【 クリスマスは、なぜ 12月25日 ? 】 | 高山右近研究室のブログ

高山右近研究室のブログ

・右近についての、Q&A 
・右近研究こぼれ話 など

監修 右近研究家・久保田典彦
http://takayama-ukon.sakura.ne.jp/

 

 

Q. キリストが誕生した日が、12月25日 だということは、「 聖書 」 に記されているわけではありません。どうして、12月25日なのですか?

 

A. 「 クリスマス 」 12月25日 は、 “ イエス ・ キリスト の誕生日 ” ではありません。

 「 イエス ・ キリストの誕生を お祝いする日 」 です。

 

 「 クリスマス 」 が 12月25日である ━━ ということについてですが、

 そんなことが、聖書に書いてあるのでしょうか。あるいは、

 聖書でなくても、ほかの本にでも、記録があるのでしょうか。

 

 イエス ・ キリストの 復活された日 ・ 「 イースター 」  については、

 イエス ・ キリストの 十字架上での死から3日目 ・ ユダヤの過越の祭の日の翌日のことだったと、聖書に はっきりと記されています。

 

 しかし、「 クリスマス 」 については、イエス ・ キリストが 何月何日に生まれた ━━ というようなことについては、

 聖書は勿論のこと、ほかの本のどこにも、書かれてはいません。

 

 そうなんだとしたら、

 どうして、12月25日が 「 クリスマス 」 なのでしょうか。

 

● この 12月25日 という日は、

 もともとは、当時の ローマに広がっていた、偶像礼拝 ・ 太陽を神と

して崇拝していた 「 ミトラ教 」 という宗教の祭日でした。

 

 太陽の勢いが 最も小さくなるのは 「 冬至 」 の頃で、昼間の時間が、一年間で 一番短くなります。

 この日を境にして、太陽が又、力を取り戻していくことになりますが、

 この頃の暦で、「 冬至 」 にあたる 12月25日を、

 【 不滅の太陽の誕生日 】 として、祝っていたのです。

 

  ※ 現代の暦では、12月21日か 22日 が 「 冬至 」 になります。

    今年 ( 2016年 ) は、昨日 ・ 12月21日でした。

 

 この、12月25日を 「 不滅の太陽の誕生日 」 として祝っていた

ミトラ教に対抗して、

 キリスト教では、 「 マラキ書 」 4章2節 の みことば、

 「 わたしの名を おそれる あなた方には、義の太陽 が上る 」

とあります。

 

 この 【 義の太陽 】 であると預言されているのが、 イエス ・ キリストのことです。

 ですから、「 12月25日には、真の 【 義の太陽 】 であられる

イエス ・ キリストの誕生をこそ、祝うべきである。」 と 主張しまして、

 ミトラ教 が徹夜で、「 不滅の太陽の誕生日 」 を祝っていたのに対抗して、キリスト教でも、徹夜で、

【 義の太陽である イエス ・ キリストの誕生 】  を祝って、

ミサをささげるようになったのです。

 

 そして、西暦325年には、トルコの ニカイア ( ニケア ) で開かれ

ました教会会議 ( ニカイア公会議 ) で、

 【 クリスマス 】 を正式に、 “ 12月25日とする ” と決定して、祝うことになったのです。

 

 その後、ミトラ教 の方は、衰退していきましたので、

 12月25日 と言えば、イエス ・ キリストの誕生を祝う 「 クリスマス 」 の日として、定着していったというわけです。

 

● ところで、12月25日が 「 クリスマス 」。

 その前日の 12月24日が 「 クリスマスイブ 」 ですよネ。

 

 イブ ( eve ) という英語は、“ 前日 ” とか “ 前夜 ” とか 訳されている言葉ですが、

 もともとは evening , 夕方とか 晩 とかと訳される言葉です。

 

 聖書に記されている 「 クリスマス 」 に関する いろんな出来事は、

 24日の夕方から起こり始めて、真夜中の12時が過ぎて、日付が25日に変わって、まもなく、早い時刻に、

 イエス ・ キリスト が誕生したのだ! ━━ という風に、つじつまを合わせて 理解しようとしています。

 

 皆さんも、もしかしたら、そう 思われているのではありませんか?

 イエス ・ キリストが 誕生されたのは、真夜中の1時か 2時頃だろう!

 

 でも、それは、聖書的ではありません。

 

 聖書の時代の一日の始まりは、実は、現代の私たちが考えている

ような、真夜中の12時、午前 0時 ではありません。

 真夜中に 日付が変わるのではありません。

 

 ユダヤでは、一日は 日没からスタートします。

 日没までが、その日の一日であって、日没と共に、一日は終わり、

 又、新しい一日が始まっていきます。

 

 聖書に記されています、クリスマスの出来事 は、

 クリスマスの 前日 ・ 前夜に起こったことではなくて、

 まさに、クリスマスの日の夕方 ・ クリスマス イーブニング に起こった出来事 だったのです。

 

 イエス ・ キリストの誕生は、ベツレヘムの宿屋には、空いた場所がありませんでしたので、

 家畜小屋で、時が満ちて、マリヤから生まれ、布にくるまれて、何と、飼葉おけ ・ 餌入れに寝かされたわけですが、

 ヨセフが、必死になって、何とか 出産の場所を確保したほどです

から、

 場所が見つかって すぐ位に、イエスさまが 誕生されたのではない

でしょうか。

 

 だとしたら、イエスさまの誕生の時刻は、私たちが考えているような、

 真夜中すぎのことではなくて、

 もっと早い時刻、夜の7時か 8時頃のことだったかもしれません。

 

 今の日時で言えば、クリスマスの前夜 ・ 24日の誕生 ということになりますが、

 聖書的に言えば、クリスマスの日は、夕方から始まっています。

 クリスマス イーブニング ・ クリスマスの日の夜の出来事

 ━━ ということになるのです。