アメリカ横断ウルトラクイズは、印象としてスケールの大きさを上げる方が多いですね。
その役目を果たしたのは、1つにはヘリコプターを多用したという事が上げられるでしょうね。
テレビ番組を作る人達は皆、この辺をうらやましがっていました。
何故なら、空から俯瞰の映像が入ると、視聴者にその場所の状況が良く理解できるので、ディレクターであれば誰でもそのような映像が欲しくなります。
しかし、どの番組でも予算がありますので、そう簡単にヘリコプターをチャーターする余裕が無いのが普通です。
つまり、ヘリコプターの使用料は一般に高いというのが常識となっています。
その点、日本と違ってアメリカではヘリコプターのチャーター代がそれほど高くありません。
我々はそこの眼をつけ、ヘリコプターを多用しました。
例えば恒例になっている、ニューヨークの決勝戦が有名でした。
対戦者が何故か2機のヘリコプターに乗って、別々の方角からパンアメリカン・ビルにやって来るという演出です。
しかも、2機のヘリコプターが並んで飛行する場面があるわけですから、都合3機のヘリコプターが飛んでいることになります。
それぞれの機にカメラマンが乗っているので、撮影状況としては大変に贅沢な配置です。
しかも、そのような状況は説明がありませんから、専門家が見れば贅沢さは理解しますが、一般には解りません。
でも、視聴者にはその様子が何となく他の番組では見られないようなスケールの大きさを感じてしまうのでしょうね。
これはニューヨークだけに限らず、各チェックポイントでそのような演出を試みました。
ヘリコプターから撮る俯瞰の映像はスケール感を出すのに効果があるのですね。
そのようなこともあって、ヘリコプターに随分助けられた番組だったので、このヘリコプターに関するクイズ問題も作りました。
第16回のサンタフェ・バラマキクイズで出題された問題です。
問・世界で初めてヘリコプターの原型となるものを発案した、イタリアの画家でもある彫刻家は誰?
答・レオナルド・ダ・ヴィンチ。
解説・ダ・ヴィンチは「スパイラル」というものの設計と理論を考案しました。これがヘリコプターの原型と言われていますが、彼は設計だけで実際には作られていませんでした。
今ではヘリコプターの原型はダ・ヴィンチというのが常識になっていますが、あの時代にはまだ一般的な知識として、それほど行き渡っていなかったので、問題として採用されたのでした。
クイズ問題は時代と共に変化する、当然ですね。
↓挑戦者を乗せたヘリコプター 実は前に乗っているのは私です。