21世紀というナイトクラブで歌ってから、そのお店にやってくる。
優しくて面白くて、いつでも笑顔を絶やさない、おばさま達のアイドル。
おばあさま達かもしれない…。
真ちゃんは去年、胃癌が見つかって入院。胃の大部分を摘出した。
元気になって戻ってきたのに再発してしまい、また病気と闘うために入院。
そんな真ちゃんに久しぶりに会った。
顔色が悪かった。
痩せていた。
ニット帽をかぶっていた。
一目で良くないことはわかる。
余命3ヶ月。
なんで真ちゃんなんだよ。
まだ57歳だよ。
孫だってまだ小さいよ。
明日、演歌歌手であるお店のマスターのディナーショーがある。真ちゃんもいつも3曲くらいずつ出番がある。
私はシェリーのことがあって、今年はキャンセルしていたのに…。
「俺の最後のショーだから来て。」
と、約束させられてしまった。
やだよ、やだ。
真ちゃんの最後のショーなんて見たくない。これからも見に行きたい。
でも、行かなくちゃならない。
ちゃんと見てこなきゃならない。
余命って…、なに。
医者が決めるの?
命の期限のことなの?
人の命の期限を勝手に決めるなっ!
真ちゃんは、大丈夫。
図々しい奴だもん。まだまだ元気にみんなを笑わせてくれるんだから。
明日は真ちゃんに似てる大きな犬のぬいぐるみを持って応援に行くよ。
だから、忘れたくても忘れられないような、魂の歌を聴かせてくれ。
