電車を降りて、駅を出ると、
端っこの方に、見覚えのある顔の、
スーツ姿のお兄さんが立っていた。
「せんぱ~い。お久しぶりです。」
「おう!久しぶりやなぁ!
相変わらずちっせぇ~なぁ~!!!
お前、こんなちっさかったっけ。」
「あぃー
こんなちっさかったんですぅ~
」
「俺が高校卒業して以来だっけか?」
「・・・ですかね?たぶん。
卒業式の日以来じゃないですかぁ?」
「そうだっけ。
おいっ。今日は飲むぞ!」
「あー、ハイ。いいですよぉ~
(未成年ですけどぉ)」
「直で行く?
居酒屋予約してるんやけど。」
「はい。OKです。」
久しぶりに見る先輩は、
スーツを着ているからか、
大人っぽくなっていた。
宇野先輩と同じ年のはずだけれど、
宇野先輩が童顔だということもあって、
トン先輩は、落ち着いた雰囲気があった。
二人は予約しているという
居酒屋に向かって歩き出した。
「先輩・・・その格好・・・
仕事してるんですか?」
「おう!そうそう。4月からな!!」
「じゃ、専門は1年だったってことか・・・」
「お前、○○大に行ってんだってな。」
「そうですよぉ~
」
「祐輔と一緒?」
「はい!部活も。」
「へぇ~お前が陸上部?」
「マネージャーですけどね。」
「ほぉ~~う。さぞかし、
選手の足、ひっぱってるんだろうな!!」
「そんなことないですよぉ~。
バリバリ役に立ってますよ!
(・・・くっ!こ・・・この人、相変わらずだな)」
悔しいけど・・・
たしかに・・・
短距離の人のタイムを測る時、
パン!!
という
スタートの合図に、
うっくんの反応が遅すぎて、
ストップウォッチのボタンを押すのが
遅れてしまい・・・
選手の全員がワールドレコードを叩き出す
という事態に陥り、
うっくんは、タイムを測るのを禁止されていた・・・。
さらに、
長距離の練習に至っては、
10000m走のタイム測りをしていたが、
誰が何周走ったかが途中でわからなくなってしまい、
(いやん!サイテー!!)
最終周のフラッグを出し間違えたり、
タイムを言い忘れたり、
てんやわんやしてしまい、
宇野先輩から、めっちゃめちゃに叱られたばかりだった・・・。
「い~や!お前に限って、
そんなことがあるわけがない!!
それに相変わらずペチャパイやし!!!」
「ペチャパイは関係ないでしょぉ!!
」
そんな会話をしながら、居酒屋へ移動。
とりあえずビールで乾杯。
「キャンパスライフはどーよ?」
先輩は、ビールを飲みながら、
そう聞いてきた。
アルコールを飲みながら、
語り合う日がくるなんて、
なんだか不思議な感覚だった。
「んーー・・・どうって言われても。
別にって感じです。
バイトばっかかなぁ。」
「お前でもできるバイトがあるわけ!!!」
「失礼な!ありますよぉ~!コンビニ。」
「お前・・・
チンしたまま、
商品、レンジの中に忘れて金だけとって、
お客さんからクレーム来てそうやな!
わははは!!」
ちょうどその頃、
先輩の言った通り、
お客さんがオニギリを温めて欲しいといったので、
レンジをあけてみたら、
いつ温めたかわからないお弁当が
レンジの中にすでにあり、
レシートを確認したら、
うっくんがレジをした商品で、
渡し忘れた商品だとわかり、
お客さんからの連絡はなかったが、
店長からひどく叱られたばかりだった。
また、ある時は、
レンジで温めた商品を取り出し、
レジの方に振り返った瞬間に、
振り返った勢いでおにぎりが吹っ飛んでいって、
おむすびころりん 状態になってしまったこともあった。
この時のお客さんは、常連さんで、
「わははは!!
いいよいいよぉ~。
包みを取ればきれいなんだから、そのままで。」
と言ってくれた、神様のような人だった。
先輩って・・・
案外うっくんのこと、
すごく理解してくれてる人だったのかもなぁ・・・
え?
誰でも予想がつくって??
プンだプンだっ!!
「わ、
私のことはどーでもいいんですよ!!
先輩、仕事、何してるんですか?」
「俺?冠婚葬祭の○○って会社知ってる?」
「あ、知ってます。」
「そこの、葬儀担当。」
「へぇ~~。じゃ、亡くなった人を送り出すための準備したり?」
「そうそう。葬式の道具一式飾ったりとかさ、そんなやつ。」
「仕事・・・大変ですか?」
「まーなー。
んーーー・・・
大変っていうよりか、
そうやなぁ~・・・
泣きよる人しか見らんやん。」
「そか。そういう大変さもあるんですねぇ・・・。
社会人って色々大変なんですね。」
「ま、俺も社会人つっても、
今なったばっかやしな!
社会人の大変さやらなんやら、
今言える段階じゃねーよ。
・・・ところでお前、彼氏できたぁ?」
「はい(・∀・)bできました!」
「そうやー!?
マジかっ!!
お前と付き合う物好きもおるんやなぁ!!!」
「・・・その物好きの一人だったんでしょ
・・・先輩だって
」
「はぁ!?俺!?何の話?」
「・・・何って・・・」
「そんなことあったっけ?」
「ありましたよ。」
「一瞬すぎて憶えてない。」
「一瞬ってこと、憶えてるじゃないですか」
「そうだっけ?」
「・・・失礼しちゃう!
だいたい・・・
あの時の先輩の行動、
今考えても、まったく意味不明なんですけどっ」
「俺も意味不明だなぁ」
「なんで急に無視したりしたんですか?」
「無視?したっけ?」
「・・・・・・」
「まー、昔のことはいいじゃん」
「それもそうですね。」
「つまりはこういうことだ!!!」
「・・・?」
「二人とも幼かったということだ!!!」
え゙っ
うっくんも?
ちょ・・・
一緒にすんじゃねーよ
「はぁ・・・相変わらず先輩って
わけわかんない人ですね」
「お前は何もわかってないなぁ」
「だから、何をですか」
「俺ほど単純でわかりやすくて、
優しい奴はいないってことだ。」
「・・・意味わかんない。」
「そういや、お前、
S市組の同級と、
いっつもつるんでるらしいやん」
「あー、ですねぇ~。
つるんでるっていうより、
勝手に集まってくる感じなんですけどねぇ。
週に3日くらいは遊んでます。」
「お前らの同級、すげぇ仲いいらしいもんな」
「ですねぇ。」
「S市以外のヤツで連絡取ったりしてるやつもおる?」
「あー・・・クラスが一緒だった子は、
男子も女子も、だいたい連絡取ってます。」
「ほーぅ。例えば?」
「えー?んーーーー・・・
クラスは違ったし、N市だけど・・・
つっちーは、週末はほぼいつも遊んでます。
あとは・・・
福岡組の、
タカちん(♂)とか、
おーちゃん(♀)とか、
ひーとん(♀)とか・・・
あ、
シゲくんからは、
めっちゃめちゃ頻繁に電話やらメールやらもらいますね。」
「シゲと連絡取ってんの?」
「取ってる・・・っていうか・・・
メールとか電話がくるんですよ。
3日に1回くらい。」
「ふーん。」
「???
シゲくんがどうかしたんですか?」
「いや、なんでもねー。
まっ、いいから食え!!!」
ムッ・・・
いいからって、
あんたが話し振ってきたんだろっつーの
この後、
色々話しはしたけれど、
先輩の様子がなんだかちょっとおかしくて、
話が弾まなくなり、
そのまま、みっちゃんのアパートまで送ってもらい
先輩とは解散した。
先輩は、何か考え事をしているようだった。
相変わらずわけがわかんない人だ。
と、
その時は思ったのだけれど・・・。
この時、
先輩が何を言おうとしていたのか、
この約半年後に、知ることになる。
幼かったうっくんは、
先輩がいうように、
何一つ、大事なことに気づいていなかった。
先輩とは、それ以来、
数年の間、会うことはなく、
たまに電話がかかってくる程度だった。
ただ、
トン先輩は、
なぜかうっくんの人生の、
節目節目の重要な時に、
必ず再会する、
とても不思議な縁がある人だった。
つづく。
端っこの方に、見覚えのある顔の、
スーツ姿のお兄さんが立っていた。
「せんぱ~い。お久しぶりです。」
「おう!久しぶりやなぁ!
相変わらずちっせぇ~なぁ~!!!
お前、こんなちっさかったっけ。」
「あぃー
こんなちっさかったんですぅ~
」「俺が高校卒業して以来だっけか?」
「・・・ですかね?たぶん。
卒業式の日以来じゃないですかぁ?」
「そうだっけ。
おいっ。今日は飲むぞ!」
「あー、ハイ。いいですよぉ~
(未成年ですけどぉ)」
「直で行く?
居酒屋予約してるんやけど。」
「はい。OKです。」
久しぶりに見る先輩は、
スーツを着ているからか、
大人っぽくなっていた。
宇野先輩と同じ年のはずだけれど、
宇野先輩が童顔だということもあって、
トン先輩は、落ち着いた雰囲気があった。
二人は予約しているという
居酒屋に向かって歩き出した。
「先輩・・・その格好・・・
仕事してるんですか?」
「おう!そうそう。4月からな!!」
「じゃ、専門は1年だったってことか・・・」
「お前、○○大に行ってんだってな。」
「そうですよぉ~
」「祐輔と一緒?」
「はい!部活も。」
「へぇ~お前が陸上部?」
「マネージャーですけどね。」
「ほぉ~~う。さぞかし、
選手の足、ひっぱってるんだろうな!!」
「そんなことないですよぉ~。
バリバリ役に立ってますよ!
(・・・くっ!こ・・・この人、相変わらずだな)」
悔しいけど・・・
たしかに・・・
短距離の人のタイムを測る時、
パン!!
という
スタートの合図に、
うっくんの反応が遅すぎて、
ストップウォッチのボタンを押すのが
遅れてしまい・・・
選手の全員がワールドレコードを叩き出す
という事態に陥り、
うっくんは、タイムを測るのを禁止されていた・・・。
さらに、
長距離の練習に至っては、
10000m走のタイム測りをしていたが、
誰が何周走ったかが途中でわからなくなってしまい、
(いやん!サイテー!!)
最終周のフラッグを出し間違えたり、
タイムを言い忘れたり、
てんやわんやしてしまい、
宇野先輩から、めっちゃめちゃに叱られたばかりだった・・・。
「い~や!お前に限って、
そんなことがあるわけがない!!
それに相変わらずペチャパイやし!!!」
「ペチャパイは関係ないでしょぉ!!
」そんな会話をしながら、居酒屋へ移動。
とりあえずビールで乾杯。
「キャンパスライフはどーよ?」
先輩は、ビールを飲みながら、
そう聞いてきた。
アルコールを飲みながら、
語り合う日がくるなんて、
なんだか不思議な感覚だった。
「んーー・・・どうって言われても。
別にって感じです。
バイトばっかかなぁ。」
「お前でもできるバイトがあるわけ!!!」
「失礼な!ありますよぉ~!コンビニ。」
「お前・・・
チンしたまま、
商品、レンジの中に忘れて金だけとって、
お客さんからクレーム来てそうやな!
わははは!!」
ちょうどその頃、
先輩の言った通り、
お客さんがオニギリを温めて欲しいといったので、
レンジをあけてみたら、
いつ温めたかわからないお弁当が
レンジの中にすでにあり、
レシートを確認したら、
うっくんがレジをした商品で、
渡し忘れた商品だとわかり、
お客さんからの連絡はなかったが、
店長からひどく叱られたばかりだった。
また、ある時は、
レンジで温めた商品を取り出し、
レジの方に振り返った瞬間に、
振り返った勢いでおにぎりが吹っ飛んでいって、
おむすびころりん 状態になってしまったこともあった。
この時のお客さんは、常連さんで、
「わははは!!
いいよいいよぉ~。
包みを取ればきれいなんだから、そのままで。」
と言ってくれた、神様のような人だった。
先輩って・・・
案外うっくんのこと、
すごく理解してくれてる人だったのかもなぁ・・・
え?
誰でも予想がつくって??
プンだプンだっ!!
「わ、
私のことはどーでもいいんですよ!!
先輩、仕事、何してるんですか?」
「俺?冠婚葬祭の○○って会社知ってる?」
「あ、知ってます。」
「そこの、葬儀担当。」
「へぇ~~。じゃ、亡くなった人を送り出すための準備したり?」
「そうそう。葬式の道具一式飾ったりとかさ、そんなやつ。」
「仕事・・・大変ですか?」
「まーなー。
んーーー・・・
大変っていうよりか、
そうやなぁ~・・・
泣きよる人しか見らんやん。」
「そか。そういう大変さもあるんですねぇ・・・。
社会人って色々大変なんですね。」
「ま、俺も社会人つっても、
今なったばっかやしな!
社会人の大変さやらなんやら、
今言える段階じゃねーよ。
・・・ところでお前、彼氏できたぁ?」
「はい(・∀・)bできました!」
「そうやー!?
マジかっ!!
お前と付き合う物好きもおるんやなぁ!!!」
「・・・その物好きの一人だったんでしょ
・・・先輩だって
」「はぁ!?俺!?何の話?」
「・・・何って・・・」
「そんなことあったっけ?」
「ありましたよ。」
「一瞬すぎて憶えてない。」
「一瞬ってこと、憶えてるじゃないですか」
「そうだっけ?」
「・・・失礼しちゃう!
だいたい・・・
あの時の先輩の行動、
今考えても、まったく意味不明なんですけどっ」
「俺も意味不明だなぁ」
「なんで急に無視したりしたんですか?」
「無視?したっけ?」
「・・・・・・」
「まー、昔のことはいいじゃん」
「それもそうですね。」
「つまりはこういうことだ!!!」
「・・・?」
「二人とも幼かったということだ!!!」
え゙っ
うっくんも?

ちょ・・・
一緒にすんじゃねーよ

「はぁ・・・相変わらず先輩って
わけわかんない人ですね」
「お前は何もわかってないなぁ」
「だから、何をですか」
「俺ほど単純でわかりやすくて、
優しい奴はいないってことだ。」
「・・・意味わかんない。」
「そういや、お前、
S市組の同級と、
いっつもつるんでるらしいやん」
「あー、ですねぇ~。
つるんでるっていうより、
勝手に集まってくる感じなんですけどねぇ。
週に3日くらいは遊んでます。」
「お前らの同級、すげぇ仲いいらしいもんな」
「ですねぇ。」
「S市以外のヤツで連絡取ったりしてるやつもおる?」
「あー・・・クラスが一緒だった子は、
男子も女子も、だいたい連絡取ってます。」
「ほーぅ。例えば?」
「えー?んーーーー・・・
クラスは違ったし、N市だけど・・・
つっちーは、週末はほぼいつも遊んでます。
あとは・・・
福岡組の、
タカちん(♂)とか、
おーちゃん(♀)とか、
ひーとん(♀)とか・・・
あ、
シゲくんからは、
めっちゃめちゃ頻繁に電話やらメールやらもらいますね。」
「シゲと連絡取ってんの?」
「取ってる・・・っていうか・・・
メールとか電話がくるんですよ。
3日に1回くらい。」
「ふーん。」
「???
シゲくんがどうかしたんですか?」
「いや、なんでもねー。
まっ、いいから食え!!!」
ムッ・・・

いいからって、
あんたが話し振ってきたんだろっつーの

この後、
色々話しはしたけれど、
先輩の様子がなんだかちょっとおかしくて、
話が弾まなくなり、
そのまま、みっちゃんのアパートまで送ってもらい
先輩とは解散した。
先輩は、何か考え事をしているようだった。
相変わらずわけがわかんない人だ。
と、
その時は思ったのだけれど・・・。
この時、
先輩が何を言おうとしていたのか、
この約半年後に、知ることになる。
幼かったうっくんは、
先輩がいうように、
何一つ、大事なことに気づいていなかった。
先輩とは、それ以来、
数年の間、会うことはなく、
たまに電話がかかってくる程度だった。
ただ、
トン先輩は、
なぜかうっくんの人生の、
節目節目の重要な時に、
必ず再会する、
とても不思議な縁がある人だった。
つづく。






