ストーカー青年から逃げられ、ホッとしながらウイスキーをチビチビ飲んでると
「ペースが遅いんすよ!!」と追加でつがれます。
無理無理!お酒弱いのに、きっと一杯飲むのに精一杯なのに😅
「少し顔色良くなったね、表情も。」
頭をコツンとされます。
開放感はある家だけど少し手狭なので隣同士です。
内心心臓は酔いと胸の締めつけでバクバクしています。
好きな動画を各々パソコンで見ながら笑ってます。
たまに遠くを見てボーッとしている私に気づかれます。
「ほれまた…」
心配そうに顔を除きこまれます。
何もかも似てるんです。
かつての恋人に。
こんな事あった…
ぼんやり疲労感もあった為かアキの肩に頭を乗せています。
すると、頭にキスをされました。
ビックリしてハッ!とします。
恐る恐る顔を見上げると、真剣な眼差しで見てくれています。
優しく肩を抱き寄せてギュッとされました。
「ごめん、驚かせたね」
首を勢いよく振ります。
私は幸せに浸っています。
もう不安や恐怖に、今は忘れていいんだ。
恐る恐る私は手を握りました。
そしてそっと、胸元に手を添えました。
「わかるかな…胸がずっとこうなのね。出会った瞬間も、初めて話した時もそうだった…でも、不安のドキドキじゃないの。…なんだか安心もする。なんでだろね。」
髪を優しく撫でてくれます。
「ありがとうのお礼ね。」
私はアキの頬にキスをしました。
アキの眼差しは変わらず真剣です。
「ずっとさ、俺の顔見てくれなかった時嫌われてるのかと思ってたんだよね、実は。」
力いっぱい肩を抱きしめています。
私は笑って言いました。
「昔のね、好きだった人に似てたんだ。でもアキはアキ。私だって気になってたよ。」
アキは少し手を緩めて戸惑うように私を抱きしめました。
「…色々つらかったんだろ。もう忘れていいんだよ。うららちゃんの幸せはうららちゃんの物なんだよ。」
私は初めてぎゅっと、抱き返しました。
ポロポロ泣きました。
呼吸や泣いているのを悟られないように…
また私の顔を覗くようにアキは見てきます。
頬の涙を拭きます。
アキは内心、この人を大切にしないとダメだとためらっていたと後から聞きました。
でも、気持ちが抑えられなかったと。
2人の唇がゆっくりと重なりました。
余計に涙が溢れます。
「もうアナタは嬉し泣きでいいんですよ。明るい道を歩くんですよ。今は囲うしか出来ないけど、助けるから…」
昔の私と恋人との日々が駆け巡ります。
守ってくれた人…
アキは私を守る人になるの…?
何度もぎゅっと抱きしめ続けました。
時に壊れそうなガラス細工を触れるように、
それでも大事そうに私を抱きしめては唇を重ね続けました。
あの支配や奴隷の恐怖を忘れるほど…優しさで包まれている。
大人ってどんな、恋愛なんだろう?
昔の私はよく考えてました。
プラトニックな互いの想いがそこにありました。
傷付けないように、音を立てて崩れないように…
きっかけや事情は、私は重いものを抱えてましたが、初めてこれが大人の世界なのかな…と思っていました。