備忘録としてメモ。
最近はいろんなDAWでサラウンドが扱えるようになり、製作も身近なものになりました。とはいえサラウンドでモニタリングできる環境を持ってる人は少ないでしょうし、それを仕事にしている人なんて更に少ないでしょう。なのでサラウンドについて疑問があっても根本的な部分を調べるのは結構面倒でした。
僕のメインDAWであるPro Toolsでサラウンドを遊んでいた時にチャンネルの順番がなんだか見慣れないことに気づきました。
CH | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
7.1ch | L | C | R | Lss | Rss | Lsr | Rsr | LFE |
…ん?L C R?正しい順番はL R Cだったような?
気になって調べたところ標準とされるSMPTE規格(*1)とは別に、Film規格と呼ばれるフォーマットがあるらしく、Pro ToolsはFilmフォーマットのみを取り扱っているようです。とはいえPro Toolsの内部ではFilmフォーマットですが、外部のレンダラーへ送信する時やモニタリングするときはSMPTEフォーマットも選択できるようです。
*1 厳密には規格というほど定まっていないようで慣例みたいなものらしい?
図1. IO設定の「アウトプット」タブ
ただしバス作成はFilmフォーマットになります。Pro Tools Ultimateだとまた違うのかな?
図2. IO設定のバスタブ
実際にアウトプットでSMPTEを選択したときは、バスが"L C R …"となっていても、きちんと"L R C…"の順番でオーディオインターフェースから出力されていることが確認できました。
Pro ToolsについてはこれでOKなのですが、いろいろ調べていたらSteinberg Cubase / Nuendoでもチャンネルの順番が問題になっていることがわかりました。
これはNuendoのフォーラムですが「チャンネルが間違っている」という投稿です。このスレッドによると、スピーカーの並びが普通なら前から順番に後ろへ向かうのですが、なぜか「前、後ろ、真ん中」という順番でチャンネルが配置されているとのこと。そのせいで一部のサラウンド対応プラグインでは誤動作が起きているようです。
原因はバグではなく「Microsoftの仕様に従っている」とのこと。とはいえこの仕様になっているのはSteinbergだけでは…?少なくともPro ToolsもLogicもdpも違います。これは混乱してしまうのも当然かもしれません。
メーカーごとに違う規格があるなら理解できるのですが、同じDolby Atmosという規格の中でチャンネルの順番という基本的な部分が定まっていないのは面白いなと思いました。