右近さん自身、「ユスト」とは言ってなかった!? | 高山右近研究室のブログ

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監修 右近研究家・久保田典彦
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右近さん自身、「ユスト」とは言ってなかった!?


 “髙山ジュスト右近” なのか?  “髙山ユスト右近” なのか?

 髙山彦五郎が12歳の時に、大和・沢城でイルマン・ロレンソから洗礼を受けた時、授けられた“霊名”(キリシタン・ネーム)は、「ジュスト」なのでしょうか。「ユスト」なのでしょうか。

 ● ジュスト Justo  ポルトガル語で “義人”の意。
 ● ユスト  Justo / Iusto  ラテン語
但し、“義人”の意味のラテン語は、Justus / Iustus (ユーストゥス)で、「ユスト」ではありません。 Justus の省略形(奪格)が、Justo

 「ジュスト」(ポルトガル語)なのか、「ユスト」(ラテン語の省略形)なのか。

 要は、右近さん自身が、自分のことを何と呼んでおられたのか―― ということに尽きるはずですよネ。

 右近さん自身、自分のことを「ユスト」とは言っておられません。

 高槻城主時代に署名された、自筆の花押はすべて「ジュスト」です。(「重出」「寿須」「寿子」の文字を当てておられます。)

 金沢時代に、ローマのイエズス会総長にあてて書かれた手紙の署名も、ポルトガル語の「ジュスト」です。

 右近さん自身、自分のことを、「ジュスト」と言っておられたのです!
 (名前を、違って呼ぶのは、失礼なことですよネ。)
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