稲葉敦志オフィシャルブログ -稲葉式不眠症改善ブログ- -56ページ目
なぜ私たちにとって睡眠は必要なのでしょうか?

睡眠は、私たち人間はもちろんのこと、
犬や猫などの動物にも本来備わっている
本能的な生理機能です。

脳を持つ動物は例外なく
睡眠をとると言われています。

脳の大きさや、重量、賢さなどは全く関係ありません。

以前は、眠らない動物もいる、と言われていましたが、
脳波計の誕生以来、スタイルや時間帯は変わっても、
すべての動物は確実に眠ることが判明しています。

なので、不眠で悩んでいるという人でも、
正確には完全な不眠という方は存在しません。

ずっと起きていようとしても、
最後には睡魔に襲われて眠ってしまいます。

1~2日だけなら大丈夫ですが、数日間も睡眠を奪われると、
脳機能に障害が発生し、妄想や幻覚などが現れるようになります。

さらに、身体的にも体重減少、免疫力の低下などの
異常がみられようになり、ネズミを使った実験によると
2~3週間の断眠で死亡したケースが報告されています。

ちなみに、人間の不眠の世界記録は11日間だそうです。

(現在は、ギネスブックは健康への害が考えられることから
不眠記録の掲載を中止しています。 )

また、あまり眠れなかった翌日は、朝から体がだるく、
頭もボーッとしてしまいますが、ぐっすり熟睡できた翌日は、
朝の目覚めもさわやかで、心身の疲労が回復できることは、
誰もが体験的に知っていることだと思います。

睡眠の役割は大きく4つに分類されます。

1)脳や心身の疲労回復
2)身体活動のリズムを調節
3)免疫力のアップ
4)記憶の整理

睡眠の役割は基本的にはこの4つであることは
間違いないのですが、絶対に眠らなければ
この4つの項目を満足させることが出来ないかというと、
そうでもありません。

1つずつ簡単に説明します。

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1)脳や心身の疲労回復 
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人間は体を動かすと疲労物質である乳酸が
蓄積されて疲労感を感じます。

特に激しい運動をすると疲労感を顕著に感じ、
翌日は筋肉痛で歩くのも辛いのですが、
一晩寝る翌日にはすっかりその疲労感は
無くなっているという経験をした人も多いと思います。

それは、疲労物質である乳酸が寝ている間に
処理されるためです。

また、脳の疲労を回復させるには
眠る方法しかないと言われています。

このように、睡眠には、脳や肉体疲労を
回復するリフレッシュ効果があります。

起きた時に、「まだ体の疲れがとれない」と
感じることがありますが、それは脳からの
信号でそう感じているだけです。

横になって筋肉を休ませることで、
乳酸は炭酸ガスと水に分解されていますので、
筋肉自体はすでに休息を得ていることになります。

つまり、体の疲れをとるだけであれば眠る必要はなく、
体を横にするなど安静にしていれば休めば回復します。

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2)身体活動のリズムを調節  
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睡眠は、ホルモン分泌と密接な関係があります。

成長ホルモンは睡眠の時にさかんに分泌され
、起きている間はほとんど分泌されません。

脳下垂体から分泌される成長ホルモンは、
子供の発育には欠かせない物で、
骨や筋肉の成長、休息に大きな役割を担っています。

また、成長ホルモンは大人にとっても大切で、
主に新陳代謝に深く関係しています。

よく睡眠不足は美容の大敵とされ、
肌荒れをもたらすと言いますが、

それは睡眠不足では成長ホルモンが
十分に分泌されないので代謝が悪くなるからです。

成長ホルモンは睡眠に入ってから
約90分後のレム睡眠の時、一般的には
午後22時から午前2時の間に
多く分泌されると言われています。

睡眠中にしか分泌されないホルモンは
他にもプロラクチンや黄体形成ホルモン、
甲状腺刺激ホルモンなどがあります。

また、睡眠には、自律神経機能を
調節する役割があります。

自律神経とは、意志とは関係なく
身体が機能するように働く神経のことで、
呼吸、消化、吸収、睡眠などの生理機能を支配します。

自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があります。

この2つは相反する働きをしており、
交感神経は運動や車の運転などの
緊張状態で優位に働き、逆に、睡眠中など
リラックスしている時には副交感神経が優位に働きます。

つまり私たちの身体は、昼は交感神経が働いて、
夜になると副交感神経に切り替わる自然のリズムを持っています。

しかし、主にストレスによってなかなか交感神経から
副交感神経に切り替わらず、リラックスできないように
なると2つの神経のバランスが崩れて体調不良になります。

これがいわゆる自律神経失調症で、
不眠症の要因となります。

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3)免疫力のアップ  
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睡眠には、免疫力を高める作用があります。

風邪をひいたら寝るのが一番だ、とよく言いますが、
これは眠ることによって身体を休養させ、
免疫機能を高めてウィルスなどと戦うためだと言われています。

人間は睡眠中に免疫力が高まり、病気を直そうという
自然の力が働きます。

風邪っぽいなと感じた時は、
少し長めの睡眠をたっぷりととれば、
免疫力と自然治癒力が高まって、
朝には治ってしまうでしょう。

逆に言うと、睡眠不足の時は
体の免疫力が下がっていますから、
風邪の菌に対する抵抗力が弱っていて、
風邪を引きやすくなります。

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4)記憶の整理 
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睡眠の役割として、
人間の記憶を定着させる働きがあります。

睡眠中の脳は、一日のうちに吸収した
膨大な情報を整理し、必要なものと不要なものに分類し、
必要なものについてはその情報を記憶として脳に記録しています。

夢を見ている比較的浅い眠り(レム睡眠)の時に、
記憶を脳に記録する作業をしていると考えられているのです。

一時的に入ってきた情報を、長期記憶として
保存させるためには、睡眠が必要なのです。


稲葉敦志