珍しい皇室の問題 | 今だから話せるウルトラクイズ裏話

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17年にわたって放送された「アメリカ横断ウルトラクイズ」。構成作家として最初から最後まで関わってきました。放送出来なかったエピソードや裏話を思い出すままに綴っていこうと思います。

メリカ横断ウルトラクイズでは、森羅万象の出来事からクイズ問題を作りました。但し、意識的に避けていた分野がありました。
それは、現在の皇室に関するクイズ問題です。
別に、皇室を問題にしてはいけない、という決まりがあるわけではありません。
クイズ番組は娯楽番組ですから、その素材に皇室の問題は避けるべき、と我々が自己規制していたのかも知れませんが、皇室の問題というのはあまり記憶にありません。
ただ、日本人として皇室をゲームの素材に使うのは如何なものか、と思うのは自然の流れと言えるでしょうね。多分、我々もその様な気持ちで、問題選考会議で、皇室の問題を外していたのかも知れません。

のような古い人間は「不敬罪」という言葉を知っているので、それであえて避けていたのかも知れませんね。ついでに言えば「不敬罪」そのものは、1947年の刑法改正により廃止されていますので、現在はそうした罪名はありません。
ただ、歴史上の出来事として、天皇を扱ったものは、クイズは知識を競うゲームなので、当然沢山あったと思います。
そんな中で、珍しく現代の天皇制を問題にしたクイズがありました。
それは第15回のエルパソで出題されていました。

El_Paso 


・昭和時代の天皇陛下は「昭和天皇」。では、現在の天皇陛下は何天皇?

皇室 


・今上天皇(きんじょうてんのう)

解説
これは日本人としての基本的な常識を問う問題として採用されました。
「昭和天皇」という名称は、天皇の崩御後に生前の功績をたたえて贈られた称号で、生前はその様に表現されないというのが、日本人の常識でした。
辞書にも今上天皇は「現在位に付いている天皇の呼び名」と記されています。

最近は、皇室を扱うメディアの姿勢も随分変化し、噂話やゴシップの類が週刊誌の市場をにぎわせています。報道の自由、民主主義という観点から見れば当然の流れかもしれませんが、私のような古い日本人から見ると、眉をひそめたくなる記事に驚きを覚えます。
出来れば皇室の問題は避けた方が良い、私は 古過ぎでしょうかね。