ここでは、娼婦が主役で、その待合室を兼ねたレストランやカジノ、サロンなどを一階にした売春街ストーリーヴィルで、場を盛り上げる為に生演奏を提供していました。それが、やがてJAZZに発展していったわけですが、当時の売れっ子であった娼婦達は、BLUE BOOK という売春街のガイドブックにイラスト入りで紹介され、隆盛を極めました。
しかし、今はその子たちの名前を知る人はまずいません。
音楽だけが残りました。
そんな活気に溢れた失われたニューオリンズのストーリーヴィルの中でも1番の繁華街を曲名にしたBasin Street Blues、そこに勤めていた娼婦の独白を基に作られたThe House Of Rising Sunは、光と影、表裏一体の趣がある歌です。
JAZZの発祥の地ニューオリーンズ。海運が世界貿易の中心であり、アメリカの内陸を輸送する手段もミシシッピ川を使い船で運ぶのが主流で、その玄関口の港があった街、ニューオリーンズ。市電や電灯、電話が全米に先駆けていち早く整備され、西洋のエリートがこぞって訪れた街。そして、ストーリーヴィルという、日本の吉原の様な一大売春特別区が出来、そこの一階の待合室を兼務したレストランやカジノなどで南北戦争に使われていた軍楽隊の楽器を使って、生演奏がどの店でも繰り広げられ、やがてニューオリーンズ全体に広がったと言われています。中でも、Basin Street は、高級店が軒を連ねて、一流の人間ばかりが集う地上の楽園とも称されたと言われていたそうです。その賑わいの様子を歌詞で見事に再現したこの歌、当時の写真を基に絵を描き連ねました。そして、日本語で視覚と聴覚の両方で心に届けるべく作成させて頂きました。