6月は、伊豆も雨がたくさん降った。
この時期、大雨が降るとちょっと楽しみがある。
実は、大量の雨が降ったときだけできる
幻の池
が山の中にある。
そしてこの池ができると、モリアオガエルが産卵するのだ。
ということで、今回はカイとさくらの話ではなく、カエルの話です。
カエルには興味がない方は、パスしてくださいね
この幻の池はいつもあるわけではなく、梅雨の時季に大雨が降るとできるらしい。
子供の頃からカエル大好きな息子は田んぼに入り浸ってカエルを探していたので、地元のおじさん達に可愛がってもらっていた。
そして、その中の1人がもっと年が上の方々から聞いていた山の中の幻の池に、当時小学生の息子を連れて行ってくれたのだ。
今や大学生の息子、今年はかなり雨が降ったので久しぶりに行きたくなり行ってみたのだった。
あまりの感動的な光景に私にも来た方が良いと連絡があり、行ってみた。
散策路でも登山道でもない、ただの山。
こんな道(じゃないけど)を歩く。
おじさん達と行くときは、この道(じゃないけど)を通る。
ここに道が見える人っているのかな?
私にはどうしても道には見えず。
向かって左は急勾配のがけ。
黄色いところを歩く。
地元のおじさんや息子は、ここを長靴やすり減った運動靴で歩くのだ。
以前、一度だけ通ったけど、怖くておじさんに手をつないでもらって歩いたのだった。
二度と通りたくないので、崖じゃなく、面になってる場所を通ってもらった。
『遠回りなんだけどね』と言われながら。
それだって全然道じゃないし、
安全とは思えないけどね。
尾根を歩くと、
『ほら、ここに幻の池、って書いてある』
と息子。
書いてないよー。
尾根からけっこうな角度を降りていく。
私が来る前にすでに一度池に降りた息子、どうもテキトーに降りてるらしく、「さっきと違うな」と言いながら下ってる。
年寄りはこういうところ、危ないし怖いんだけど。
転んだら骨折なんだけど?
若いって、こんなんだったっけ?
よろよろ降りた私の目に、木々の間にやっと池が見えてくる。
あれ?こんなに大きな池だったっけ?
そしてカエルの大合唱が山に鳴り響く。
降りて、見た幻の池。
こんな景色になっていたなんて!
なんて幻想的なんだろう。
周囲にはモリアオガエルの声が響く。
あまりの風景に声も出ず、しばらく見入ってしまった。
そしてよく見ると木の上にはモリアオガエルの卵がたくさん!
15mはありそうな高さに、あっちにもこっちにも。
これは100個や200個じゃあないな。
近くを見ればモリアオガエルが。
雨がたくさん降って良かったねぇ。
木に登るカエルも。
モリアオガエルはお腹の大きなメスの多くが、オスを背負って産卵場所まで歩く。
お疲れ様、だよ。
こっちにも。
水の上に出るまで歩く母ガエル達。
頑張って!
ここの動画はこれです。
カエルの声と池の景色だけです。
まあ、この動画を見ると大合唱に聞こえないんだけど、かなりの大合唱だったんですよね。
自然は自然のままに存在する。
これほど大きな池になっていなければこんなに多くの卵を見ることはできなかったかもしれない。
以前、もっと小さな池の時に来たけれど、今回とは全然違う風景だったのだ。
カエルは水には住まない。
産卵と幼生のときに、水が必要なだけ。
カエルは山にいるっていうことをどれくらいの人がわかっているだろう。
人がわかっていないから繁殖できているのかな?
今年は池ができたので、たくさんの子供達が山に入ったことだろう。
この池の後の姿は、また次回に紹介できると思う。
こういう幻の池は、日本中にあると思う。
その池の水に育まれた命は多いはず。
命は人間だけが持っているものではない。
人間はもっと謙虚にならなければ。
なんでもかんでも人間の好き勝手に壊して良いわけはないのだから。