他力本願は通じないウルトラクイズ | 今だから話せるウルトラクイズ裏話

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17年にわたって放送された「アメリカ横断ウルトラクイズ」。構成作家として最初から最後まで関わってきました。放送出来なかったエピソードや裏話を思い出すままに綴っていこうと思います。

メリカ横断ウルトラ・クイズは知力、体力、時の運がキャッチコピーとして広く浸透していました。

しかし、今思い返してみると、そこにもう1つ加えたい言葉が浮かんできました。
それは「他力本願ぶっ飛ばせ!」という言葉です。
つまり、自分の思う通りに突き進めという事を強調すべきでした。

それは特に○×クイズに当てはまる注意点といえるでしょうね。

〇×クイズ

ウルトラ・クイズの○×問題は、我々クイズ制作者には最もきつい仕事でした。

一見誰でも判りそうでいて、しかし盲点になっている事象を探さなければ、採用問題になりません。

単に知識が豊富というだけでは、正解を導くことが出来ないという難しさが要求されていたのです。
だから、グアムで恒例となっていた○×泥んこクイズでは、クイズに強いと呼び声が高かった人達が、多数敗れ去っています。

泥んこクイズ4


また、東京ドームでも、他力本願で誰かについて走っていた人達が、残念な結果に終わっていました。

我々は早い時期から、このような他力本願を無くそうと考えていました。
司会の福留さんが、「自分の考えで走れ!」と何度も絶叫していたのを思い出します。

んな不和雷同はだめよ、と最初に感じさせた出来事は第4回の後楽園球場で起こっていました。

その前年度のクイズ王だった福島県からの参加者、S・Rさんが会場にいたのです。

彼を目ざとく見つけた挑戦者は、当然の事ながら、己の考えを捨て去り前年度のチャンピオンに自分の運命を託そうとしてしまいました。

そして、あろう事か、S・Rさんは第1問の自由の女神問題で、落ちてしまったのです。

後で聞いたところによると、彼の周囲にはファンと思しき集団が出来ていて、その人達が一団となって、第1問で消えてしまったそうです。

また、この年のグアムの○×泥んこクイズでは、第2回のクイズ王に輝いたKさんも泥んこの中に消え去っていました。

事ほど左様に○×クイズを正解するのは至難の業なのです。

それも単純明快な二者択一なのですから、負けても悔いが残らないよう、自分の勘を信じるべきなのでしょうね。

○×は他力本願飛んで行けー と言えば良かったです。