北前船と小樽・後志 シンポジウム 控え室にて | 書道家 右近桜月 official blog 『至誠』

書道家 右近桜月 official blog 『至誠』

福井県出身
若手書道家
右近桜月〔うこん おうげつ〕と申します

4歳から書の道を歩み
22歳で師範より上の最高段位
同人を獲得

『至誠』極めて誠実なこと・真心

〜至誠にして動かざる者は
未だこれ有らざる成り〜吉田松陰先生より



しばらく更新が とどこおってしまいました(>_<)
シンポジウムのことを綴ると言ったのに
申し訳ありません

ここ3週間ほど
ご依頼頂いた
暖簾の書の創作に没頭し
精魂込めすぎて
書き終えた後 倒れて
終いには救急車に 
お世話になってしまいました

右近月です❀.(*´◡`*)❀.


しかし一日で元気を
取り戻し
今は元気そのものです
{D4402BD2-BAFC-4CA9-924E-292762B312AB}
{6296E579-52FE-4CCA-9EE0-EF8F832DB94E}


話は戻って
小樽経済センターにて
4日に北前船の
シンポジウムに参加させて頂きました


シンポジウムが始まる前に
小樽商科大学の高野先生に
登壇される方が集まられている
控え室に案内して頂き
挨拶をさせて頂きましたm(_ _)m



以前から父より話を聞いていた
北海道北前船調査会 主宰の
土屋先生に
とうとうお逢いすることが
できたのです



「 初めまして、右近恵の長女で
書道家の右近桜月と申します」
と名刺交換をさせて頂きました

すると土屋先生は

「 右近さんに こんなお嬢さんが
いるなんて
知らなかったよ!
あなたのお父さんは素晴らしい人なんだ 」
とおっしゃって下さいました


私は謙遜することもなく
正直に
「はい!父のことを尊敬しています」
と言ってしまいました


父は 控えめで腰が低くて
前面にでる性格ではありません
そして、私や兄のことも
勿論 前面に出しません


でも
父は私にとって一番尊敬する人物なのです


シンポジウムのことを
綴る前に
これだけ 綴らせてください

何故 私が父をこんなにも尊敬するか
理由は 実に沢山あります


父は 役場の公務員の仕事をしながら
お寺の住職をしながら
北前船の研究もして
研究会 会長も務めて
いわば、三足のわらじを履いていました


平日は公務員のお仕事
土日はお寺の住職としてお仕事をし
休みはなく
仕事人間そのもの…


小さい頃の私は
旅行にも連れていってくれないし
友達から夏休み明け
旅行に行ったお土産をもらっても 

私は
旅行のお土産を友人に渡せたことがなく
それに凄く不満を抱いていました



しかし 私が社会人になった時
いかに父が 
素晴らしい人間であったか
やっと気がつくことができました


父は仕事から帰っても
「疲れた」の一言を
一度も口にしたことがないのです


勿論、上司や部下や
職場の愚痴をこぼしたことも
一度もありません

仕事を家に持ち込まない人でした


私が社会人になった頃

北前船主の館右近家に入って
すぐの 囲炉裏のところにある
テレビに流される
北前船の歴史の映像

それを
父が3年近くかけて
作ったことを知りました


私だったら3年近くかけてしたことなら
「 私はこれを3年もかけて
作ったんです 」
と 人に絶対話してしまうと思います…


しかし父は自分が
どれだけ かけてした仕事でも
人には話しません
自慢もしません


でも私にとっては
自慢の父なので
ここに こっそり
父自慢を書かせて頂きます…



私が人生で初めて
アルバイトをすることになった
高校生の頃のことです

その際に
1つだけ約束をしなさい。と
父に言われたことがあります


それは どんなに疲れたとしても
家に帰って
「 疲れた 」と言わないこと

それができないなら
アルバイトは認めない


その時は
なんて冷たいことを言うのだろうと
悲しくなったことを 覚えています


しかし
その真意を今
書道家として
漢字を深く追求することになり
やっと解りました




私は この2つの言葉だけは
遣わないように
生きています

それは
なぜならば
の字は
皮(身体)を (やまいだれ)が
覆っているという字です

見るからに
元気を奪われそうですよね



そして私が
何より嫌いな字があります 

それは
{DDD5E2D7-D3DE-4E8D-8809-BEF4FF867D53}

「忙しい」とは
りっしんべん に心= 心を亡くす
と書きます

心を亡くすほど
悲しいことはありません

つまり心を滅ぼすということ

この言葉を連発していると
本当に心を滅亡させ
自身のエネルギーを奪ってしまう!
そう想うのです


そうは言っても
言葉というのは 頭で考えるより先に
出てしまうことも多いものです

これまで遣っていた
暗病反言葉
一度にすべて
明元素言葉
変えるのは
簡単ではないかもしれません


でも「疲れた」「忙しい」だけでも
遣わないように
意識することから
初めてみるといいなぁと
このストレス社会に私は 提案したいです



私は 父のおかげで
この2つの言葉が 日々の生活になかった為
そもそも ボキャブラリーに
この言葉がありませんでした


だからか「忙しい」の一言には
とても敏感に反応してしまいます


それでも社会人になり就職した時
私は一度
それこそ 心を亡くしかけたことが
あります


でも今は有り難いことに
大好きな書道をして
生きているので

充実
この一言に尽きます



周りの方は
優しく気を遣って下さり
「最近、お忙しそうですね」と
お言葉をかけて下さることが
あるのですが

私はそのとき
決まって笑顔で こう返事をします

「 もの凄く充実した毎日です 」

私は元々 マイナス思考なところがあり
そこを自覚していて
注意して陽転思考を持つことを
心がけています

すると全ての出来事が
明るく楽しく変わっていくと
信じているのです


言葉には人生を
変える力があると知る

日本には古来から
言霊という表現があって
言葉には不思議な力が宿っていると
考えられてきました

飛鳥時代の歌人、柿本人麻呂が詠んだ
歌に次のようなものがあります


敷島の 大和の国は
言霊の 扶くる国ぞ
真幸くありこそ

大和の国は言霊が助けてくれる国だなぁ
誠に幸いなことに…


漢字って
言葉って実に深いものです


21歳の頃
お昼ご飯を食べながら
父に
「 私は 沢山仕事をした
お父さんのことを尊敬している」と
伝えたことがあります


父から さらっと返ってきたのは
こんな一言でした


「 それはお母さんが 
家のことを全部してくれたからだよ」


それは父の人柄を表す言葉
一番 思い出に残っている言葉です

感謝の気持ちを忘れない父
私も父のような人間になりたいです



シンポジウムの話は
あまりにも感動して まとめることが出来ず
もう少し待ってください

{724C1FEB-5AC6-41A6-A0FA-7D31F99857CF}