仕掛けられた引掛け問題 | 今だから話せるウルトラクイズ裏話

今だから話せるウルトラクイズ裏話

17年にわたって放送された「アメリカ横断ウルトラクイズ」。構成作家として最初から最後まで関わってきました。放送出来なかったエピソードや裏話を思い出すままに綴っていこうと思います。

メリカ横断ウルトラクイズのクイズ問題は、あの時代の流行、出来事、時の人などを取り上げてクイズ問題にしていたものが沢山あります。
そのようなクイズ問題は、今、振り返って問題を読み返すと、着眼は面白いけれども現在のクイズ番組では使えません。
古すぎて、「何それ?」と馬鹿にされてしまいます。
クイズというゲームは、時代を反映させる役目もあるので、当然の事ですね。
しかし、現在の出来事でも、ちょっと見方を変えて加工すれば、通用する問題も沢山あります。
例えば、第4回のイエローストーンで次のような問題がありました。

・東京の名所で「日本電波塔」と呼ばれるのは、俗に何と呼ばれる場所?
・東京タワー


東京タワー


解説
東京タワーは俗称で、正式名は日本電波塔と言います。
これは経営母体が日本電波塔株式会社なので、会社名をこの塔の正式名称として登録したために、その様になったのでしょう。
そこで、話を現代に戻して、次のような問題を作ってみました。

・東京タワーの正式名称は日本電波塔です。では、東京スカイツリーの正式名称は?

東京スカイツリー


解説
今や東京の新名所となった東京スカイツリーは、東武タワー・スカイツリー株式会社が経営しています。
東京タワーの正式名称が、経営母体の名を取って「日本電波塔と呼ばれているのを知っている人は、同じように経営母体に考えが及ぶ事でしょう。
そして「東武タワー・スカイツリー」と胸を張って答えるかもしれません。
これが、俗に言うひっかけ問題になるのです。

・東京スカイツリー。

こちらは一般に呼ばれている通りの名称が正式名なのです。
クイズ問題の中には、情報を知りすぎているために勘違いすることを狙った、ひっかけ問題が、時々紛れ込んでいるのです。
我々は挑戦者が、これに引っかかると、密かにニタリと笑い、うなずき合っていました。
何と意地の悪い連中! 
そうです。それが我々の素顔だったのです、イヒヒヒ…。