すっかり秋になってまいりました。
オープンエアドライブの気持ちいい季節の到来です。
皆様良くご存じの通り、UBTが得意とするメルセデスの1台、R129のSLは全車、オープンカーです。
しかもボタン一つでトップの開閉ができるシステムです。
そのシステムには油圧機構が使われています。 油圧機構はフロントガラス上部からリヤコンパートメント部分まで張り巡らされています。
これはトランクをあけると見える、トランクルーム内の油圧シリンダーの一つです。
ソフトトップのシステム、そして使用されているシリンダーには年式によって細かな仕様変更で差異があります。
こちらのお車は1990年式のUS並行車両。 もっとも初期型のシステムのお車です。
ソフトトップ開閉時に大規模なオイル漏れ(というより、まるでスプレーのように派手に吹き出す)で入庫したお車のシリンダーです。
このソフトトップ開閉用油圧シリンダーですが、オイル漏れは内部のシール材破損によって起こります。 これは足回りのショックアブソーバーも同じ構造なので全く同じことが言えます。内部のシール材破損の主な原因は、上下するシャフトのゆがみ、異物による傷がほとんどです。
このお車はシリンダーを固定する部分にゆがみが生じ、そのせいで垂直に動かずにややねじれて上下してしまっていたために、シール材を擦り減らせてしまっていました。
国内に在庫のなかったこのパーツはドイツより迅速に取り寄せました。数日かかりましたが、結果として国内流通定価の55%程度で入手できたため、お客様にも喜んでいただけました。(国内定価 \94,600)
しかし取り寄せて装着すしようとしたところ、装着ができない!
良く見ると全く同じパーツナンバーなのに細かな仕様変更が行われており、このシャフトおよび頭のねじ部分がそれぞれ一回り太くなっていました。 通常仕様変更などでリプレイスされる場合部品番号もリプレイス番号に変更されるのですが、これは全く同じ番号がそのまま使われていました。
同じようなトラブルが頻発した為に仕様変更と相成ったのでしょう。 しかしこのままでは装着できません。 なにせねじ山のピッチ、太さも完全に異なるのです。 そのまま取り付けるためには、このシリンダーだけでなく上下機構すべてのユニットまで新しいものに変更しなければなりません。 そんなことをしたらあと何十万円追加になるか分かりません。 デXーラーでの修理では良く聞く「ユニット交換」という恐怖の言葉です。
トラブルの出ていない部品を、仕様変更された部品を装着するだけのために、高い金額を払って交換させていただくのはなんとも「もったいない!」ですし、なにより「申し訳がない!」
そんなときUBTはまず工夫します。
ちょっと工夫してパーツを適合させればよいのです。もちろん無理につけることはしません。 耐久性や機能を十分に吟味し、過去の経験から問題ない方法を選択します。
それは今回の場合、ユニット取り付け部分のねじ山を補強しつつ切り直すという細かな、でも大切な職人芸が必要となりました。
作業は滞りなく進み無事に装着され、不安なく秋のオープンエアドライビングを堪能していただけるように仕上がりました。
このようにUBTでは国内にないパーツでも迅速にそして安価で取り寄せることができ、かつ不必要な交換など「無駄」を省いた整備を、豊富な経験とノウハウで勧めてゆきお客様にご満足いただくことを信条としています。
お車に不安があったらお気軽にお任せください。
どうぞよろしくおねがいいたします。

