前回のおはなし

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子宮頸がん健診を受けてから自分の身体を知ろうと初めたもう一つのこと。




朝目覚めるとすぐ、体温計を舌の下に潜り込ませなるべく動かないようにじっと待つ。





ピピピ…、という音を聴いて、表示された数字をグラフに書き込み体温計を洗う。
排卵の周期を知る、基礎体温をつけることが日課になっていた。




付け始めて数ヵ月、一番最初のグラフは、口の中で体温を計るのも慣れず、上がったり下がったりガタガタしていて、いつが排卵日なのかも良くわからないものだったが、毎日計ることで二ヵ月目からは、低温期と高温期の二層に分かれているのが見て取れた。





知識はなくとも…、意識はしていなくとも…、
私の身体は、命を育てる為に身体をあたため、それが役目を終えれば基礎体温に戻り…、
そういえば、生理前の数日間は食欲が増して体重が一キロ程増えている。





そこに耐えられるエネルギーを、自然と蓄える。
それを知ると、毎月の生理の煩わしさも、なんだか愛おしいものに思えた。





そんなある日、生理が始まっても、体温は高温期に入ったままで…、
5日程で終わってからも、下がることが無かった。




生理が来て、出血もいつもの量で…、そんなわけはないのだけれど、何故か私は、
『妊娠してる』ような気がして、薬局に妊娠検査薬を買いに走った。





ドキドキしながら判定までの1分間目をとじて待ち、そっと目をあけた先、
検査薬の終了線の横には、『陽性』(妊娠)を知らせるもう1本の線が入っていた。






続く








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