アメリカ横断ウルトラクイズの象徴ともなっていた「自由の女神様」、何故か第一問に採用されて以来、番組の象徴的な存在になっていました。
「ニューヨークへ行きたいかー!」
という福留アナの第一声から番組が始まっていたので、ニューヨークの象徴の自由の女神が、番組の象徴になるのは自然の流れで、ウルトラクイズと言えば、自由の女神、と結びつくほど皆さんの記憶に焼き付いている事でしょう。
皮肉な事に毎年、クイズ問題を作っていた我々の一番頭を悩ませていたのも、自由の女神様でした。
何故か? 我々は毎年、たった一つの銅像に関するクイズ問題を考えなければなりません。
しかも、問題は書物に記載されていない情報から問題を作る、という条件付きなのです。
自由の女神ほど、知名度のある建造物となると、あらゆる情報が書籍に記されています。
その隙を突いた問題、となると自らの発想しかありません。
そこで出てきた疑問点、
「自由の女神」の著作権はどの様になっているのか?」
という謎でした。
像の制作者である彫刻家のバルトルディーは死後50年以上経過しているので、多分著作権は切れているはずだ、と想像できます。
しかし、家族に引き継がれているかもしれません。
あるいは公共の場に建っているので、権利はニューヨーク市にあるという事も考えられます。
そこで、我々は女神様の肖像権について、アメリカで調査をいたしました。
その結果、何と
「著作権フリー」という回答を得たのです。
最近、中国でエジプトのスフインクスの偽物が建造されニュースになりました。
勿論、御本家のエジプト政府は抗議しています。
また、同じ中国ではパリのエッフェル塔のコピーが誕生したり、色々なコピー商品が話題になっています。
また、日本各地で自由の女神のコピーの像が建っています。
でも、これらは本家からクレームが付いたという噂は聞いた事がありません。
それは、著作権がフリーだからなのです。
我々は、この点に着目して第15回の第一問を作りました。
問・アメリカの象徴、自由の女神を他の国が国旗に採用してもアメリカの許可はいらない。○か×か、 という問題でした。
答・○
解説
自由の女神の肖像権は消滅していました。
理由は公の場所に建ち、一般に公開されているからであり、その前で写真を撮ろうが、絵に描こうが誰の許可もいらないというものです。これは全てに於いて平等で、国旗に描こうが、硬貨にデザインしようが、構いません。
当時、全国に誕生したクイズ研究会がサークルのシンボルマークにしても、誰からもクレームは付けられなかったのですね。
でも、その様な噂は聞いた事がありませんでした。
自由の女神は全てに於いて自由だったのでした。