逃れることのできない、二つの未来。

待ち受けるのは――
世界を覆い尽くす暗黒か。

あるいは――
己自身の存在の消滅か。

この戦いが終われば、自分はこの世界から姿が消えてしまう。

その事実を、相棒に伝えることはできないまま。

もっと話したかった。

もっと一緒に笑いたかった。

伝えたい想いだって、まだたくさんある。

けれど――
その時間は、もう残されていない。

それでも、迷いはなかった。

自分が消えることで、相棒が生きられるのなら。

自分が未来を失うことで、
相棒が明日を迎えられるのなら。

それでいい。

そして――
胸に浮かぶ、ひとつの姿。

かつて、未来からやってきたポケモン。
ジュプトル。

世界を救うために、
自らの未来を捨てて戦った相棒。

何度も支えてくれた。

何度も導いてくれた。

そして最後には――
自分たちに、未来を託して消えていった。

ならば、今度は自分の番だ。

ジュプトルが託してくれた未来を、絶対に無駄にはしない。

胸の奥に、静かな闘志が灯る。

恐怖も。
悲しみも。
伝えられなかった想いも。

そして――
ジュプトルから託された願いも。

すべてを抱えて、前を向く。

――必ず、帰す。

大切な相棒を。

ジュプトルが守ろうとした未来を。

そして、この世界を――
明日へ。

これは、ただ世界を救うための戦いじゃない。

相棒のために。

ジュプトルのために。

そして――
これまで自分たちを支えてくれた、すべての想いに報いるために。

自分が消える未来だとしても。

それでも構わない。

あいつが守ろうとした未来が、明るいものであるのなら。

さあ、行こう。

明日へと繋がる、最後の戦いへ。

この物語はポケモンダンジョン時、闇の探検隊の最後の戦い前をピックアップして小説化したものです。

楽しんで貰えると嬉しいです。