前2回に引き続き、部隊の能力はどのように定まっているかを検証していきます。
◆初めにおわびと再定義
これまで「指揮限界」という言葉を用いてきましたが、造語主である筆者が誤用乱用するため、非常にわかりにくくなってしまったことをお詫びします。
そして、以下のように言葉を再定義します。
1.ある統率値において、部隊の能力が頭打ちとなる兵士数を「指揮限界(兵士数)」と呼ぶ
2.ある兵士数において、その兵士数を「指揮限界」とする統率値を「活用統率」と呼ぶ
活用統率は、兵士数を活かせる最低の統率値であり、これ以下の統率値の場合、部隊能力はすでに頭打ちになっている(指揮限界に達している)ことを示します。
逆に活用統率より高い統率の場合はさらに兵士数が増えてもまだ能力が上がります。
過去記事についても、指揮限界と活用統率を区別して使うように訂正しますが、
少し時間をください
さて。前回までで、
任意の部隊における機動と破城の決定のされ方と、
攻軍・攻城・防御における士気値の影響度合いについては、
何となく結論めいたものが出ました。
そのうえで統率と兵士数がどのように攻軍、攻城、防御に関わってくるのが示せれば、
大方の部隊の能力の能力の決定に至るプロセスが明らかになるといえます。
以前出したグラフを再度提示します。
ゲームをプレイするうえでは、基本的に統率の方を固定して兵士数を動かすほうが簡単なので、
それに従ってグラフを書くとこのようになります。
繰り返しになりますが、統率ごとに兵士数が増えても部隊の能力が頭打ちになるのが確認できますが、これが「指揮限界」になります。
しかし、このグラフでは兵士数に伴ってどのように部隊能力が変わっているのかいま1つわかりにくいです。
少なくとも、(指揮限界前では)直線的な変化ではないことは予想がつきますが、これは逆に推測がしにくい悩みの種となってしまいます。
そこで逆転の発想として、
「兵士数を固定して」「統率によってどのように部隊能力が変わるか」という視点でグラフを書きなおします。
それが↓こちらです
するとどうでしょう。こちらはきれいな直線のグラフが並ぶことになります。
以前にも挙げた知見に以下のようなものがあります。
知見その7 (再掲&用語修正)
攻軍、攻城、防御の3つの能力も、統率に相関して能力値が決定される。
統率と能力値の相関関係には活用統率以下における傾きと活用統率以上における傾きの2つが設定されている。
(前者を傾き1、後者を傾き2とする。傾きの大きさは傾き1>傾き2である)
実際に率いる兵士数をXとしたとき、この活用統率をpとすると、
この時活用統率pまでは、傾き1によって変化し、活用統率p以上では傾き2によって変化する
(つまり活用統率で折れ曲がる直線のグラフとなる)
...とまあ、この時点では推測にすぎませんが、
上記のグラフを見ると、投石の攻城については概ねこの推測は正しいことがわかります。
検算して確認していますが、
(1)このグラフ群では、(活用統率0の)兵士0と、(活用統率100以上の)兵士17800のグラフのみが直線で、残りの兵士数においては、2つの直線が複合した(ありていな言い方をすれば、1回曲がった)形状をとる
(2)1回曲がるグラフ群において、前半の傾きは兵士数17800のときに等しく、後半の傾きは兵士数0の傾きに等しい
(3)曲がるポイントはその兵士数の活用統率である。
ことがわかったからです。
そしてこのことは、
攻軍と防御においても同様であることが確認できました。
これにて前回の最後に推測した、
統率が上がるごとに部隊の能力が一定の割合で上昇するが、
この割合は2種類あり、率いる兵士数の活用統率以下では増加量a、活用統率以上では増加量bとなる(なおa>bである)
率いる兵士数X、統率tであるとき、Xの活用統率をpとする
(活用統率は、指揮限界を求める予想公式を変形し、p=3/4×√Xと考えられる)
このとき、t≦pならば、能力は「基準状態」+a×t
t>pならば、「基準状態」+a×p+b×(t-p)と推測される
がほぼ正鵠を射ていることが示されました。
ここで、問題となるのが「基準状態」における強さ、および「活用統率以下での増加量」である傾きAと「指活用統率以上である統率値における増加量」である傾きBです。
攻城の基準状態については前回算出してみましたが、攻軍と防御についても求めてみます。
今回はスタイリッシュに、活用統率が0である兵士0と、活用統率が100以上となる兵士17800の2つのグラフから近似直線をひいて求めてみましょう。
というわけで...
3種のグラフとも、多少の誤差はあるものの、2つのグラフがほぼ同じ切片を持ちますが、
この切片(便宜上2つの平均値とする)が、統率0における能力値ということになります。
そしてそれぞれのグラフの傾きが、傾きAとBになります。
一覧表にすれば、
このようになり、このデータはいずれも士気60でデータを採取しているので、
これを士気値0の場合に補正をかける(士気60だと士気0の時の130%になります)と真ん中のようになります。
これにて投石陣形の基準状態での能力は、およそ攻軍93、攻城300、防御107であろう思われます。(加えて言うと、機動12、破城0です)
そして活用統率以下での増加量(傾きA)と活用統率以上での増加量(傾きB)もそれぞれ算出されていますが、投石陣の攻城ならば前者が5ぐらい、後者が3ぐらいとなります
ところで、陣形ごとの能力値は、陣形の持つ基礎能力に比例する、という特徴があります。
知見その3 (再掲)
同能力における陣形ごと差異は、陣形の持つ基本的能力に比例するが、
同陣形における項目ごとの差異は、基本的能力に比例しない
ということは、基準状態および傾きA、Bはいずれも陣形の基礎能力に比例しているはずですので、
それぞれを投石陣の基礎能力で割ってみたのが右の表になります。
すると傾きAとBに関しては攻軍、攻城、防御でほぼ同値であり、
能力値や陣形の種類を問わず、
傾きA=(陣形基礎能力)×0.111(1/9?)
傾きB=(陣形基礎能力)×0.0667(0.6/9?)
であると言ってよいと思われます
問題は基準状態で、
攻軍=(陣形基礎能力)×6.641
攻城=(陣形基礎能力)×6.656
防御=(陣形基礎能力)×6.689
がどの陣形でも成り立ちそうですが、
問題は、この6.6...という似通った数字が演算上等しいかどうか、です。
いずれの数字も6.666(60/9?)であるとすると、非情にリーズナブルではありますが、
例えば魚鱗や長蛇などでは、陣形の基礎能力として攻軍=防御であるにも関わらず、
実際には攻軍<防御(図ったように防御が1大きい)であることを考えると、
攻軍と防御では係数が異なる可能性は十分あります。
(もちろん、防御の演算式がそもそも他とものとちょっと違うということも考えられます)
まあ、そもそもピタリと数値を算出するのが目的ではありませんので、
概算レベルであれば、すべて同値の6.666としてしまっていいのかもしれません。
とすれば、兵士数X、統率tの部隊の強さ(攻軍、攻城、防御)は、
兵士Xの活用統率をp、陣形固有の基礎能力をaとすると、
(※t>pとする)
【能力値】=基準状態+傾きA×p+傾きB×(t-p)
=a×60/9+a×1/9×p+a×0.6/9×(t-p)
=a/9×(60+0.4×p+0.6×t)
これに士気による補正も加味すれば、士気値をmとして、
【能力値】=a/9×(60+0.4p+0.6×t)×(1+0.005×m)
となります。
知見9 (一般化して改訂)
兵士数X、統率t、指揮mの部隊の強さ(攻軍、攻城、防御)は、
兵士Xの活用統率をp、陣形固有の基礎能力をaとすれば、
t<p(活用統率以下である場合→p=tと考えてよい)
【能力値】=a/9×(60+t)×(1+0.5×m)
t≧p(活用統率以上である場合)
【能力値】=a/9×(60+0.4×p+0.6×t)×(1+0.005×m)
で近似できる
といったところで、公式めいたものも出ましたし、
この企画はこのあたりでいったん終了としたいと思います
(もし次があるなら、今度は地域補正についてになるでしょうか)
ごちゃごちゃした計算式と、確定的な結論のないフワッとした企画できたが、
読者諸氏の三國志14ライフに役立ててもらえれば幸いです。
うーん、トリビアとしてはともかく、知らなくてもプレイには影響なさそうだな(苦笑
三國志14 with PKに興味がある方は