上がり点の計算は、実はものすごく複雑です。
すぐには理解することができないかもしれません。
また、点数表を暗記しなければ実用的でない
という側面もあります。
ですが、初心者のうちは、他の3人が助けてくれると思いますし、
ネット麻雀などのコンピュータ麻雀では、計算は全て自動ですから
点数計算ができなくても心配することはありません。
ただ、どうのようにしたら点数が高くなるのか。
この仕組みについては理解しておいてください。
点数計算の基本式
得点 = 符 × 2 の 飜乗
符(フ)は、手牌の組み合わせと上がり方などで決まり、
飜(ファン) は、上がった時の「役」によって決まります。
ここで重要なのは、符に「2の飜乗」を掛ける点です。
すなわち、飜が1つ増えると得点が2倍になる点です。
一つの例で計算してみましょう。
ありきたりな手牌では、符は30になることが多いです。
飜数は様々ですが、ここでは1飜で計算します。
30符 1飜 の場合の点数
30 × 2の(1+2)乗 = 240
あれ?
(1+2)って???
今のルールでは、場に2飜付くといって、
役の飜に2を加えて計算するのです。
計算の結果、240が得られました。
この240は、子の一人分の点数です。
そして、親は子の2倍の点数になります。
この上がりがツモ上がり(山から1枚引いてきて上がった)の場合は、
子から240点、親から480点もらえることになるのですが、
最小の点棒は、百点棒でした。
ということで、この点数は切り上げになります。
麻雀では、端数を切り上げることが多いです。
切り上げた結果、上がったのが子であれば、
子から300点、親から500点もらえます。
自分以外の子は2人居ますから、もらえる点数の合計は、
300 × 2 + 500 = 1100点
上がったのが親の場合は、3人の子から、500点もらえます。
親は、払うときに2倍になる代わりに、もらうときも2倍なのです。
500 × 3 = 1500点
出上がりの場合は、3人の支払い分を合計してから切り上げます。
子の場合
240 × 2 + 480 = 960
切り上げて 1000点
親の場合
480 × 3 = 1440
切り上げて 1500点
符について
符にはいろいろな種類があります。
基本の符、
上がり方による符、
面子に付く符、
対子に付く符、
待ちの形に付く符
符の単位は符(フ、プ)です。
基本の符 20符
上がれば必ず付きます。
上がり方による符
自摸(ツモ)上がり(山から1枚引いてきての上がり)
には、2符付きます。
暗槓以外に牌を晒していない状態(面前:メンゼン)で
出上がり(「ロン」しての上がり)には、10符付きます。
面子に付く符
順子には符は付きません。
刻子と槓子には符が付きますが、
これには8つの種類があります。
刻子、槓子が手の内にできているかどうか?
手の内にできている
暗刻(アンコウ)
暗槓(アンカン)
晒している
明刻(ミンコウ) = 「ポン」でできた刻子
明槓(ミンカン) = 大明槓、加槓でできた槓子
ヤオチューハイか、チュンチャンハイか?
この組み合わせで符の値が決まります。
中張牌 ヤオ九牌
明刻 2 4
暗刻 4 8
明槓 8 16
暗槓 16 32
32符
対子に付く符
刻子にすると「役」になる字牌の対子には2符付きます。
刻子にすると「役」になるのは、三元牌( 白、發、中 )と
場の風(東場なら東、南場なら南)と
自分の風(親が東、右回りに南、西、北)
場の風と自分の風が一致している場合は、
4符付きます。
場の風でも自分の風でもない風牌の対子には
符が付きません。
待ちの形に付く符
単騎待ち、辺張待ち、嵌張待ちで上がった場合に2符付きます。
両面待ちには符が付きません。
双碰の場合は、待ちの形には符が付きませんが、
自摸上がりなら暗刻、出上がりなら明刻が完成するので、
その分の符が付きます。
特殊な符
また自摸上がりでも、出上がりでも関係なく
50符として計算します。
基本の符を含めて50符です。
符は切り上げる
基本の符、面子の符、待ちの符などを合計したら、
1の位を切り上げて符の値とします。
憶えておきたい点数
冒頭で書きました通り、最初は憶えていなくても
麻雀を楽しむことはできます。
点数計算の面倒くささのために麻雀を嫌いにならないでください。
麻雀でよく出現する符は、30符、40符です。
これに七対子の50符を加えると、上がり全体の
90%以上、感覚的には95%以上をカバーできる
のではないかと思います。
実は、20符も良く出現しますが、
40符を憶えておけばその半分ですから、
1飜下げることで20符にも対応できます。
20符を憶えて40符に対応しても良いのですが、
20符1飜は事実上存在しないので、40符を憶える方が良いのです。
これについては、いずれ説明することになると思います。
ここでは、30符の点数だけを示しておきます。
飜が増えると、どのくらい点数が増えるのかの目安としてください。
30符の点数(出上がり)
子
1000 → 2000 → 3900 → 7700 → 8000
親
1500 → 2900 → 5800 → 11600 → 12000
30符の点数(自摸上がり)
子
子から 300 → 500 → 1000 → 2000 → 2000
親から 500 → 1000 → 2000 → 3900 → 4000
親
子から 500 → 1000 → 2000 → 3900 → 4000
あれ?
赤い部分の数字(5飜の点数)が変です。
4飜の2倍になるはずなのに、そうなっていません。
2倍、2倍を繰り返すととんでもない点数になってしまいますので、麻雀の点数には頭打ちの制度があります。
この制度では「満貫(マンガン)」という単位を使って点数を決めています。
満貫は、子で8000点、親で12000点です。
飜と点数の関係は、次のようになりますが、4飜以下で満貫の点数に達した場合は切り捨てられて満貫となります。
飜と点数
5飜 満貫 子 8000 親 12000
6~7飜 ハネ満 子 12000 親 18000
8~10飜 倍満 子 16000 親 24000
11~12飜 3倍満 子 24000 親 36000
13飜~ 役満(4倍満) 子 32000 親 48000
30符の点数表で、4飜のところが、子で7700 とか 親で11600に
なりました。
これらを切り上げて満貫とする場合も多くみられます。
繰り返しになりますが、点数表を憶えることは、
麻雀を楽しむ上での必須条件ではありません。
点数は大雑把でもいいので、まずは麻雀を打ってみてください。
私たちも憶え始めの頃は、点数計算は30符だけで済ませていました。
それでも楽しく遊べていましたから大丈夫。
点数表は麻雀を楽しみながら、「これ何点?」とやっていれば、だんだん憶えていけるものだと思います。
ここまでの説明で、「役」を憶える下地ができてきたはずです。
次からは、いよいよ「役」の説明を始めていきたいと思っています。
「役」を覚えるのは、点数表を憶えるよりも重要で、符計算を憶えるよりも楽しいと思います。
「役」は、是非全部憶えてしまうようチャレンジしてみてください。
符計算も練習してみたい方は、
以下の手牌の符がいくつになるか計算してみてください。
(1)
(2)
(3)
(4)
東場の親のとき

A 1ピンで出上がりの場合
B 1ピンで自摸上がりの場合
C 東で出上がりの場合
D 東で自摸上がりの場合
------- 解答 -----------------
(1)
基本の符が、20符
手牌の符は、3ピン暗刻(4符)、9ソー暗刻(8符)、
8ワン暗刻(4符)發対子(2符)
8ワン暗刻(4符)發対子(2符)
待ちの符は、単騎待ち(2符)
ここまでは上がり方に関係ない符で、合計は
20 + 4 + 8 + 4 + 2 + 2 = 40
A
面前聴牌で出上がりなので、+10符
40 + 10 = 50
B
自摸上がりなので、+2符
40 + 2 = 42
切り上げると 50符
(2)
基本の符が、20符
手牌の符はなし
待ちの符はなし
ここまでは上がり方に関係ない符で、合計は
20
A
面前聴牌で出上がりなので、+10符
20 + 10 = 30
B
自摸上がりなので、+2符
20 + 2 = 22
切り上げると 30符
(3)
基本の符が、20符
手牌の符は、1ワン暗刻(8符)、5ピン明槓(8符)、
南明刻(4符)3ソー明刻(2符)發対子(2符)
南明刻(4符)3ソー明刻(2符)發対子(2符)
待ちの符は、単騎待ち(2符)
ここまでは上がり方に関係ない符で、合計は
20 + 8 + 8 + 4 + 2 + 2 = 44
A
面前聴牌でない出上がりなので上がり方の符はなし
44 + 0 = 44
切り上げると 50符
B
自摸上がりなので、+2符
44 + 2 = 46
切り上げると50符
(4)
場の風でもあり、自分の風でもある東の対子に
4符付くことがポイントです。
場の風でもあり、自分の風でもある東の対子に
4符付くことがポイントです。
基本の符が、20符
確定している手牌の符は、南暗槓(32符)、
8ワン明槓(8符)、9ソー明刻(4符)
8ワン明槓(8符)、9ソー明刻(4符)
待ちの符はなし
ここまでは上がり方に関係ない符で、合計は
20 + 32 + 8 + 4 = 64
A
1ピンの明刻(4符)、東の対子(4符)
面前聴牌でないで上がり0符
64 + 4 + 4 = 72
切り上げて80符
B
1ピンの暗刻(8符)、東対子(4符)
自摸上がり2符
64 + 8 + 4 + 2 = 78
切り上げて80符
C
東の明刻(4符)
面前聴牌でないで上がり0符
64 + 4 = 68
切り上げて70符
B
東の暗刻(8符)
自摸上がり2符
64 + 8 + 2 = 74
切り上げて80符
切り上げると同じ符になってしまうものが多く、
あまり良い問題ではありませんでした。
切り上げた結果よりも、計算の過程が正しかったかどうか
を判断していただけたらと思います。
あまり良い問題ではありませんでした。
切り上げた結果よりも、計算の過程が正しかったかどうか
を判断していただけたらと思います。
正しく計算できていると思いますが、
間違っているところがありました場合には
ご一報いただけるとありがたいです。
間違っているところがありました場合には
ご一報いただけるとありがたいです。









