夏真っただ中、イルフ童画館へ。

 

 

 

大正11年に好景気と共に女性や子ども向けの雑誌創刊ラッシュ。武井武雄が企画から関わった子ども向け雑誌がコドモノクニ。

キッチュでちょっと不気味?なイラストは強い印象を与えただろう。

イルフ童画館の入り口近くには武井武雄先生の129歳を祝う写真と金の紙の冠が。

 

このまま毎年お祝いするのかな。来年は130歳!

ロッカーにも武井武雄のイラストが。

 

 

 


絵本から飛び出たかのような飾り。

 

武井武雄といえば「本の宝石」。

様々な印刷技術の粋を集めて作られた完全オリジナルの豆本、刊行本139冊。武井武雄のライフワークでもあった。

 

ぐるりと動くターンテーブルで全体を見せてもらえるのは嬉しい。

 

木版、リトグラフ、エンボス加工、皮革印刷、エッチング、シルクスクリーン、レーザープリンター、ステンドグラス印刷・・パピルスに印刷された豆本はなんとパピルスの栽培から始め、材料が全て揃うまで4年の歳月がかかったという。べらぼうだ。べらぼうにすごい。

 

刊行本の頒布会での記念品の数々・・。手ぬぐい本まで?!も~なんなのか・・・!凝って凝って凝りまくっている・・!

 

会員数300名。会員を「親類」と呼び、滞納者は退会と厳しいルールもあった。

空きが出るまでじっと我慢して待つ我慢会会員もあったという。(親類通信のみ。本も時々頒布してもらえたらしい。)その我慢会にも入れない人の為の準・我慢会のようなものもあったそうだ。(なんなんだそれは・・・。)しかも材料費実費のみで頒布とか。どうなっているのか?(と思っていたけれど、岡谷イルフ童画館を見て納得した。武井武雄先生、岡谷の地主の息子で、持ってた土地にイルフ童画館やでっかいビル建てていて、テナント一杯入っている。映画館やカラオケまで。)

 

 

 

圧巻なのはステンドグラス。先生の机と一緒に四方八方にステンドグラスが飾られており、その大きさに衝撃を受けた。

ちょっと待ってくれ~‥先生、この絵柄、刊行本で拝見いたしました・・。ステンドグラス印刷の!カラーでペラペラっとしたステンドグラス風のものがはめ込んであったあれですよね、こんな大きなステンドグラスを実際におつくりになられたのですか????と、固まってしまう。

(先生の机のランプが作品の色合いそっくりで、こういう色合いがお好きなんだなぁ~と思ってしまった。)

言葉もない・・・。

 

美しい~・・・・。しかし凄すぎる・・・。

 

こんな作品も飾られていて、本当に何でも作ってしまうんだな・・と感心。

 

思いついたら、完成するまで突っ走る!

印刷屋さんは毎回毎回、驚きつつ面白がって印刷してくださったという逸話を神奈川近代文学館の展示で読んだ。アイデアは湧いて尽きることがなかったのだろうか。

 

 

※神奈川近代美術館で武井武雄展を観て、いつか岡谷のイルフ童画館へ行ってこよう!と考えていたのだが、割と早く実現した。

小さな美術館を想像して行ったら、大きなビルのフロアーで驚いた・・。(もしかしてなのだが・・この辺一帯が武井家の土地なのでは・・?)