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【映画】『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ』(ネタバレ)

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★★☆☆☆

あらすじ



新作執筆のために別荘を訪れた小説家のジェニファーは、地元の男たちに繰り返しレイ○プされてしまう。
男たちに射殺される寸前で川に飛び込み命を取り留めた彼女は、ひっそりと復讐を開始する。

感想

※本日の感想は、アメブロの『サイト運営にふさわしくない言葉・表現』への抵触を避けるため伏せ字が多用されており読みにくい部分もあると思います。ご了承ください。


最近は、『死ぬまでに観たい映画1001本』なんていう本に掲載されている映画を観ているせいもあって、アカデミー賞やカンヌやらで賞をもらうような、いわゆる“高尚”な映画を観る機会が多いものの、TSUTAYAなんかに行った時に“この手の映画”に惹かれてしまうゲスさは消えないものでして。
まあ、こういう映画を楽しんでしまう僕はどうしようもない“クズ”だな~、なんて思いつつ、まあ、それはそれでいいんです!と開き直って、今日の感想です。

本作『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ』のストーリーを一言で言ってしまうと、「盛大にレ○イ○プされた主人公ジェニファーが、目には目を!歯には歯を!そして、ア○ナルにはアナ○ルを!!の復讐をする」というだけの話。
『発情アニマル』という70年代カルトムービーのリメイクということもあり、とりたてて目新しいストーリーではない。
『発情アニマル』については未見なので、本作のリメイクとしての可否は判断がつかないけれど、単体の作品としては、正直あまり特筆すべきところがない印象の映画だ。

突っ込みどころは満載、ご都合主義展開も多数。
“志”を感じるような映画でもなければ、「製作者は楽しんで作ったんだろうな~」と思わせる類の映画というわけでもない。
かと言って、すべての要素を「だが、それが良い!」と言い切ってしまえるような“愛すべきB級映画”の感じもない。

でも、なんて言うんでしょう。僕はこういう映画が嫌いじゃないんですよ。

決して、わざわざ映画館に観に行ったり、あえてレンタルしてまで観るべき映画じゃないのは間違いないんだけど、「金曜の夜中とかにふとテレビをつけてやっていたらダラダラと見続けてしまい、結局最後まで見終えてしまったけど、まあ後悔はしてない」系映画とでも言うんでしょうか。
(まあ、民法で流せるような内容では無いんですけど。)

何が楽しいって、SFやファンタジーと同じように、作り手も視聴者も「コレは作り物」ということをはっきり認識していて。
その上で、「『コレは作り物ですよ!』という絶対のルールのもと、とことん残酷になるゲーム」を楽しむという映画の見方が楽しいわけで。

これもまた、れっきとした映画の楽しみ方なんだと思うんです。

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そんな本作『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ』の見所は、何と言ってもジェニファーによる復讐シーン。
冒頭に書いたとおり、「目には目を、、、」の精神が徹底されていて、ヤラれたことを数倍にしてやり返す描写が、いちいち痛々しい。
復讐の鬼と化したジェニファーの、クリエイティビティあふれる“えげつない行為”は、もはや完全に“拷問”と言っていいレベル。
ジェニファーの職業が小説家という設定があるとはいえ、か弱くてビビりまくりの女の子だったジェニファーが、よくもまあ、これほど残酷なことを考えつくもんだ!と感心してしまう。

特に秀逸だったのが、“アルカリ溶液”による拷問シーン。
事件の前に、いかにも意味あり気に『劇薬』のビンがアップになるシーンがあって、「お!これを復讐に使うんだね!」というのは丸わかり。
そして、使い方も予想通りに「顔面を溶かす」ために使われるんだけど、その“顔面の溶かし方”が想像よりもはるかにエグい。

その拷問方法っていうのは、“アルカリ溶液”を満たした風呂の上に男をうつぶせに寝かせ、両手を後ろ手で縛ったうえで、下半身のみを固定して放置するというもの。
『上体そらし』の状態(背筋で上半身を支えている状態)になるわけだが、当然どこかで限界が来て、上半身はアルカリ溶液の中へ。

残酷描写が売りの映画における「酸やアルカリは顔面を溶かすためのものである」という定番フォーマットに従い、本作でもアルカリ溶液が顔面を溶かすんだけど、それが一筋縄ではいかないのが、この『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ』。

アルカリ溶液の中で「うぎゃー!」と大暴れして再び「上体そらし」。頬が赤くなっている。
→「うぅ、、、あぁ、、、」とうめきながら「上体そらし」をキープ。
→また背筋の限界が来てアルカリ溶液へ顔面からダイブ!
→「うぎゃー!」と大暴れして再び「上体そらし」。頬が溶け始め、赤黒い肉がちょっと見えている。
→「うぅ、、、あぁ、、、」とうめきながら(以下、無限ループ)
という感じで、人間がなかなか死なないというのが見所なのだ。

他のレ○イ○パーたちの死に様も同様に生々しく、残酷。
そして、人がなかなか死なないから、拷問もなかなか終わらない。
だから、スゲー痛い。
(ま、「そこはあっさりなんかい!」と思うシーンもあるけども。)

“アレを切断される”とか、“アレをアソコにぶち込まれる”とか、男目線で見ると強烈に苦しいシーンも満載で、そういう意味でもかなり見応えのある作品だった。

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とは言え、やっぱりダメダメな部分も多く、「愛すべきバカヤローたちが作った、愛すべきB級映画」の水準には達していないというのも正直な気持ち。

何がダメかと言うと、、、はっきり言ってストーリーは全部ダメですよ、この映画!


【注意事項】
ここから先の僕の文章を文面通りに受け取ると、どうしようもなく“クズ発言”になってしまいますが、ここから先の発言は全て、あくまで「コレは映画」という前提ありきの意見です。
決して、絶対に、この映画の題材となった行為そのものに対して、こんな立ち位置の意見を持っているわけではないですよ!と声高らかに、前もって言い訳をしておきます!
暴力反対!



と言い訳も済ませたところで、この映画のストーリーのダメなところですが、、、
何と言っても、レ○イ○プに至るまでの時間が長すぎる!
とっとと、犯さんかい!!!


リメイク作品なのであらすじを知っている人が多い映画なのは間違いないし、予告編やDVDのパッケージ裏をチラッとでも見ていれば、この映画が「レ○イ○プされた女の復讐の話」ってことは、みんなわかってるわけで。
それでもこの映画を観たいと思う人なんて、レ○イ○プそのものや、その後の復讐のシーンの残酷描写を観たいと思ってるに決まってるじゃん!!

それをなんか、ダラダラダラダラやりよるわけですよ!
“そういう行為”を繰り返しているはずのロクデナシの男たちの手際の悪さもヒドい。

とっととやってしまわんかい!!

で、ダラダラとした前置きが終わって“コト”を終えた後、女を始末しようとしたところで女に逃げられ(この辺りも、レイ○プ描写は抽象的だし、「“コト”も済んだし、殺してしまえ!」の発想も意味わかんないんですけどね。)、“コト”の現場を撮影したビデオテープの処分をめぐって犯人たちが仲間割れをする辺りからようやくスリリングな展開に。
そして、先述した残酷復讐ショーが始まることで、ようやく本作の見所にいたるという感じ。

そんなこんなで、約120分ほどの作品になっているんだけど、レ○イ○プに至るまでの前置きをもっとタイトに仕上げて、全体を90~100分くらいにまとめていたら、全体としてはかなりしまった作品になったのになぁ。。


さらにもう一つ。

【注意事項】
ここから先の意見は、我ながら心底クズ発言。あくまで、この映画の「作品としての」評価なんですよ~、という前置きの言い訳を改めてしておきます。


ジェニファーの復讐の対象者の中で最も邪悪な男の家族、しかも「妻」「娘」という格好の素材を登場させておきながら、「妻と娘に“あの子と”がバレたらマズい!」と慌てるという意味でしか機能させていないのはなんでだ?
男に最大級の絶望を与えるとすれば、やはり「妻」と「娘」に対する“えげつない行為”が必要だと思うのだ。

それこそ、『オールド・ボーイ』の復讐を見習わんかい!!
(すでに散々言ってるのでご理解いただいていると思いますが、あくまで「映画」という“作り物”に対する改善の意見ですよ。)

強烈で残酷な復讐行為を続ける中で、すでに“可哀想な被害者”という枠を飛び出してしまっているジェニファーだからこそ、とことん残酷なところまで突き進んで欲しかったものだ。

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というわけで、クリエイティビティに溢れ、生々しい“痛み”を感じさせる拷問シーンはかなり秀逸ながら、それを成立させるためのストーリー部分がゆるゆるな本作。
レ○プ直後、そして再び男たちの前に姿を表した時のジェニファーの存在感はなかなかのインパクトがあり、“人ならざる者”にすら見えるカットもあるものの、最終的には“今ひとつ『芯』が感じられない存在”になってしまうのも残念。

それでもまあ、唯一の見どころである“拷問シーン”の出来は素晴らしく、そこだけでも見て損はしない映画だとも思うのでした。
(ま、あくまで“損はしない”レベルで、あえて観るべき映画でもないんですけどね。)
ただ、こういう映画を楽しんでいるということ自体が、“ゲスの極み”と言うべきものなので、あまり公言せずに、ひっそりと観ることをオススメしたい映画なのでした。

今日の余談

散々、「ストーリーがどうしようもない」ってことを書いたわけですが、オリジナルはどうだったんだろう。
カルトムービー化するくらいだから、少しは見れたものだったのだろうか。
うーん、気になる。。。

と、思っていたら、ちょうど今、シアターNで公開されてるのか!!
観たいような気もするが、、、うーむ。。。




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オリジナル版の「発情アニマル」。当時はポルノ映画的扱いだったそうな。。。
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ちなみに、新旧のボックスも出てるみたい。これを買う人って一体。。。
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