注意:この記事の内容は2022年現在発売されているSOLO STRINGSではなく、それ以前に発売されていた古いバージョンについて書かれています。新しいバージョンの記事はこちらをご覧ください。
SPITFIRE Solo Strings 発売
https://ameblo.jp/ultimate-negi/entry-12390417178.html
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昨年の1月に「今年はSolo Stringsのアップデートするよ!」とロードマップが公開されて期待してたのですが、その後何もなかったかのように立ち消えてしまったのが残念でなりませんが、音質的には悪くなく、このメーカにしては価格も安いソロ弦のライブラリです。
http://www.spitfireaudio.com/spitfire-solo-strings
ストリングス音源というのは数多くありますが、弦カル(バイオリン×2、ビオラ、チェロ、合計4人による合奏)で使えるものというのは非常に選択肢が少ないのが現状で、思いつく限りあげてゆくと
・VIENNA Solo Strins
・Spitfire Audio Solo Strings
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あれ?他にあったかな?ってくらい少ない。
LASSや8Dioにもソロ弦はありますが、あくまでオマケという感じがします。今ならEmbertoneのバイオリン、ビオラ、チェロを買えば可能かも知れませんね。でもEmbertoneはビオラとチェロの音が好みじゃないので食指が動きません。
さて、そんなSpitfire Audio Solo Stringsですが音は非常に良いです。レガートでメロディを奏でるとそれはもう美しい感じになります。深いビブラート、奥行きのあるアンビエンス、さすがSpitfire Audio!
ですがレガートでもメロディでもないものは超絶苦手で使いにくいのもこの音源。例えばPOPSのバックで使われるような演奏とか、歯切れの良いリフとかは無理無理、マジもぉ無理、ってくらい無理です。この音源は完全にクラシカルな雰囲気のための音源なので、そういう目的で購入するのであればかなり使えると思います。
一応ビブラートのコントロールも可能ですが、可能というだけで使い道はあまりありません。混ぜるのではなくオン/オフで切替えるタイプ(※1)なので徐々にビブラートを深くするということが不可能ですし、何よりnon vibの音が全く使えない。別人が弾いたんじゃないかってくらい使えないのです。non vibの音がもっと良ければ表現の幅も広がると思うのですが。
※1 モジュレーション・ホイールなどのコントローラで演奏中いつでもコントロール可能なのですが、0~真ん中まではnon vib、真ん中~127までvibと切り替わるだけで、ビブラートの深さをコントロールすることはできません。
VIENNAは音のバリエーションやアーティキュレーションは本当に豊富なので、使いこなせれば非常に心強い音源でしょう。ですが自分にとっては音の太さと音場の近さが気になってしまって使いにくいと感じています。特にスケッチやラフで他の楽器と組み合わせた時に、無加工だと非常に強い存在感が出ますし、コントローラで表情をつければ非常に美しいのですが、逆に表情をつけないとシンセ臭くなってしまいます。
Spitfire Audioは手早く簡単に、VIENNAはがっつりと打ち込むこと前提に、という使い分けができるのかなと。
理想を言えばバイオリン1とバイオリン2が別サンプルで収録されているとベストなのですが、なかなかそういう音源も無いのですよね(ユニゾンというのも時として効果的なので)。