第106回 補正にまつわるエトセトラ その2 | 三國志14の武将データで統計とってみた まとめブログ

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前回は、地域補正についてのお話をしましたが、

今回は個性補正についてのお話をします。

 

個性の補正は、矍鑠(とコラボ武将のもついくつかの固有個性)を除くと、

基礎能力(白字)ではなく、補正能力(青または赤字)で表現されることはすでに何度も書いておりますが、

それが具体的にどのくらいなのかを検討します。

 

とはいっても、一般的な個性による能力補正は、その能力項目や、発動条件を問わず、

能力上昇であれば、1から6まで「効果量」によって定まっています。

効果量と実際の効果は比例するので、

効果1が能力をどれくらい上げるのかがわかれば問題は解決となります。

 

というわけで、統率60、士気100、20000(兵士限界以上)における井闌部隊の能力をお見せします。

※わかりやすいように地域補正がかからないような場所に布陣しています

 

結果として、機動9+1、攻軍200+9、攻城1400+69、破城36+1、防御401+19となります。

部隊の基礎能力に小数点以下がないと仮定すると、それぞれの補正分の割合は、

機動:0.111...~0.222...

攻軍:0.045~0.05

攻城:0.0492...~0.050

破城:0.0416...~0.0625

防御:0.0475~0.05

となり、あまりにも独特すぎる機動を別に考えれば、

0.05(=5%)が補正分と考えてよいような気がしてきます。

 

実際に効果量が2となった場合は、

攻軍、攻城、防御はピタリ10%upであり、破城も10%upの範囲内にありますので、

確かに効果量1は+5%補正で、効果量が上がるにつれて5%ずつ補正が増加していくものと考えられます。

 

 

ここで問題になるのは、効果量1=+5%だとした場合に、

なぜ上の例では、攻軍+10、攻城+70、防御+20とならなかったのか、ということですね。

 

では実際に効果量を1から11まで変動させたときの補正値の変動を見てみましょう。

これを見ると、攻軍・攻城・防御の効果量1の時と、攻城の効果量6がイレギュラーで、

他のところではぴったり「効果量×5%」が補正率であることがわかります

 

※注

単独の個性では効果量6までしか得られませんが、複数の効果が重複するように発動すればさらに大きい効果を得ることができます。

このとき、効果量1の2つ重複させると、効果量1の効果の2倍ではなく、効果量2の効果となります。(具体的には上記の場合だと、効果量1の効果が2つ発動した状態だと、攻城は+138(=69×2)ではなく、効果量2の効果である+140となります)

これはそのほかの効果量でも同様であり、効果量の総和が10以上になると頭打ちになります

 

なお、破城に関しても同様であり、

基本的には「効果量×5%」で説明がつくのですが、効果量1と6がノイズのような存在になっています

 

これらを齟齬なく成り立たせるとすると以下のような予想となります

 

◆個性補正について(攻軍・攻城・破城・防御)

 個性による能力値の補正率は、効果量×5%の補正率となる。

 個性が重複して発動している場合は、その効果量の総和×5%が補正率となる。

 ただし、効果量の総和は10を最大とし、それ以上は頭打ちとなる

 

 また、各能力においては効果量1のとき(攻城と破城については効果量6の場合も)には、

 理論値よりも1少なくなるようであるが、

 実際にどのような演算の結果1少なくなるのかは不明

 

 なお、これらの仕様については能力減少効果についても同様の演算である可能性が高い

 

 

次に、1つだけ残った軌道に対する補正のかかり方をもう少し明らかににしていきましょう。

 

実際問題として、機動自体が小さい値であるため、小数点以下のウエイトが大きくなかなか推移が読みにくいのと、他の能力値のように部隊編成を利用してこちらで都合のよさそうな値に誘導することもできないのがつらいところです。

 

こうなったらデータ量にモノを言わせるしかありませんので、

とりあえず自分で編成できる10つの部隊について洗いざらい調べてみました。

ゲーム内にはこのほかに水上陣形が3つ(走舸、蒙衝、楼船)と異民族専用の四夷がありますが、

楼船(基礎機動30)以外は、上記の中に同じ基礎機動を持つ陣形がありますので変わり映えはあまりありません。

また、長蛇と四夷は森・山で基礎能力が変化する仕様がありますが、現時点では基礎能力の裏付けが取れませんので置いておきます。

 

さて、この表を見ますと、1つ意外なことに気づきます。

これまで「部隊の機動力は統率や兵士数、士気によらず陣形の基礎能力で一定」と言っていましたが、

厳密には違うようです。

鋒矢、鶴翼、長蛇、錐行の4つでは、個性による補正がない状態でも、陣形の基礎能力に+1された値が部隊の機動となります。(表中の赤字)

ちなみにこの補正は青ではなく白い能力値の方の補正となっています(つまり部隊の基礎能力としての演算処理ということができます)

 

陣形の顔ぶれを見ると、基礎機動が15以上の陣形のみにかかっていることがわかります。

ですので、単純に考えれば、恒常的に基礎機動力の15分の1の補正がかかっているということになります。(機動力が15以上あれば1を超えて補正になるし、15未満だと1に満たず小数点以下切り捨て処理になりますからね)

このことは、

唯一詳しく調べてない楼船(基礎機動力30)が、実際に部隊を展開すると機動32(=30+30/15)になることも傍証となります。

 

というわけで、機動に関しても、補正がかかっていなくとも、他の能力値と同じように(目に見えにくいですが)演算処理がされている、ということを踏まえて個性の影響を考えていかないといけません。

前回お話ししましたが、補正率は基礎能力(整数)にかかるのではなく、基礎能力(小数点以下含む)にかけられるからです。

 

実際のデータから算出される補正率は、線形推移すると予測されます。

切片は目星がついている(効果量0のとき=基礎機動力×(1+1/15))のであとは傾きになります。

 

現状持っているデータをすべて満たすような傾きは、

0.05333以上、0.053704未満となります。

 

これ以上の限定は困難なわけですが、

これまでの検証のようにある程度簡潔な式になることを前提するならば、

0.053333...=8/150が適当な値でしょうか。

切片にも分母が15という数が出てきますし、まとまりとしては良さそうです。

 

 

なお、個性による補正と地域補正の関係ですが、

画像の状況は、統率60、兵士20000(指揮限界)、士気100 井闌、地域効果6(占有率100%)、個性効果全能力上昇1となっています。

攻城の値は1400(小数点以下なし)+422となっていますので、補正率は約30.14%となります。

地域補正で+24%、個性補正で+5%の補正率となっていますので、

地域補正と個性補正は単純に加算されるものではないことがここで分かります

 

加算でなければ乗算では?と考えると、

1.24×1.05=1.302ですので、

1400に30.2%の補正がかかると...+422の補正となりますので、確かにその通り、ということになります。

 

なお、全能力増加の効果量1では理論値より1少なくなる現象が確認されていますが、

この場合では見られていません

小数点以下の計算に埋没している可能性が高いですが、その実情はやっぱり不明のままです

 

◆地域補正と個性補正の関係

 部隊能力=基礎能力×(地域補正率)×(個性補正率)