第101回 続・部隊の構成要素についての備忘録 | 三國志14の武将データで統計とってみた まとめブログ

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前回に引き続き、部隊能力に関するあれやこれをざっくばらんに述べていきます。

 

前回は士気値の変動をほとんど考慮に入れていませんでした。

では士気値が変動すると部隊の能力はどう変わるのか、を見ていきましょう

 

統率100の武将が投石陣で兵士20000を率いたときの各能力を、士気値の変化とともに見てみましょう。

※攻城が異常に高値なので、これだけ縦軸の縮尺を変えております

 

前回にも知見として述べましたが、

機動および破城は士気値の影響を受けないことがここで確認できます。

 

知見その4(再掲)

 部隊の機動は陣形の有する基礎機動力であり、統率、兵士数、士気の影響を受けない

 

知見その5(再掲)

 部隊の破城は統率と兵士数、陣形に線形相関し、士気の影響を受けない

 

一方、攻軍、攻城、防御の3つについては、士気値とともに一次関数的に相関するようです。

 

知見その8

 部隊の攻軍・攻城・防御は士気値に対して一次関数的に相関する

さてその相関の仕方ですが、

このグラフを見た限りでは、攻軍、攻城、防御はいずれも直線的に変化しているのはわかるのですが、

この3者は互いに平行にあるわけではありません。

見た感じがそう見えるので勘違いしてしまいますが、このグラフは攻城だけ縮尺が異なるため、

実際に傾きを算出すると、

攻軍≒1.25

攻城≒4

防御≒1.42

となり、縮尺が違う攻城はもとより、攻軍と防御も、誤差の範囲で平行なのかもとより異なるのか判断しにくいですね

 

ともかくも、士気によって線形変化するのはわかったので、兵士数や統率が変化した場合に士気変化の与える影響を見てみたいと思います。

というわけで、攻城能力に絞って、統率10、50、100と兵士0、10000、20000を組み合わせて士気による能力値の変化をグラフにしてみます。

本来であれば統率3パターン、兵士3パターンで9つの折れ線グラフになるわけですが、

前回でも取り上げたように、攻城(と攻軍・防御)は「指揮限界」が設定されていますので、

統率10と50では兵士10000と20000では同じ能力値になるため割愛しています

 

いずれの統率・兵士数でも、士気に応じて直線的変化をするのは間違いないようです。

すべての直線で同じような変化をするため、並行のように見えるのもありますが...

 

というわけで、士気0のときの攻城値を基準として、どのくらい増加していくか、とみていきます。

平行なら傾きが等しいので、同じ増加量になるはずです。

...なんと、傾きはいずれもバラバラ。

かろうじて統率10の兵士0と10000が誤差範囲で同じ傾き?と思えなくもないですが、

統率50と統率100では兵士数が変わると傾きが変わるのが明らかなので、

必然的に同じ傾きになるような能力定義ではないと思われます。

 

では次に変化率(増加率)について考えます。

士気0の状態を基準にするのは同じですが、ここから攻城が何%upしていくかを見てみます。

するとどうでしょう。きれいに7つの直線が重なりました。

統率や兵士数に関わらず、士気が0から100になると、攻城能力は50%上昇するということになります。

 

では攻軍と防御ではどうでしょうか

攻軍、防御は攻城に比べて値が小さいので、小数を整数化する場合に誤差が出やすいわけですが、

それでもこの誤差でまとまっているのですから、

攻軍、攻城、防御はいずれも士気0の状態を基準として、士気が1上がることに0.5%ずつ上昇してゆくということでよさそうです。

 

知見その8 補足

 部隊の攻軍、攻城、防御は士気0のときの能力を基準に、士気が1上昇するにつれて能力が0.5%ずつ上昇する(∴士気100の場合、士気0の時より能力が50%アップする)

 

統率、兵力、士気それぞれがどのように部隊能力に関与するかおぼろげながらわかってきたところで、

部隊の基準となる能力について考えてみたいと思います。

基準となる条件は、統率0、兵士0、士気0...としたいところですが、兵士と士気0は実際に組織することができるのでよいとしても(※この際、兵士0の部隊ってなんだよ、という疑問は置いておきます)、

統率0という武将を実際に使用することはできないので、理論値で求めることとします。

 

そこで思い出すのが、こちら

前回登場した兵士0と指揮限界における、統率別の攻城能力の推移です。(ちなみにこれ、士気は60です)

統率100超では指揮限界が20000を超えてしまうためこれを除外として、

統率10~100までの値を利用して、統率0であるときの理論値を考えます。

 

指揮限界における傾きは計算上6.4~6.6であり、兵士0の場合は3.8~3.9となるようです。

統率10の場合、指揮限界で454、兵士0で429となりますので、

統率0の場合を算出すると、指揮限界で338~390、兵士0で390~391となります。

 

統率0における指揮限界兵士は0と考えてよいと思われるので、

双方等しくなる390が統率0、兵士0、士気60の部隊の攻城能力と推測できます。

さらには士気60の部隊は、士気0の部隊の1.3倍の能力になりますので...

 

知見その9

 統率0、兵士0、士気0の投石陣の攻城は300と推測される

偶然か必然か、比較的すっきりとした値が出てきました。

これだけでは断定的なことが言いにくいので、他の陣形の攻城も見てみましょう。

魚鱗陣での検討となりますが、

士気0において、

統率10、兵士0で攻城95、兵士3000(指揮限界)で100、

統率100、兵士0で攻城173、兵士20000(指揮限界)で230となりますので、

この2点で算出される傾きは、兵士0で0.866... 指揮限界で1.444...となります。

ゆえに推定される統率0での値は86.4と85.6となります。この2つが本来は同じ値とすれば、86前後になると推測されます。

 

さて。

知見その3(一部)

 同能力における陣形ごと差異は、陣形の持つ基本的能力に比例する

となっていますので、この比例定数考えましょう。

投石の場合は基礎攻城能力45に対して、基準状態(統率0、兵士0、士気0)の能力が約300、

魚鱗の場合は基礎攻城能力13に対して、基準状態の能力が約86となります

それぞれの比例定数が、6.66...と6.615...となります

 

つまり攻城については、陣形基礎能力の約6.6~6.7倍が基準状態の能力となりそう、と推測されます。

 

では逆に計算してみます。傾きを6.6666...=20/3と仮においてみます。

雁行の攻城の基礎値は25ですので、基準状態では166.666...となります

 

実際にはどうでしょうか。

士気0、兵士0で、統率10のとき183、統率100のとき333となりますので、

算出される基準状態での能力値kは、

k =333-100×(333-183)/(100-90)

または

k=183-10×(333-183)/(100-90)

なので、

k=166.333...(どちらも同じ値になります)

 

長蛇陣の場合は、攻城10なので、推定では66.666...であり、

実際には統率10→100で、攻城73→133となるため、

(途中計算は省略しますが)k=66.333...となり、理論値と予測値は微差であることがわかります。

 

もちろん、本当に比例定数を20/6としてよいかの証明はされていませんが、

近似の値であることは間違いないと思われます

 

知見その9 (補足)

 基準状態での攻城の値は、陣形の基礎能力の20/3に近似すると推測される

 

ちなみに、なぜ私が20/3にこだわるのかというと、20/3=5×4/3となるからで、

この4/3という数字が、指揮限界のところにも出てくるからです

 

知見その6 補足 (再掲)

 指揮限界は16/9×(統率の2乗) または (統率の4/3)の2乗 と推測される

 

 

さて。統率、士気、兵士数が部隊能力にあたえる影響についてまとめておきましょう

 

1.機動

 陣形の基礎能力を引き継ぎ、そのほかの影響で変化しない

2.破城

 陣形固有の破城値×統率÷50×(1+兵士数÷20000)

 ※士気には影響されない。また基準状態(統率0、兵士0、士気0)では0になると推測される

3.攻軍・攻城・防御

 基準状態では陣形の基礎能力×【特定の係数】

 (攻城における特定の係数は6.66ぐらいと推定)

 基準状態より士気が1上がるごとに0.5%の能力上昇

  ここまではだいたい検証すみ

 

以下はまだ推測

 統率が上がるごとに部隊の能力が一定の割合で上昇するが、

 この割合は2種類あり、活用統率未満である場合は増加量a、活用統率以上である場合は増加量bとなる(なおa>bである)

 率いる兵士数X、統率tであるとき、Xの活用統率をpとする

(p=3/4×√Xと推測されている)

 このとき、t≦pならば、能力は「基準状態」+a×t

 t>pならば、「基準状態」+a×p+b×(t-p)と推測される

 

次回もうすこし踏み込んで検証を続けてみましょう