いき-つぎ【息継ぎ】
[名](スル) 歌唱・吹奏や朗読などの途中で息を吸いこむこと。「小節間で―する」 水泳中、水から顔をあげて息を吸いこむこと。 しばらく休むこと。息休め。「―に一服する」

(大辞泉より)

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暫く一緒にプロモーションの企画を進めていた、

某高級ブランド品の正規商社とのやりとりの最中。


実施直前になって、急に担当者と連絡が取れなくなった。


会社にかけてもずっと不在。

本当に困って、担当者の上司に相談すると・・

「ああ、ご迷惑をおかけしました。

Aは急遽リストラで出社していないんですよ」

と・・。


まるで普通に語っていた。



全世界的に不況で、勿論高級ブランドの売り上げは減少。

私がやり取りをしていた担当のAさんは、

急遽

「今日から出社しなくて良いから」

と言われ、身動きが全く取れなくなったそうだ。


外資ってこういうことが良くあるとは聞いていたけど、

正社員なのに派遣切りかのような話が存在してる・・


日本の憲法は、基本的人権の尊重っていうのがあった、とか

そんなことを思い出す。


    ◆◇◆◇◆


Aさんの上司が出てきたことで、なんとか無事に終了。

これからは部長さんとお仕事をすることになった。


Aさんからは、

一度、

『一身上の都合により、上司に引き継ぐことになりました』

という連絡がメールで入った。


それ以降の連絡はない。


Aさんの上司に挨拶にうかがった時、

会社のエントランスには、

華やかで雑誌の裏表紙を飾るブランドのビジュアルが並び、

豪華なショールームが無機質にこっちを見ているようだった。

私はこういうブランド広告が好きだった。

華やかで、写真がスタイリッシュで、センスが良くて・・


でも、この広告が、人の犠牲から成り立ってるんじゃないか、

とちょっとよぎって、

妙な気分になった。


外資って、休暇は多いし残業は少ないし、

季節ごとに息継ぎが出来るような、そんな良いところだと思っていたけど、

本当は業績ひとつで、

全く息継ぎの出来ないところになってしまうんだと知った。


世の中は、やっぱり紙一重のバランスで成り立っている。

私は、闘いの中に身を置いている事でそれを忘れるけど、

同業がどんどん倒産している現実をふと思い出した。



息継ぎは、まだ出来そうもない。