● 豊臣秀吉 自筆書状 北政所 ( ねね ) 宛
北条攻めの最中、小田原から 京都にいる 正妻 ・ 北政所 ( ねね ) に送った 自筆の手紙。
家族を案じ、返事を催促しています。
● 「 このところ、手紙を受け取っていません。恋しくて、これを書いています。
そなたより、久しく お便りがないので、心配になって、あえて 筆をとりました。
大政所殿 ( 母 ) ・ そなた ・ 若君 ( 鶴松 ) ・ お姫 ( 養女 ) ・ 金吾 ( 養子 ・ 小早川秀秋 ) は息災ですか。
大坂殿 ( 淀君 ) も、いかがですか。
久しく、あまりに久しく お便りがないので、不安になって 書いています。
心から 返事を待っています。 」
● このあひだハ 文にても 申うけ給候ハず候。
御ゆかしく候まま、申まいらせ候。
そなたより、久しく 御おとづれなく候まま、御心もとなく おもひまいらせ候て、
わざと ふで ( 筆 ) をそめ申候。 又 申候。
大まんどころ殿 ・ そもじ ・ わかぎミ ・ おひめ ・ きん五、そくさいに
候や。
大さか殿も。
久しく、久しく、御おとづれなく候まま、心もとなく候て 申まいらせ候。
ねん五ろに 返事 まち申候。
まんどころ殿
てんか ( 天下 )