インディアン嘘つかない?~その2 | 今だから話せるウルトラクイズ裏話

今だから話せるウルトラクイズ裏話

17年にわたって放送された「アメリカ横断ウルトラクイズ」。構成作家として最初から最後まで関わってきました。放送出来なかったエピソードや裏話を思い出すままに綴っていこうと思います。

あれは第11回でのお話。
ワイオミング州といえばアメリカの中の偉大なる田舎

↓ワイオミングのイメージ画像

ワイオミング

多くの人々は農業牧畜業に従事し、みんな素朴で明るく善い人ばかり。

そういえば昔のテレビ映画で「ワイオミングの兄弟」という人間愛を描いた素晴らしい作品がありました。

↓ワイオミングの兄妹


そのワイオミングに、スピルバーグの名作「未知との遭遇」ラストシーンを覚えている方は思い出してください。

↓スティーブン・スピルバーグ監督「未知との遭遇」

未知との遭遇_スティーヴン・スピルバーグ

↓「未知との遭遇」ラストシーン

未知との遭遇_デビルズタワー


奇怪な形をした岩山、そうです。

人類宇宙人が接近遭遇するあの舞台となった山です。

あまりに不気味な形をしているところから、アメリカ人はこれをデビルスタワー(悪魔の塔)と名付けたのです。

↓Devils Tower(デビルスタワー)

デビルズタワー

ここでウルトラクイズ「ばら撒きクイズ」をする事にしました。

「ばら撒きクイズ」とは問題の入った封筒を上空からばらまき、挑戦者はそれを拾って司会者のところまで持ってくる。中には問題が入っていないハズレもある。

となれば、ばら撒くのは空飛ぶ円盤(UFO)に乗った宇宙人が最適でしょう。

そこで宇宙人出演交渉をしたのですが、彼らはガメつくてギャラが折り合わず。。。(ウソです)

あまりにお決まりすぎるパターンという事もあって、この案はNG

そこで、今回は上空からではなく、ご当地のインディアンの皆さんにクイズ問題ばら撒いてもらう事にしました。

彼らに交渉すると

「ハイハイ、馬を走らせ、クイズ問題ばら撒く。問題なーい。馬、モチロン沢山いるね。まかせる。OKよ」

という事で気持ちよく了承してもらったのです。

そして当日、彼らは西部劇戦士のスタイルで、ずらりと勢ぞろいしてくれました。

彼らは西部劇と同じように、馬には鞍を付けず裸の馬に跨っています。

「鞍が無くて落馬しませんか?」

心配したスタッフが声をかけると

「OK,OK, ボクたち、昔からこのスタイルね」

という事で、収録が始まりました。

↓馬に乗ったネイティブ・アメリカンのイメージ

馬上のネイティブアメリカン

ところが、馬が草原を走り出すと、インディアンのお兄ちゃん達が、馬からコロコロと転げ落ちるのです。

それも一人二人ではなく、次々と落ちてしまうではありませんか?

打撲、捻挫、骨折と現場は大混乱となり、どうにか撮影を終えました。

そして聞いてみると、

「裸の馬、ご先祖さんはみんな乗っていた。
僕たち初めて。
だけどそんな事言えなーい。
これ難しいね。
インディアン嘘つかなーい」

という事でした。。。