208.jpg?caw=800)
![チガヤの花穂](https://stat.ameba.jp/user_images/20121019/22/umaikome/5a/be/j/t02200293_0225030012244939206.jpg?caw=800)
アジアの熱帯地方など広く分布し、日本においても比較的温暖な地方における刈取り草原の代表種である。生育地としては、土手や畦などの定期的に刈り取られる草地に普通であるが、自然状態では海岸の砂浜や河口の砂州などで群落を形成している。葉は高さ80cm近くにもなるが、刈り取られる場所では数十cm以下であることが多い。秋から冬にかけ、葉は紅葉して赤紫色を帯びる。これが血の色を連想させるので、チガヤと呼ぶのかと思えば、そうでもないらしい。
5月に白銀色の花穂をつけ、風になびいて光り輝く景観となる。タンポポの咲く頃にはこの花穂は地面近くで葉鞘に包まれているが、これを取り出して食べていた。すこし甘味があり、ちょうどチューイングガムのイメージである。
25 エノコログサ
![エノコログサ](https://stat.ameba.jp/user_images/20121019/22/umaikome/a0/00/j/t02200165_0400030012244945244.jpg?caw=800)
![エノコログサの花穂](https://stat.ameba.jp/user_images/20121019/22/umaikome/17/04/j/t02200293_0225030012244945243.jpg?caw=800)
世界の温帯から暖帯にかけて広く分布する一年草である。荒れ地や路傍、畑などに生育している。アレロパシー物質を分泌するとの報告もあり、荒れ地などでは一面に群生していることがあるのがうなずける。
エノコログサの由来は「いぬころ草」の意味であり、穂の形が子犬の尻尾に似ているからであると言う。ネコジャラシと呼ばれることも多く、この穂で猫をじゃれさして遊んだことに由来する。猫だけでなく、子犬もじゃれさして遊ぶには、もってこいの植物かもしれない。英語ではエノコログサ属の植物を Foxtail grass と呼んでいる。キツネの尻尾草であり、着眼点はよく似ている。太さと質感からいえば、キツネのほうがふさわしいかもしれない。
刺毛が紫色ものもがあり、ムラサキエノコロとして区別することがある。混生することもあり、最近は変異の一つとしてあまり区別しないようである。