フォルダートラックが搭載された新しいPro Toolsがリリースされて2ヶ月くらいが経過しました。今の所致命的なバグを感じることもなく、そこそこ普通に使えています。ただ以前からのバグ(CPUメーターが突然天井を突いて操作不能になる、メモリーが100%に達して動作が不安定になる、など)は今の所改善していません。
そして先日気づいたのですが「Sibeliusへ送信」の機能がちょっと変のような…こんなんだったっけ?と感じる挙動をしていたので記事にしてみます。
「Sibeliusへ送信」機能とは、Pro Toolsの楽譜エディタで表示された楽譜データを、楽譜ソフトであるSibeliusに直接送信できる機能です。いったんMIDIファイルに書き出さなくて良い分だけちょっとお手軽と言えます。
で、僕の普段のやり方としては以下の通りです。
- 楽譜にしたいMIDIトラックだけを選択状態にする
- 右クリックメニューから「楽譜エディタで開く」を選ぶ
- 必要に応じて五線などを設定して、ファイルメニューから「Sibeliusへ送信」を選ぶ
- Pro Toolsに表示されている楽譜がSibeliusで表示される
これ以上の何かをやった記憶がありません。
これがPro Tools 2020.3ではうまくいかないのです。
具体的には4番で、Pro Toolsに表示されていない全く別のトラックがSibeliusへ送信されてしまいます。
そこで、こんなトラックを作って実験してみました。
MIDIトラックを3つ作成して、MIDI3のトラックだけをSibeliusへ送ってみようと思います。
MIDI3のトラックだけを選択状態にして、右クリックでメニューを出して「楽譜エディタで開く」を選択。
このように楽譜エディタが開いて、MIDI3のトラックだけが表示されています。
ファイルメニューから 送信→Sibelius を選択
するとSibeliusが起動してこのように…あれ?Pro Toolsでは存在しなかったMIDI1とMIDI2のトラックまで送信されてる?
と、このように意図しない動作をします。今回はすべてのMIDIトラックが送信されましたが、MIDI1だけが送信されて肝心のMIDI3が送信されないとか、いろんな組み合わせが起こります。前のバージョンではこんなことはなかったように思うのです。
それで上の楽譜エディタを開いた画像ですが、左上に「…ん?」と書き込んである場所があります。ここを見るとすべてのトラックが選択状態になっています。にもかかわらず楽譜はMIDI3しか表示されていない…これバグだよね?
というわけで、Pro Tools 2020.3の「Sibeliusへ送信」の(おそらく)不具合のお話でした。