● 髙山右近が、高槻城主だったのは、今から約440年前の、1573年から 1585年までの 12年間でした。
髙山右近が 高槻城主だった頃の高槻では、どのようにして、
クリスマスが祝われていたのでしょうか。
高槻について言いますと、
キリスト教の “ 三大祝祭日 ” の一つ、「 復活祭 」 につきましては、盛大に祝われた様子が、ルイス ・ フロイス他、当時の宣教師たちの
記録として、くわしく書き記されています。
もう一つの、 「 聖霊降臨日 ・ ペンテコステ 」 についても、
高槻において、荘厳な行列が催され、祝われた様子が、書き記されています。
しかし、今一番知りたい 「 クリスマス 」 については、残念ながら、
記録が残されてはいません。
● 皆さんは、 「 クリスマス 」 と言えば、何を思い浮かべられるでしょうか?
クリスマス ツリー ・ サンタクロース ・ トナカイ ・ そり ・ クリスマス
カード ・ クリスマス キャロル、その中でも とりわけ有名な
「 きよし この夜 」 や 「 もろびと こぞりて 」 の賛美歌 ・
クリスマス プレゼント ・ クリスマス ケーキ ・ クリスマス ディナー
・・・・・ などなど でしょうか。
「 クリスマス 」 そのものは、4世紀後半から、毎年祝われるようになりました。
“ 12月25日に お祝いをした ” という、世界で一番古い記録 は、
西暦336年 まで さかのぼることが出来ます。
「 336年の ローマの行事 」 を書き記している 「 フィロカルス の暦 」 というのがありますが、その中に、次のように書かれています。
「 12月25日に、キリストは、ユダヤの ベツレヘムで お生まれに
なった。」
正確に言いますと、「 12月25日 」 が イエス ・ キリストの 誕生日 だということは、聖書の中には、いっさい書かれてはいません。
むしろ、キリストが誕生された夜に、羊飼いたちが、外敵から羊を
守るために、真夜中も寝ないで、番をしていたことが書かれています
から、
その時期は、12月のような 寒い 冬のことではなさそうだ、と思われるのです。
「 サンタクロース 」 は、聖ニコラウス が モデルになっているよう
です。この方は、4世紀 の人です。
皆さんが思いつかれる サンタクロースの姿は、
アメリカの漫画家、トマス ・ ナスト という人が描いた絵が もとに
なっています。
トナカイ や そり については、どうでしょうか?
1822年の クリスマス イブに、アメリカの詩人、クレメント ・ ムーア という人が、
自分の子ども達に、 「 クリスマスの前の夜 」 という詩を書きました。
“ 物音で 目を覚ましたお父さんが、
窓から外を見ますと、
サンタクロースが そりに乗って、
夜空を飛んできた ”
という詩です。この そりを引くのが、8頭の トナカイ なのです。
この詩が、とても楽しくて、みんなに親しまれるようになり、
サンタクロースの乗り物は、トナカイが引くそり が当たり前になり
ました。
「 クリスマス ・ キャロル 」 とりわけ、有名な 「 きよし この夜 」。
この曲の作詞は、オーストリア の ヨゼフ ・ モール神父。
作曲は、教会のオルガン奏者だった フランツ ・ グルーバー です。
1818年に作られた キャロルですから、今から 198年前のものです。
この他、クリスマス カード、クリスマス プレゼント、クリスマス
ディナー などなど、
どれをとっても、それらは皆、少し前の時代に産み出されたものですから、
440年前の、高槻での 「 クリスマス 」 には、こうしたものは 何も
なかったのです。
クリスマス ツリーも、サンタクロースも、今 教会で歌われている
クリスマス ・ キャロル、
町に流れている クリスマス ソングも、又、クリスマス ケーキや
豪華な クリスマス ディナーも、
クリスマスと言えば、皆さんが心に思い浮かべられるものは、何も
なかったのです。
きよい きよい、しずかな しずかな、クリスマスでした。
2016年前の 最初の日のクリスマス が、
ベツレヘムの家畜小屋で、母マリヤと ヨセフ、天使たちや 羊飼い
たちによって、
きよく、つつましく 祝われたように、
静かに、救い主の ご降誕を覚え、今や、よきおとずれ ( 福音 ) の
救いの中に入れられていることを 感謝する祝日が、
「 クリスマス 」 だったようです。