【 野崎観音 ・ 野崎参り 】 | 高山右近研究室のブログ

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監修 右近研究家・久保田典彦
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Q. 神田宏大(ひろお)牧師が 「 野崎観音の謎 」 という本を書かれましたが、「 野崎観音 」 とは どういう寺で、「 野崎参り 」 は どのような形で されていたのですか。

A. 「 野崎観音 」は、大阪府大東市野崎にある、曹洞宗の禅寺です。

「 野崎観音 」というのは 通称で、「 慈眼寺 」(じげんじ)というのが、本来の名前です。
 本尊が 「 十一面観世音菩薩 」ですので、「 野崎観音 」の通称で知られています。

 毎年 5月1日~8日にかけて、“ 無縁経法要 ” (有縁無縁 すべてのものに対し、感謝の読経をささげる行事)が なされ、それに合わせて、商店街や 参道に 多くの店が出て、「 野崎参り 」の参拝客で賑わいます。


     


● 「 野崎小唄 」(歌 ・ 東海林 [しょうじ] 太郎)に、

 ♪ 野崎参りは 屋形船で参ろ ・・・・・

と 歌われている光景は、江戸時代に始まった 「 野崎詣り 」 の様子で(1682年~)、当時、大坂からの 「 野崎詣り 」は、船で行くのと ・ 陸道を徒歩で行くのと 二通りの方法がありました。

 船は、天満の 八軒家浜から 大川(淀川) ➡ 寝屋川 ➡ 角堂浜(すみのどうはま) ➡ 深野池(ふこのいけ)の 観音浜 で船を下り、
 まず、途中の 専応寺に参詣し、それから 「 野崎観音 」に 参詣しました。

 陸道は、川沿いの堤防ですので、船コースと 並行していきましたから、上方落語の 「 野崎詣り 」に ありますように、船の客と 土手を行く参拝客の間で、「振り売り喧嘩」 という 口喧嘩を 楽しみました。
( Youtube で 検索してみてください。おすすめ です!)

 大坂の町以外からは、「 野崎観音 」は “ 東高野街道 ” (ひがしこうや かいどう)に面していますので、この道が 利用されました。