● ザビエルと弥次郎との 対話
日本にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルは、1547年12月7日頃に、マラッカで初めて、日本人・弥次郎と会いました。
弥次郎は、かなりポルトガル語が話せましたので、通訳なしで、直接に、日本人と意志の疎通が出来たわけで、ザビエルは、弥次郎と出会ってから急速に、日本人や日本社会に関心を寄せていくことになります。
短期間のうちに、弥次郎から、日本に関する必要な情報を得、日本宣教の可能性を判断し、日本行きの可否を決断していくことになりました。
※ 弥次郎と初めて会って、一か月後の、ザビエルの手紙
「私は、弥次郎に向かって、もし私が彼と共に日本へ行ったら、日本人は、はたして信者になるであろうかどうかを、尋ねてみた。
彼の答えるところによると、日本人は直ぐに信者になることはないであろうけれども、まず始めに多数の質問をするだろう。
それから、私の答えと、私にどれほどの知恵があるかを研究する。
そして、何よりも、私の生活が、私の教えるところと一致しているかどうか を、検討するであろう。
つまり、討論において、私が、彼らの質問に満足な答えを与えると共に、私の生活ぶりに非難する点がないという、この二つのことに及第すれば、おそらく、こんな試験期が半年ほど続いて後、国王を始め、武士も、思慮のあるすべての人達も、キリストへの信仰を表明するようになるであろうと言う。
弥次郎の言葉によると、日本人は、理性のみに導かれる国民だと言う。」