はいっ!
連載、まさかの連投です!!
この時期の記事は、
さっさと終わりたいです(笑)
えっと・・・
今回の記事の内容・・・
けっこう暗い話なんですが・・・
うっくん本人は、
おととしくらいまで、こんなことがあったなんて、
すっかり忘れてました。
で、2年くらい前の、
ある一本の電話で全部を思い出しました。
その詳細はまた、おいおい綴るとして・・・
その電話はミゾグチさんというカラオケ屋のバイトでお世話になった人で、
「あの時のことを謝りたい」
という電話でした。
はて?
何のこと??
としばらく考えた後、
ようやく、今からこの記事に綴る出来事のことではないか?
と思いだしました。
忘れていたとはいえ、この出来事は、
かなりうっくんの人生に色々な影響を与えたことなので、
記事にしようかどうか、迷いましたが記事にします。
当時うっくんは、
誕生日を迎える直前だったので19歳です。
なんとクソ生意気で可愛げのない19歳(チビッコ)なんだろう・・・
と、すごく今、自己嫌悪中です(笑)
・・・ああ・・・幻滅されたらどうしよう・・・
みなさん、読んでも、うっくんのこと見捨てないでね。
色んな意味で性格悪いのバレちゃうな
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
うっくんは、宇野先輩と別れて過ごした夏休み、
ほとんどを高校の同級と過ごした。
その話はまた、番外編で綴るとして・・・
この仲間たちが、この時いてくれてよかった
と今、心から思う。
そんな出来事が、
宇野先輩との別れだけではなく、
この夏休みに起こった。
それは、突然の呼び出しだった。
その日うっくんは、
バイトが休みだった。
前日から、高校の同級とずっと一緒にいた。
その電話がかかってきた時も、
ひでとドライブ中だった。
「あれ・・・バイト先からだ・・・」
うっくんは、夜しかバイトに入らないので、
昼間にバイト先から電話なんて、
何の用事だろう?
と思った。
「お疲れ様でーす(・∀・)」
「・・・あ、うっくん?」
その声は、いつも昼間に入っている、
セトさんというパートのおばちゃんだった。
高校生の娘を二人持つ、45歳くらいの人。
このおばちゃんとのからみは、
月1回の夜の大掃除の日だけだ。
「あ、はい!どうしたんですか!?
忙しいんですか!?」
「いや、今らかちょっと来てくれない?」
「今からですか?」
「そう、今から。今どこにいる?」
「えっと・・・ちょうど近くにいます。」
「そんなに時間は取らせないから、
ちょっと顔をだしてもらえない?」
セトさんの声色で、
なんだか嫌な予感がした。
「あ、はい。わかりましたー!
じゃ、今から行きますね~」
「バイト入った?」
ひでがいった。
「んー、何の用事かわかんないけど、
とりあえず来いって言ってるから、
行ってみる。。。」
「りょーかーい」
「ごめんね。」
「俺、その辺で時間潰しとくよ。」
「うん。時間、そんなかからないって言ってたし。。。
でも・・・おかしいなぁ・・・
今日、店長、出張中なんだよねー・・・
店長もいない、こんな昼間に何の用事なんだろう?」
疑問をもちながら、バイト先に向かった。
「お疲れさまでーす!!(・∀・)ノ」
事務所に入って行くと・・・
そこには、
さっきの電話のセトさんのほかに、
これまた昼間のパートの山下さんというお姉さん(当時28歳くらい)
夜に、たまに一緒に入っていたミゾグチさんというパートのオジサン(当時33歳くらい)
ツル先輩の同級の女の先輩二人(この人たちとも夜のバイトでからんだことはほとんどない)
この5人が、うっくんを待ちかまえていた。
「・・・??どうしたんですかぁ?」
「あのね、」
最初に切り出したのは、セトさんだった。
「はい。(・∀・)」
「こんなこと、言いにくいんだけど・・・
ツルくんがね、ずいぶん前からめちゃめちゃ悩んでるのよ。」
「・・・??」
ツル先輩・・・??
4月からほとんど絡んだことのない、
ツル先輩の話が、なぜこの人たちから出てくるのか、
よく意味がわからなかった。
「うっくんちゃんに、プライドズタズタにされたって・・・
そりゃ~もう、ボロボロで。
ここ2~3カ月のあの子、見てられないわ。
あなたにも、あの子の今の姿を見せてやりたいくらい。」
タイミングを見るように、山下さんが続いた。
「一人で抱えきれなくなって、
最近、よく昼間に、私たちに相談しにきてたんだ。
涙なしではきけないくらいに、話をきけばひどい話じゃない!」
・・・はぁ?
そしてセトさんが言った。
「私たちはね、あの子が1年生の時から、
ずっと可愛がってるの。
今入ったばかりのあなたとは違うの。
あの子は本当に心の優しい気弱で素直な子で、
自分の息子のようだわ。
その子が、こんなに悩んでるのを黙って見てられないの。
私たちはあの子のこと、よーーーく知ってる。
誰にも嫌われるような要素のない、とってもいい子よ。
あの子の悩みを聞いただけで、
あなたが普段からどういう子なのか、すぐにわかったわ。」
他にも似たようなことを、
みんなかわるがわるうっくんに言ってきた。
しばらくだまって聞いていた。
会話が途切れたあと、
しびれを切らして、うっくんから聞いてみた。
「あのぉ~~~~
・・・それで?」
すると、
4年生のアイさんが、
うっくんに向かって言った。
「単刀直入に言うけど、
バイト辞めてくんない!!」
・・・・・・
・・・・・・
つーか・・・
こんだけグダグダ言っといて、
単刀直入もなにもねーだろうよ・・・。
と正直思ったが、
黙ってしばらくの間、考えた。
うっくんが黙っているので、
たたみかけるようにセトさんが言ってきた。
「ツルくんが言うには、
もう、あなたと一緒にバイトしたくないから、
あなたが辞めないなら、
自分が辞めると言ってるの。
もうすぐ卒業なんだし、
せっかく1年生から続けてきたバイトだもの。
新人のあなたのせいで、
こんな中途半端な時期に辞めるのは、
かわいそうでならないわ。」
・・・気のせいじゃなかったんだなぁ・・・
と内心思っていた。
一緒にバイトに入らなくなった4月以降、
月1回の大掃除の時、
それぞれ2人組みのペアになって各部屋に別れるのだが、
ツル先輩は、うっくんが入った部屋に必ず入ってきて、
ソファに付属された小さな一人掛け用のソファを
うっくんの足元めがけて投げてきたり、
ゴミをうっくんの方に履いたり、
雑巾を投げつけたりしていた。
なぜ、そうされているのか意味不明だった。
それに対して、うっくんは
嫌がらせをし返したこともないし、
文句を言ったこともなかった。
気づかないフリをしてしまった・・・。
さらに意味不明と感じさせる
ツル先輩の謎の部分だが、
そういう嫌がらせをしたかと思えば、
またいつもの調子で、
「うっくん。聞いてる?ねぇ、聞いてる??」
とベタベタしゃべりかけてきたりすることもあった。
さっぱり意味がわからない
と思っていたが・・・
右から左に聞き流しているのがバレバレで、
気分を害したんだろうなぁ~・・・
と
セトさんたちの話を聞きながら思った。
うっくんがずっと黙っているので、
みんなイライラしてきて、
「辞めるの!?辞めないの!?」
と責め立ててきた。
ぶっちゃけ・・・
はぁ~~~~・・・
めんどくせぇ~~~~・・・
と思いながら、
意を決して、うっくんは言った。
「私・・・父と約束したんです。」
「はぁ?」
全員がキョトンとしている。
「私が大学を受験した理由は・・・
社会の厳しさを知れ!と父に言われたからです。
”未熟者のお前が、今のまま社会人にはなれない”って。
もっと、自分の思い通りにならないことがあることや、
辛く厳しいことが社会にはたくさんあることを、
バイトをしながら4年間で学べと言われました。」
アイさんが、イライラしたように口をはさんだ。
「・・・だからなに?
」
「父が指摘していた通り、私は未熟者です。
だから、こうやってみなさんから
ツル先輩への態度を指摘されてるんだと思います。
自分は悪くないとも言いません。
でも、これが社会の厳しさなのであれば、
私はこのことから、
”逃げ出すべきじゃないんだろうな~”
とみなさんの話を聞きながら思いました。」
「なっ!!!
」
顔を真っ赤にして怒ったセトさんが
声をあげた。
そして、
「そんな横着だから、
私たちからこんなこと言われてるってわかんないの!?
店長に気に入られてるんだかなんだか知らないけど、
私たちが全員辞めるって言えば、
店長だって、あなたを首にするにきまってるんだからね!!!
だいたい、どうやって店長にも取入ってるんだかっ!
」
と怒鳴った。
うっくんの中で、
さーーーーーっと
気持ちが引いていくのがわかった。
うっくんの悪い癖なのだが、
相手がヒートアップすればするほど、
うっくんは冷静沈着になってしまう。
そういう冷静さは、
決まって相手をさらにヒートさせてしまう。
わかっている悪い点なのだが、
どうにも感情的になることができない。
「・・・そうですね。
たしかに、私はわかってないことが多いと思います。
正直、自分がツル先輩に何をしてしまったのかもわからないし。
ただ
一つだけわかってることがあります。
私は、あなたたちのような大人には絶対になりたくありません。」
「なっ!!!!!
」
さらに大きな声を上げて、
セトさんはプルプルしていた。
「生意気なこと言ってすみません。
でも・・・
私がみなさんの立場なら、
片方だけの話を聞いて、
判断できるようなことじゃないな、
と考えると思います。
ましてや、
代りに「辞めろ」なんて、
言える立場じゃないな、
と考えると思います。
それに・・・
ツル先輩自身にこのことを解決させようとしたと思います。
”逃げずに向き合え”と。
嫌なことがあるなら、辞める前に、
自分で私に伝えて話し合うべきだと。
ツル先輩の気持ちや、いやだったことを
本人に直接聞いて、
自分に反省すべき点があるなら、素直に謝ります。
でも、本人がここにいない以上、
私は、ツル先輩の気持ちを察することができません。
ここで私が辞めて、何の解決になるんですか?
ツル先輩、来春から社会人でしょう?
社会に出て、また自分と合わない嫌な人がいたとき、
彼はどうするんですか?
その時もまた、セトさんたちが助けてあげるんですか?
いつまで助けてあげるんですか?
ずっと面倒をみてあげれるんですか?
彼の代りにこうやって気持ちを代弁してあげることは、
本当の優しさじゃないと思います。
嫌なことを自分の周囲からただ排除するだけでは、
何の解決にもならない、
それに気づかせるのが、
あなたたち大人の役目なんじゃないんでしょうか?
私が辞めるように、ボイコットなんて・・・
今、みなさんがやってることは、
大人のすることじゃないと、私は思います。
セトさん・・・
失礼ですが・・・
あなた、高校生のお子さんがいらっしゃるんでしょう?
お子さんがこうやって、
就職して、嫌いな人ができた時も、
会社に殴りこんで行って、
娘さんの代りに、その人を辞めさせるように、
娘さんの上司やその人本人に
直談判でもするおつもりですか?」
セトさんは黙っていた。
「私は・・・
自分は悪くないとは思いません。
悪いか悪くないかも判断ができないほど、
ツル先輩の気持ちがわからないんです。
もし、私が悪いなら、ツル先輩に直接謝りたいので、
ツル先輩がいらっしゃる時に、
もう一度、私をここへ呼んでもらえないでしょうか。
まずは、それからの話し合いだと思ってますので、
今日は失礼させていただきます。」
それ以上、言い合いをしたくなかったので、
うっくんは、一気に自分の意見を言うと、
「失礼します」
と言って、スタッフルームを勝手に後にした。
うっくんが、
玄関を出ようとしていたら、
ミゾグチさんが追いかけてきて、
こっそり声を掛けてきた。
「・・・うっくん。」
「はい。」
「ごめんね。」
「いえ。お疲れ様です。失礼します」
それ以上何もしゃべりたくなかった。
バイト先を出てすぐ、
ひでに電話をかけようとしたら、
ひでは、バイト先の駐車場でずっと待ってくれていた。
「ごめーん!けっこう遅くなった!!(・∀・)ノ」
「いや、だいじょぶよぉ~(*^_^*)」
車に乗り込んで、
車が走り出した。
一体何が起こったというのだろう・・・。
考えると、なんだか悔しくなってきた。
泣くまい・・・
大好きなバイト先のみんなに、
あんなふうに思われてたんだなぁ・・・
と思うと、悲しくなって涙が出てきた。
泣くまい・・・
・・・ああ・・・でもダメだぁ・・・(T_T)
声を出さずに泣いているうっくんに気づいたひでは、
うっくんの頭を2~3回ポンポンとして、
何も聞かず、何も言わずに、
ただ一緒にいてくれた。
後篇へ続く。
連載、まさかの連投です!!
この時期の記事は、
さっさと終わりたいです(笑)
えっと・・・
今回の記事の内容・・・
けっこう暗い話なんですが・・・
うっくん本人は、
おととしくらいまで、こんなことがあったなんて、
すっかり忘れてました。
で、2年くらい前の、
ある一本の電話で全部を思い出しました。
その詳細はまた、おいおい綴るとして・・・
その電話はミゾグチさんというカラオケ屋のバイトでお世話になった人で、
「あの時のことを謝りたい」
という電話でした。
はて?
何のこと??
としばらく考えた後、
ようやく、今からこの記事に綴る出来事のことではないか?
と思いだしました。
忘れていたとはいえ、この出来事は、
かなりうっくんの人生に色々な影響を与えたことなので、
記事にしようかどうか、迷いましたが記事にします。
当時うっくんは、
誕生日を迎える直前だったので19歳です。
なんとクソ生意気で可愛げのない19歳(チビッコ)なんだろう・・・
と、すごく今、自己嫌悪中です(笑)
・・・ああ・・・幻滅されたらどうしよう・・・
みなさん、読んでも、うっくんのこと見捨てないでね。
色んな意味で性格悪いのバレちゃうな

↓ ↓ ↓ ↓ ↓
うっくんは、宇野先輩と別れて過ごした夏休み、
ほとんどを高校の同級と過ごした。
その話はまた、番外編で綴るとして・・・
この仲間たちが、この時いてくれてよかった
と今、心から思う。
そんな出来事が、
宇野先輩との別れだけではなく、
この夏休みに起こった。
それは、突然の呼び出しだった。
その日うっくんは、
バイトが休みだった。
前日から、高校の同級とずっと一緒にいた。
その電話がかかってきた時も、
ひでとドライブ中だった。
「あれ・・・バイト先からだ・・・」
うっくんは、夜しかバイトに入らないので、
昼間にバイト先から電話なんて、
何の用事だろう?
と思った。
「お疲れ様でーす(・∀・)」
「・・・あ、うっくん?」
その声は、いつも昼間に入っている、
セトさんというパートのおばちゃんだった。
高校生の娘を二人持つ、45歳くらいの人。
このおばちゃんとのからみは、
月1回の夜の大掃除の日だけだ。
「あ、はい!どうしたんですか!?
忙しいんですか!?」
「いや、今らかちょっと来てくれない?」
「今からですか?」
「そう、今から。今どこにいる?」
「えっと・・・ちょうど近くにいます。」
「そんなに時間は取らせないから、
ちょっと顔をだしてもらえない?」
セトさんの声色で、
なんだか嫌な予感がした。
「あ、はい。わかりましたー!
じゃ、今から行きますね~」
「バイト入った?」
ひでがいった。
「んー、何の用事かわかんないけど、
とりあえず来いって言ってるから、
行ってみる。。。」
「りょーかーい」
「ごめんね。」
「俺、その辺で時間潰しとくよ。」
「うん。時間、そんなかからないって言ってたし。。。
でも・・・おかしいなぁ・・・
今日、店長、出張中なんだよねー・・・
店長もいない、こんな昼間に何の用事なんだろう?」
疑問をもちながら、バイト先に向かった。
「お疲れさまでーす!!(・∀・)ノ」
事務所に入って行くと・・・
そこには、
さっきの電話のセトさんのほかに、
これまた昼間のパートの山下さんというお姉さん(当時28歳くらい)
夜に、たまに一緒に入っていたミゾグチさんというパートのオジサン(当時33歳くらい)
ツル先輩の同級の女の先輩二人(この人たちとも夜のバイトでからんだことはほとんどない)
この5人が、うっくんを待ちかまえていた。
「・・・??どうしたんですかぁ?」
「あのね、」
最初に切り出したのは、セトさんだった。
「はい。(・∀・)」
「こんなこと、言いにくいんだけど・・・
ツルくんがね、ずいぶん前からめちゃめちゃ悩んでるのよ。」
「・・・??」
ツル先輩・・・??
4月からほとんど絡んだことのない、
ツル先輩の話が、なぜこの人たちから出てくるのか、
よく意味がわからなかった。
「うっくんちゃんに、プライドズタズタにされたって・・・
そりゃ~もう、ボロボロで。
ここ2~3カ月のあの子、見てられないわ。
あなたにも、あの子の今の姿を見せてやりたいくらい。」
タイミングを見るように、山下さんが続いた。
「一人で抱えきれなくなって、
最近、よく昼間に、私たちに相談しにきてたんだ。
涙なしではきけないくらいに、話をきけばひどい話じゃない!」
・・・はぁ?
そしてセトさんが言った。
「私たちはね、あの子が1年生の時から、
ずっと可愛がってるの。
今入ったばかりのあなたとは違うの。
あの子は本当に心の優しい気弱で素直な子で、
自分の息子のようだわ。
その子が、こんなに悩んでるのを黙って見てられないの。
私たちはあの子のこと、よーーーく知ってる。
誰にも嫌われるような要素のない、とってもいい子よ。
あの子の悩みを聞いただけで、
あなたが普段からどういう子なのか、すぐにわかったわ。」
他にも似たようなことを、
みんなかわるがわるうっくんに言ってきた。
しばらくだまって聞いていた。
会話が途切れたあと、
しびれを切らして、うっくんから聞いてみた。
「あのぉ~~~~
・・・それで?」
すると、
4年生のアイさんが、
うっくんに向かって言った。
「単刀直入に言うけど、
バイト辞めてくんない!!」
・・・・・・
・・・・・・
つーか・・・
こんだけグダグダ言っといて、
単刀直入もなにもねーだろうよ・・・。
と正直思ったが、
黙ってしばらくの間、考えた。
うっくんが黙っているので、
たたみかけるようにセトさんが言ってきた。
「ツルくんが言うには、
もう、あなたと一緒にバイトしたくないから、
あなたが辞めないなら、
自分が辞めると言ってるの。
もうすぐ卒業なんだし、
せっかく1年生から続けてきたバイトだもの。
新人のあなたのせいで、
こんな中途半端な時期に辞めるのは、
かわいそうでならないわ。」
・・・気のせいじゃなかったんだなぁ・・・
と内心思っていた。
一緒にバイトに入らなくなった4月以降、
月1回の大掃除の時、
それぞれ2人組みのペアになって各部屋に別れるのだが、
ツル先輩は、うっくんが入った部屋に必ず入ってきて、
ソファに付属された小さな一人掛け用のソファを
うっくんの足元めがけて投げてきたり、
ゴミをうっくんの方に履いたり、
雑巾を投げつけたりしていた。
なぜ、そうされているのか意味不明だった。
それに対して、うっくんは
嫌がらせをし返したこともないし、
文句を言ったこともなかった。
気づかないフリをしてしまった・・・。
さらに意味不明と感じさせる
ツル先輩の謎の部分だが、
そういう嫌がらせをしたかと思えば、
またいつもの調子で、
「うっくん。聞いてる?ねぇ、聞いてる??」
とベタベタしゃべりかけてきたりすることもあった。
さっぱり意味がわからない
と思っていたが・・・
右から左に聞き流しているのがバレバレで、
気分を害したんだろうなぁ~・・・
と
セトさんたちの話を聞きながら思った。
うっくんがずっと黙っているので、
みんなイライラしてきて、
「辞めるの!?辞めないの!?」
と責め立ててきた。
ぶっちゃけ・・・
はぁ~~~~・・・
めんどくせぇ~~~~・・・

と思いながら、
意を決して、うっくんは言った。
「私・・・父と約束したんです。」
「はぁ?」
全員がキョトンとしている。
「私が大学を受験した理由は・・・
社会の厳しさを知れ!と父に言われたからです。
”未熟者のお前が、今のまま社会人にはなれない”って。
もっと、自分の思い通りにならないことがあることや、
辛く厳しいことが社会にはたくさんあることを、
バイトをしながら4年間で学べと言われました。」
アイさんが、イライラしたように口をはさんだ。
「・・・だからなに?
」「父が指摘していた通り、私は未熟者です。
だから、こうやってみなさんから
ツル先輩への態度を指摘されてるんだと思います。
自分は悪くないとも言いません。
でも、これが社会の厳しさなのであれば、
私はこのことから、
”逃げ出すべきじゃないんだろうな~”
とみなさんの話を聞きながら思いました。」
「なっ!!!
」顔を真っ赤にして怒ったセトさんが
声をあげた。
そして、
「そんな横着だから、
私たちからこんなこと言われてるってわかんないの!?
店長に気に入られてるんだかなんだか知らないけど、
私たちが全員辞めるって言えば、
店長だって、あなたを首にするにきまってるんだからね!!!
だいたい、どうやって店長にも取入ってるんだかっ!
」と怒鳴った。
うっくんの中で、
さーーーーーっと
気持ちが引いていくのがわかった。
うっくんの悪い癖なのだが、
相手がヒートアップすればするほど、
うっくんは冷静沈着になってしまう。
そういう冷静さは、
決まって相手をさらにヒートさせてしまう。
わかっている悪い点なのだが、
どうにも感情的になることができない。
「・・・そうですね。
たしかに、私はわかってないことが多いと思います。
正直、自分がツル先輩に何をしてしまったのかもわからないし。
ただ
一つだけわかってることがあります。
私は、あなたたちのような大人には絶対になりたくありません。」
「なっ!!!!!
」さらに大きな声を上げて、
セトさんはプルプルしていた。
「生意気なこと言ってすみません。
でも・・・
私がみなさんの立場なら、
片方だけの話を聞いて、
判断できるようなことじゃないな、
と考えると思います。
ましてや、
代りに「辞めろ」なんて、
言える立場じゃないな、
と考えると思います。
それに・・・
ツル先輩自身にこのことを解決させようとしたと思います。
”逃げずに向き合え”と。
嫌なことがあるなら、辞める前に、
自分で私に伝えて話し合うべきだと。
ツル先輩の気持ちや、いやだったことを
本人に直接聞いて、
自分に反省すべき点があるなら、素直に謝ります。
でも、本人がここにいない以上、
私は、ツル先輩の気持ちを察することができません。
ここで私が辞めて、何の解決になるんですか?
ツル先輩、来春から社会人でしょう?
社会に出て、また自分と合わない嫌な人がいたとき、
彼はどうするんですか?
その時もまた、セトさんたちが助けてあげるんですか?
いつまで助けてあげるんですか?
ずっと面倒をみてあげれるんですか?
彼の代りにこうやって気持ちを代弁してあげることは、
本当の優しさじゃないと思います。
嫌なことを自分の周囲からただ排除するだけでは、
何の解決にもならない、
それに気づかせるのが、
あなたたち大人の役目なんじゃないんでしょうか?
私が辞めるように、ボイコットなんて・・・
今、みなさんがやってることは、
大人のすることじゃないと、私は思います。
セトさん・・・
失礼ですが・・・
あなた、高校生のお子さんがいらっしゃるんでしょう?
お子さんがこうやって、
就職して、嫌いな人ができた時も、
会社に殴りこんで行って、
娘さんの代りに、その人を辞めさせるように、
娘さんの上司やその人本人に
直談判でもするおつもりですか?」
セトさんは黙っていた。
「私は・・・
自分は悪くないとは思いません。
悪いか悪くないかも判断ができないほど、
ツル先輩の気持ちがわからないんです。
もし、私が悪いなら、ツル先輩に直接謝りたいので、
ツル先輩がいらっしゃる時に、
もう一度、私をここへ呼んでもらえないでしょうか。
まずは、それからの話し合いだと思ってますので、
今日は失礼させていただきます。」
それ以上、言い合いをしたくなかったので、
うっくんは、一気に自分の意見を言うと、
「失礼します」
と言って、スタッフルームを勝手に後にした。
うっくんが、
玄関を出ようとしていたら、
ミゾグチさんが追いかけてきて、
こっそり声を掛けてきた。
「・・・うっくん。」
「はい。」
「ごめんね。」
「いえ。お疲れ様です。失礼します」
それ以上何もしゃべりたくなかった。
バイト先を出てすぐ、
ひでに電話をかけようとしたら、
ひでは、バイト先の駐車場でずっと待ってくれていた。
「ごめーん!けっこう遅くなった!!(・∀・)ノ」
「いや、だいじょぶよぉ~(*^_^*)」
車に乗り込んで、
車が走り出した。
一体何が起こったというのだろう・・・。
考えると、なんだか悔しくなってきた。
泣くまい・・・
大好きなバイト先のみんなに、
あんなふうに思われてたんだなぁ・・・
と思うと、悲しくなって涙が出てきた。
泣くまい・・・
・・・ああ・・・でもダメだぁ・・・(T_T)
声を出さずに泣いているうっくんに気づいたひでは、
うっくんの頭を2~3回ポンポンとして、
何も聞かず、何も言わずに、
ただ一緒にいてくれた。
後篇へ続く。