[完訳フロイス 日本史]の訳者・川崎桃太さんにお会いして | 高山右近研究室のブログ

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監修 右近研究家・久保田典彦
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2012.6.2(土)川崎桃太さんから、お話を伺いましたよ。感激!

 川崎桃太さん。97歳。[完訳フロイス 日本史]の訳者。
「高山右近研究会」のみんなで出かけて行き、カトリック河原町教会で、1時間ほど、お話を聞かせていただきました。

 フロイス神父が書き記した「日本史」の原本(ポルトガル語)は、上長の巡察師ヴァリニャーノから「短いものにまとめるように」と言われ、ローマのイエズス会総長宛には送られないまま、マカオのイエズス会学院の書庫で埋もれたままになってしまいましたので、誰にも読まれず、用いられることもありませんでしたよ。

 その保管されていた原本も、1835年の学院の火災で、地上から姿を消してしまったのです。
あ~~あ!
 でも、何とか残されていた写本が、分割されて、いくつかの場所にあったものが、20世紀になって、別々に発見されていきました。

 原文はポルトガル語ですが、このフロイスの労作・大作の完全訳の偉業を成し遂げてくださったのが、川崎桃太・松田毅一さんの名コンビです。
 ポルトガル語が専門だった川崎さんが、直訳・逐語訳で訳していかれます。それを、松田さん(スペイン語が専門で、ポルトガル語は専門ではありませんでした。)が、通りのよい日本語に直していかれ、くわしい註釈も付けていかれました。

 このようにして、フロイスの名著・大著「日本史」を、現代の日本で、私たちが読むことが可能になったのです。

 川崎桃太さんにお会いして、一番に言いたかったことは、「ありがとうございます! おかげで、高山右近さんのこと・中世の日本のいろいろなことを知ることが出来ます!!」という言葉でした。

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