今、注目を浴びる割烹着 | 今だから話せるウルトラクイズ裏話

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17年にわたって放送された「アメリカ横断ウルトラクイズ」。構成作家として最初から最後まで関わってきました。放送出来なかったエピソードや裏話を思い出すままに綴っていこうと思います。

メリカ横断ウルトラクイズを作っていた時代には、私自身が毎日のように、クイズ問題のネタ探しをしていました。
その習慣は何となく身に沁みついてしまい、今でもニュースを見ると時々クイズのネタになりそうと考えてしまいます。
その様な中で、最近のメディアで多くの話題を提供しているSTAP細胞の小保方晴子さんに注目しています。

彼女が最初に登場した時には「世紀の大発見」のように、全マスコミが大々的に紹介しました。
ところが、何故か論文に不正があった、というような疑惑が立ち登り、昨日までのマスコミのスター的な存在から、あっという間に疑惑の人物としてテレビ、新聞をはじめメディアは小保方さん叩きに変身したのです。
酷いものは研究の「捏造」といった表現で、彼女を攻撃しています。
更に、某週刊誌では「小保方晴子逮捕か?」といった見出しで、勝手な予想記事を発表し、それをきっかけにインターネットでは好き放題な噂話が駆け巡るようになりました。

この問題は、未だ何の解決も見ていないので、クイズ問題の材料としては使えないでしょうね。
しかし、小保方さんの登場で一躍世の中の脚光を浴びたのが、彼女が登場した時に着用していた割烹着の存在です。

どうやら、これは彼女のイメージ作戦として、最初から計算された演出の1部だったようです。
「祖母からもらった割烹着」という言葉が、人々の記憶に強く残りました。
今、ウルトラクイズがあったなら、今年の問題に割烹着を外すわけにはいかないでしょうね。

そこで、わずかな記憶を頼りに過去の問題を調べたところ、クイズ問題にありましたね。
第15回のロスアンゼルスで、出ていました。

・戦前大日本国防婦人会がユニホームとして採用した衣服は何?

割烹着


・割烹着

解説
当時、調査した解説文には次のような説明が書き込まれていました。
発案されたのは1882年で、日本橋の赤堀割烹教場の生徒の作業着として考案された。
作者は創始者の赤堀峯吉である、との説明です。

現在はインターネットで、調査も簡単になったので、さらに調べたところ次のような事が判明しました。
割烹着は衣服の汚れを防ぐために羽織って着るエプロンの一種。日本で考案されたもので、着物の上から着用できるので便利と喜ばれた。女性が家事労働をする際に、着物を保護するために、明治、大正、昭和の女性たちに愛用されました。

割烹着は、小保方晴子さんが着たために注目されましたが、実はすでに昨年の秋頃から若い主婦層に人気があったのだそうです。
理由は、汚れを防ぐだけでなく、エプロンと違って羽織るだけで暖かい、電気代も上がっているので暖房効果にもなる、と言うのだそうです。
おかげで通販の人気商品になっていたのだそうです。
理化学研究所はその様な世の中の動きも察知して、イメージ作戦に、この割烹着を採用したのでしょうね。
何しろ緻密な研究をする会社ですから、宣伝にも世の動きを読むのは当然です。

理化学研究所


割烹着業者の情報によると、小保方さん効果で、最近は3割も売り上げが伸びているという情報もありました。
追記として、発明者について更に詳しく判明したので、補足します。

赤堀峯吉さんは日本で初の料理専門学校を創設した江戸時代から続く料理人でした。彼の創設した赤堀割烹教場は現在の「赤堀料理学園」で、創立130年を迎えています。
この学校の制服が今年から割烹着に変更、 という話は全くありません。