【 「 私の俳句 」 増田優子(ゆたこ)句集 】 | 高山右近研究室のブログ

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監修 右近研究家・久保田典彦
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      「 トレド風景 」 ( 増田優子・画 )

 

 

 

 

         「 教会の見える通り 」

 

 

 

 

 

 

 

● 私の兄の連れ合いが、昨年(2022年)の 2月12日に亡くなり、1年になりました。

 

 兄から、“お姉さん” の 句集「私の俳句」 が贈られてきました。

 

 画家として活躍されていたことは よく知っていましたが、

 “俳句もされていたんだ!” ━ ということを知って、初めて、その 多くの俳句作品を読ませていただきました。

 

 “お姉さん” の新たな面を知ることが出来て、うれしかったです。

 感謝!

 

 

   野遊びの 子にれんげ田の 大広間

   芋の露 光をあびて おどりおり

   梅雨空に 手間かけて煮る 夕餉かな

   糸長く 蓑虫遊ぶ 風のまま

   チャイコフスキー 聞き入る夜は 秋深く

 

   十字架の 光風花 見失ふ

   蒸籠の 白子くの字に 揃いけり

   シャンソンを 口づさみづつ 落葉ふむ

   山法師 咲きてアトリエ らしくなり

   ヨーヨーつり 釣れない子にも 一つくれ

 

   幼な子の ひらかなのみで 賀状書き

   通り雨 ぼたんの花に 玉をのせ

   白扇に 晴耕雨読と 隷書かな

   虎の尾の 先霧しづく 落ちにけり

   さくらんぼ 届きて今日は 誕生日

 

   笛を吹く ブロンズ像に 小鳥来て

   香り良き 黒文字そへし 桜餅

   行けど花 行けども花の ふぶきかな

 

 

 

        「 古都(フィレンツェ)」

   

 

 

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