満足な睡眠を手に入れるには、
睡眠の基本的なメカニズムを知ることが大事です。
あなたの睡眠の支配しているのは、
毎朝同じ時間に起こしてくれる目覚まし時計でも、
携帯電話のアラーム機能でもなければ、
母親や奥さんでもありません。
目覚まし時計や携帯電話が存在しない遥か昔から、
人は日中に活動して、夜間休むという生活をしてきました。
その規則正しい生活のリズムの基礎を
作っているのが“脳”です。
睡眠は脳のために必要なものですが、
その睡眠を支配するのもまた脳なのです。
睡眠の管制塔は、額の奥にある
脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)です。
ここに体内時計と呼ばれる神経細胞の集まりがあります。
明暗の切り替えがないと体内時計は一日25時間周期ですが、
朝の太陽光を浴びて目の網膜から光が伝わると、視交叉上核の体内時計は
針を1時間進めて24時間サイクルにリセットします。
では、なぜ最初から24時間サイクルではないのでしょうか?
理由は不明なのですが、地球の公転で昼夜の長さは毎日変わるので
時計合わせ機能を持つ方が四季の変化に対応しやすく合理的だから
なのではないかと思います。
そして、起床後14~16時間して暗くなると眠気が高まります。
以上が、「夜になったら眠くなる」理由なのですが、
人には「疲れたら眠くなる」というもうひとつの
睡眠制御プログラムがあります。
これは環境を一定に維持するホメオスタシス(恒常性維持機構)
の仕業です。
脳をノンストップで酷使すると、脳内に眠気を促す、
プロスタグランジやアデノシンなどの睡眠物質
が溜まります。
これが脳の睡眠中枢を刺激し、覚醒中枢を抑制することで
眠くなるのです。
稲葉敦志