Pro Tools 12.3 コミット機能の不満その2 | ultimate-negiのブログ

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Pro Tools関係の情報を中心に、その他思ったことなどをメモ代わりに書いています。

この記事はコミット機能の問題というよりは、個人的な問題についてささやかに愚痴ったものです。でも似たようなことを思った人は多いはず!



Pro Toolsに遅延補正機能が追加されて以降、いくつかの致命的なバグが存在していました。その中のひとつが、

プラグインのパラアウトに遅延補正が効かなかった

というものです。メインアウトは大丈夫でパラアウトだけ補正が効かないという、なんともAVIDらしい嫌らしいバグです。このバグは11.2.1でようやく解決しましたが、それまで長いことユーザを悩ませていた問題でもありました。例えばドラム音源で各キットをバラ出ししたいと思っても、遅延補正が効かないためタイミングがずれてしまい、ぶっちゃけ使い物になりませんでした。

そこで思ったのです。じゃあパラアウトしなければいいじゃない。

そんな訳でパラアウトをしない制作環境というものが構築されて行きました。しかし、ここにきてそれが裏目に出てしまいました。コミットはインプットではなく、アウトプットの数に依存するのです。

例えば以下のようなセッションを作ったとします。

AUX:VEP Winds

MIDI1:Piccolo -> VEP Winds CH.1
MIDI2:Flute -> VEP Winds CH.2
MIDI3:Oboe -> VEP Winds CH.3


VEP Windsというインスタンスに木管音源をまとめて起動しておいて、それを外部音源のように使う感じです。パラアウトしていないので全ての音はVEP Windsを起動したAUXからステレオで出ます。自動遅延補正にバグがあったときはこれが最良の手段だったのです。

この状態でMIDIトラックを全部選択してコミットを行うと、ピッコロとフルートとオーボエが全部ミックスされた1個のオーディオトラックが作成されてしまうのです。なんだよもー!またテンプレート作り直さなきゃいけないじゃん!(泣)

これを回避して、それぞれ個別のオーディオトラックにコミットするには以下の2通りの方法があります。

1. MIDIトラックをまとめて選択するのではなく、1個ずつ選択してコミットする
2. VEPにパラアウトを設定して、必要な楽器ごとにアウトプットを用意する

すべては遅延補正のバグを長年放置していたAVIDが悪いのです。が、そのバグもなくなったことですし、改めてパラアウトを設定したテンプレートを作るのも良いかも知れません。

というわけで、これから使う方はご注意!

たくさんのMIDIトラックを作成しても、音源のアウトプットが1個しか設定されていない場合、コミットで作成されるオーディオトラックも1個だけ。