1本目はRickyというダークファンタジーなファミリー映画
このかわいい赤ちゃんのパッケージに惹かれて、内容をそんなに把握せずにレンタル
かわいいベイビーには似つかわしくないけっこうブラックなストーリー展開はオゾン作品らしかったです!
なんとこのリッキーと名付けられたこの赤ちゃん。
翼が生えてきて、ところせましとパタパタ飛び回る!笑
飛んでいってタンスの上に乗っちゃったリッキー。笑
工事で働くシングルマザーのカティは同僚のパコと恋に落ちて、トントン拍子に同棲、妊娠。
新しい家族のパコと弟リッキーにママを取られて、不安をおぼえるリザ。
いまいちリザと打ち解けられず、家庭を持つという環境の変化を受け入れられないパコ。
いつも泣いてばかりのリッキーの子育てに疲れきっているカティは、リッキーの背中にアザを見つけて、世話をしていたパコを疑ってしまい、パコは家を出て行ってしまう。
そのアザからある日翼が生えてきて、このバラバラな家族にもある変化が…
といったストーリー
このリッキーに生えてくる翼がリアルでリアルで…笑
マスコミにリッキーの存在がバレてモンスターだ!
と追われるんだけど翼だけみるとほんとにそう!
赤ちゃんに翼って設定だと普通に考えると天使だけど、そうしなかったのがシュールでオゾンマジックってかんじでした
カティの生活に疲れた加減とか、パコとの行き当たりばったりな恋愛とか。非現実的な設定のなかすごくリアリティに溢れていたのが、ただのファンタジー映画になっていなくて好みでした!
リッキーの存在によってぎこちなかったパコとリザの関係が良くなっていって、オゾン作品ってこんなにほんわかしたかな~?って思っちゃいました
もう1本はフランスの大女優カトリーヌ・ドヌーヴ主演のしあわせの雨傘
8人の女たちにもカトリーヌ・ドヌーヴを起用してたし、この映画では雨傘会社を舞台に、シェルブールの雨傘へのオマージュにしてたり、オゾン監督はカトリーヌ・ドヌーヴ大好きなんですね!
かくいう私も好きですが。
ドヌーヴ様のための映画でした~
原題のPoticheとは飾り壺との意味。
この映画の主人公スザンヌを表してると思われます。
お飾りの妻ってことを表現してるのでしょう!
1970年代後半のフランスの片田舎を舞台に、病気で療養中の夫に代わり、亡き父の雨傘会社の経営に関わることになったスザンヌ。
亭主関白の夫の影に甘んじていても、私は幸せと思って毎日を生きてきた楽天的なブルジョワマダムだったのですが、会社のボスになったことで飾り壺だった自分をどんどん解放していく姿はすっごく痛快でした~!
夫の秘書であり愛人までもを、心意気で自分の賛同者にしちゃうんだもん
こういう映画ってありがちだけど、女としてはスカッとして見てて楽しいんです!
日課のジョギングをしてるときのカトリーヌ・ドヌーヴのジャージ姿は一見の価値あり。
もうすぐ70歳になるってとこなのに貫禄の美しさ。
ジャージ姿が愛らしいです
貞淑な奥様のフリして若いときに遊んでたっていうのがおふらんすテイストですね
若かりし頃のスザンヌの回想がけっこう面白くて、女優さんもめちゃくちゃ美人さんで楽しかった!
このElodieさんって本業はシンガーみたい!
ほんときれい!
で、スザンヌが湖で置き去りにされたときにヒッチハイクして泊まってくれたトラックの運転手がRickyのパコ!
パコとも何か起こってしまうんじゃないかと昔の片鱗を見せていたスザンヌがおもしろかった!
オゾン流女性讃歌ってとこですね。
どっちかっていうとこの作品のほうが好きでした
女性心理を描くのが抜群なオゾン監督ですが、久々に見た作品は前ほど意地悪じゃなくて、女性に対する愛が濃くなっていたように感じました。
やっぱり好きだ!フランソワ・オゾン