もう多くの方が試合結果をご存知でしょうが、一応振り返りの観戦記を書かせていただきますm(__)m
ヤクルトとのクライマックスシリーズ1stステージ、第2ラウンド。
王手をかけての巨人の先発は大エースの菅野投手。
第1戦もそうだったようですが、昨日もスタンドは立錐の余地なしの超満員。
普段は空席の青色もチラホラと目立つ3塁側スタンドも、昨日は1つの空席も見えないほどでした。
神宮でこれほどまでにスタンドが埋まった光景をみるのはいつ以来でしょうか。
そして、何よりも凄かったのがスタンドの巨人ファンの声援。
神宮球場の外野スタンドはここ数年、応援団の周りの席に陣取る「声を枯らして応援したい」ファンと、そこから離れた「酒を飲んで仲間と騒ぎたい」ファンの分断が進んでいます。
スタンドの応援の雰囲気や一体感が失われる光景は、一部のファンからは「居酒屋神宮」と揶揄されるほどです。
もともと、昔から神宮は他の球場に比べても「安くて、しかも美味しい」球場グルメが豊富。
また、外野スタンドが非常に広く、応援団による応援の統制が取れづらい球場でもあります。
そんな中で、ある意味で自然の摂理として発生した「居酒屋神宮」現象。
ですが、昨日に限っては「居酒屋」の片鱗は全く見えませんでした。
ライトスタンドからファールポールを越え、三塁側の内野席まで見事にすべてのファンが総立ちで応援をしています。
この光景には鳥肌が立ちました。
2015年も、この神宮でヤクルト-巨人のクライマックスシリーズが行われました。
あの時は初戦、2戦目をファールポールより内野寄りで観戦していましたが、巨人ファンも総立ちという訳ではありませんでした。
それどころか、三塁側なのにヤクルトファンが混在し、あちこちで両チームのファン同士のトラブルが起きるという有様。
あれから3年、今回は全く雰囲気が違います。
スタンドを支配する、「由伸を応援しなければ!」というファンの圧倒的な使命感と、ほんの少しの悲壮感。
選手名をコール、というかもはや絶叫しているファンもちらほら。
それらが複雑に入り混じって、これまでの神宮で感じたことのない「熱気」がスタンドを包んでいたように感じます。
ここからは個人的な思い出話となりますが、2001年9月、私は生まれて初めて神宮球場のレフトスタンドに足を踏み入れました。
その時は若松ヤクルトと長嶋ジャイアンツが激しい優勝争いをしており、ピンチの場面でリリーフで登板したのは、この年限りで引退を表明する「平成の大エース」斎藤雅樹投手。
ピンチをしのぐ斎藤投手の力投に、レフトスタンドは熱狂の渦に包まれました。
第一次原政権のラストとなった2003年シーズン、関東での最終戦はこの神宮でした。
三山球団代表との衝突だとか、「読売グループ内の人事異動」だとか、いろいろあっての関東ラストゲーム。
レフトスタンドでは無数の原監督への横断幕、ボードが躍りました。
当時中3だった私も、友人とふたりで「辰徳83ジャイアンツ」の横断幕を掲げました。
2006年、第二次原政権の1年目。
6月から巨人は8連敗→10連敗→9連敗と驚異的なまでの大型連敗を続けました。
そして、9連敗の最後の9敗目は神宮でした。
9回表までリードしていたのに、ストッパーの豊田投手が逆転サヨナラ打を浴びて勝負あり。
レフトスタンドは強烈な絶望感に包まれました。
また2008年、阪神とのし烈な優勝争いを制した「メークレジェンド」が完結したのも、またこの神宮でした。
あの時もレフトスタンドにいて、オレンジの紙テープが嵐のように舞うスタンドで涙を流しました。
昨日のスタンドは、これらの思い出のどれとも全く違う空気がありました。
そんな、「普通じゃない」熱気に後押しされたのか、菅野投手は初回から文句の付けようがないピッチングを披露。
序盤はほぼ毎回を10球前後で締める、完璧すぎるピッチング。
日本プロ野球史に間違いなく名を残すであろう大投手です。
「稲尾和久のシーズン42勝」とか「杉浦忠の日本シリーズ4連投4連勝」とか「金田正一の通算400勝」とか、プロ野球には様々の伝説があります。
そして今、現在進行形で伝説を作っているのが巨人のエースです。







