火縄銃には 硝石が必要 ! | 高山右近研究室のブログ

高山右近研究室のブログ

・右近についての、Q&A 
・右近研究こぼれ話 など

監修 右近研究家・久保田典彦
http://takayama-ukon.sakura.ne.jp/

● 戦国時代の戦法を変えることになる火縄銃(日本では、1543年に種子島に伝来したことから、種子島銃・あるいは種子島と呼ばれました。)ですが、銃の性能は、銃身のつくりや点火装置と同じくらい、火薬(黒色火薬)の調合法が重要な役割を担っていました。

 火薬の配合いかんによって、爆発の度合いが変わり、飛距離も変わります。


 爆発をうながす硝石(硝酸カリウム)、発火温度を下げ・燃焼のスピードを早める硫黄、そして燃料となる木炭。この3つの原料の配合が、 硝石(77) : 硫黄(13) : 木炭(10) というのが、理想に近い値でした。



 しかし、多量に必要な硝石は、中国内陸部など乾燥地帯では、天然に採取出来ましたが、日本のような湿潤な地域では、天然の硝石は産出しませんでしたから、ほとんどは、ポルトガル商船による、中国や東南アジア方面からの輸入に頼っていました。


 ごく一部は、「硝石培養法」で、国産もしていました。

 硝酸カリウムは、高温・高湿度のもとで、有機物 ━ 特に、糞尿を分解して生成されます。

 人尿や蚕糞をまぶした草を、雨露のかからない場所に積んでおき、数年かけて化学変化を起こさせ、硝酸石灰を含んだ土(塩硝土)を作り、それに水を加えて濾過して煮詰め、硝石を作っていました。


 あるいは、「古土法」といって、古い馬屋の土や、古い家屋の床下の表層土に微生物の作用で硝酸カリウムが蓄積したものから抽出して硝石を得たりして、工夫がされていましたよ。



高山右近研究室のブログ