これはR129 V8 M119エンジン(初期 KEジェトロニック)のエンジンヘッド周辺にあるアイドルエアホースのアップです。亀裂が見て取れると思います。
エンジンの上に張り巡らせてあるホースです。
エンジンのアイドリングをつかさどるアイドルエアバルブ(写真中央右下の筒状の部品)のつながっており、
アイドリングの制御をおこないます。 このホースが経年劣化(主に熱)によって材質の柔軟性が失われ、ひび割れてしまうのです。
ひび割れている=穴があいている というわけで、ここから余計な空気を吸ってしまい、アイドルエアバルブがいくら一生懸命仕事をしてもハンチング(エンジン回転の上下運動)が起こってしまいます。
これでは世界に誇るM119エンジンが可哀そうです。
たかがホースですが、大変重要な役割を果たしているのです。
新品に交換しました。 エンジンは完全な調子を取り戻して滑らかさが戻ってきました。
全部で14本の専用ホースです。 部品代金は約2.8万円。交換工賃はそれをちょっと上回る程度です。
こちらは同じホースでもW203のブローバイホースです。
M119のアイドルエアバルブホース場合はインジェクターノズルの脱着が必要ですが、こちらはなんとインテークマニホールド、およびコンプレッサー(スーパーチャージャー)本体の脱着がなければホースの交換ができません!
画面左、上から引きこまれるブローバイホースは中央でジョイントされ、画面右 エンジン横を通っていきます。
こんな細かいところに手が入る人類が存在するのでしょうか! いいえ、絶対手は入りません。
ということでインテークマニホールドとコンプレッサーの脱着が必須となります。
この部分も2次エアを吸ってしまうとエンジンチェックランプが点灯し、「異常」を知らせます。もちろんアイドリングも安定しません。
部品価格数千円なのに、交換工賃がその数十倍・・・。 このようなところをみると、最近のメルセデスの設計は親切じゃないなぁと感じます。 「いつかは交換する」ということを考えていないといえます。
消耗部品は交換して乗り継ぐもの・・・そういったメルセデスのポリシーは、「壊れたら買い換えろ」になってしまったかのように受け取れます。 年々上昇の一途をたどる90年代メルセデスの交換パーツの価格を見ると、そう思えて仕方がありません。
たかがホースですが、されどホースです。細かなパーツにも存在価値が必ずあるのです。
メルセデスがメルセデスらしくあるためには肝心なパーツの一つです。
肝心と言えば・・
前出のM119エンジンはエンジンヘッド上にエアクリーナーケースが設置されています。
そのマウントも熱でやられる部分です。(写真は新品取り付け後)
エンジンはボンネットを閉じてしまうと分かりませんが常に振動と運動と熱に囲まれています。
アクセルを開ける、閉めるでエンジンは左右(立て起きエンジンの場合)に大きく動きます。
エアクリーナーは埃をエンジン内に入れない大事な役割があります。
もしマウントがダメだったら、クリーナーケースとの間に隙間ができて埃を吸いこみ、バルブやピストンなどに傷を付けてしまいます。
たかがマウント(マウントが900円程度、ナットが800円程度)ですが、その役目は大きなものです。
普段目に見えないところも、大事なところはたくさんあるのです。