♪るんるんるん♪

♪あしたは たのしいトラベルだ♪







あ~~ん、どのくつ下にしよぉ~~~~♪



パンツどれにしよぉ~~~~♪

ハンカチハンカチっと・・・。






いよいよ九州大会の出発日前日。

鹿児島での大会だったので、泊まりで行くことになっていた。





学年が違うと、一緒に修学旅行とか行けないので、

うっくんにとっては、月野君と一緒に行ける修学旅行気分だった。

親の目を盗んで


あんなことや~~~

こんなことや~~~~

めくるめく オトナ のせ・か・いドキドキ





「うっくん、ちゃんと準備したのぉ~~?

お母さん、どっちのコートがいいと思う?

こっち?それともこっち?」







そう、

そんなめくるめく世界は訪れない。


この大会、保護者同伴・・・。






移動のバスも、宿泊先も、ぜぇ~~んぶ親たちと一緒。(チッ)






「どっちでもいいんじゃない」

お母さんと旅行することもめったにないので、
こういう保護者同伴、嫌なわけじゃない。








だぁーけぇーどぉーーさぁーーー・・・




せっかくの月野君との修学旅行なのにぃ~~~
(うん、目的変わっちゃってるよね)


ちょっとはいい感じな時間も欲しかったのにぃ~~~



お母さんにバレると困るから、よそよそしくしなきゃじゃ~~~ん。












ってか、月野君、初めてうちのお母さん見るのかぁ~~~。



なんか自分の親見られるのって、恥ずかしいなぁ。



あ、そういえばうっくんも、月野君のお母さん、見たことないな。




ドキドキ。ドキドキ。。




「ふっ ふつつかものですが!!どうぞよろしくおねいします!!」




いやいや、嫁に行くわけじゃないんだからっ。




「はじめまして。いつも、光先輩にはお世話になってます。うっくんです」





う~~~ん、かたいな。








「おはようございます。よろしくお願いします」



の方が中学生らしくていいかしら。





得意のシミュレーションで猛特訓メラメラ




どんなお母さんなんだろぉ~~~。










・・・そしていよいよ当日・・・







「おはよーございまーす」


「おはよーございまーす」






みんな、ボチボチ集合してきた。






「あっらぁ~~~!うっくん。いつも光がお世話になってるんだってねぇ!


あ、光のお母さんよぉ~~~!


いやぁ~~~ん、噂通り、かわいらしい!!(身長が)


よろしくねぇ~~~~」








超ハイテンション。














突然の襲撃に唖然。








「は は、はじめまして。お世話になります。うっくんです」




「うっくんの母ですぅ。よろしくお願いしますぅ」










おっ!母同士のごたいめーーーーん!









「きれいな人ねぇ」




お母さんがうっくんに耳打ちした。








「う・・・ん、そだね」








初めて見る姑は(オイっ)




とてもきれいなお顔立ちだった。




細くて、スタイルがよくて、美人さん。










ん~~~、この親にしてこの子ありって感じだなぁ。






すると月野君が




「・・・お前・・・母ちゃんそっくりだな」







うっせぇ~~~~!




なに、その見下した感じ!










あー、そうですよ。





カエルの子はカエルなんですよぉ~~~~~~!!








電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと









あんたの母ちゃん、きれいだからってバカにすんじゃねーー!




こちとら、ブスでも一所懸命生きとるんじゃい!












「うっくん!おはよ!!今日はバス、一緒に座ろ!!」






「とよ先輩、おはようございますっ」










とよ先輩のお母さんも、さすがに美人だった。








カエルレベルを、イチイチ査定してしまううっくん。






なんだかブルーだなぁ・・・。








「はーい、じゃあみなさんそろったみたいなので出発しまぁ~す」





顧問の先生が言った。








とよ先輩とうっくん、通路を挟んだ反対側の斜め前に月野君とゆうくん。














バスが動き出して数分。






月野君の様子を見てみると・・・。












おぉぉ!寝ている!






美しい顔で寝ている!!










電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと









イケメンは寝ててもイケメンだな!!









嗚呼!月野君の席の背もたれになりたい!




電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと







どんだけでもよっかかっちゃって!!!














どんだけ飢えてるんだと呆れる妄想を繰り返していたうっくんの背後から、








あのテンションの高い美人が一言。










「うっくん、どうして光と一緒に座らないのぉ~?


遠慮しないで一緒に座ればいいのにぃ。。


うふふ、恥ずかしがっちゃってぇ~~~」








んん!!??Σ(゚д゚;)








今、なんと????












「母さん!」




っんもぉ~~~~~!っと怒った顔の月野君。










どういうことだ。




月野君のお母さん、もしやうっくんたちのこと、知ってる?










ってか・・・うちのお母さんの面食らった顔!!










ヤバしぃ~~~~~!




これはかなりヤバしぃ~~~~~~~!!










月野君が、片手をちょっとあげ、うっくんに”ごめん”って謝った。
















---途中のトイレ休憩---












一瞬、月野君とすれ違う機会があった






「さっきはごめん」




「お母さん知ってるの?」




「姉ちゃんたちだよ」






そう言って、月野君はバスに向かった。














姉ちゃんたち?




意味わからん。




姉ちゃんがどうしたって?












悶々としながら、うっくんもバスに乗り込んだ。














そして、目的地に到着。












生徒は先生と、保護者は保護者だけで、鹿児島の観光をすることになった。








ようやく、話せるチャンスが訪れた。












「さっきのことだけど・・・、どういう意味?」




「え?しならなかった?メバルの姉ちゃんと、うちの姉ちゃん、親友。」




「え゛」




「小学の時からずっとだよ。」




「姉ちゃんの同級生に月野って名字の人、いないよ?」




「メバルの姉ちゃんの1こ上。


小学からずっと部活が一緒だし、すげぇ仲いいみたいで・・・


たぶん、姉ちゃんが母さんに言ったんだと思うけど・・・」








「そうだったのかぁ・・・それにしても、ヤバいよ。


うちのお母さん、目が逝っちゃってたよ。


かなり逆鱗に触れちゃったみたいよ。


笑顔だけど、目が据わってたよ。」












そんな会話をしているそばから




「あらあら、やっぱり二人は仲良しなのねぇ~~~!手、繋いじゃいなさいよっ」














出ーーーーたーーーーーーー!!














観光地がかぶって、一緒になった保護者集団。






おそるべし月野母・・・








お願いです。もういじらないでください・・・。












っつーか、二人がつきあってること、誰にも言ってなかったのに。




ナイショにしてたのにぃ~~~・・・










なんか、先生までもうっくんたちの行動を見張ってるような眼になってるよ!










そんな、大人が心配してるようなこと、考えてませんって!

(あわよくばめくるめく世界 なんてww)












「みんなの目もあるし、あんまりしゃべんないようにしよう」




「うん」
















それからは距離を置いて、なるべく接触しないようにしていた。


















その日の夜・・・














「月野、うっくん、ちょっと」




先生から呼ばれた。
















「お前たちは・・・そのぉ・・・付き合ってるのか」






「・・・はい」




月野君が答えた。












「お前たちはまだ中学生だ。


保護者もいるんだし、他のメンバーもいる。


ちゃんと考えた行動をとるように」






「・・・はい」








しゅーーーーーーーーーん・・・












なんだかなぁ・・・






大人って、どうしてこう先走っていろんな想像をするんだろう・・・






先生、どう思っただろう・・・。






こんな大事な時期に恋にうつつをぬかしやがってって思ったかな。
















大会前だけど、帰りたい気分になっていた。












この顧問の先生は、うっくんが当時、もっとも信頼している大人だった。




うっくんの心のよりどころだった。








その先生から注意を受けたことにショックを受けていた。




信じてもらえなかったという気持ちもあった。












大会当日・・・




先生と目を合わすことができない。




月野君とも目を合わせることができない。








普通なら、緊張をほぐすために、




ギリギリまでみんなで楽しく会話をするのだが、




今日はなんとなく、会話に入りづらい。












案の定、うっくんのソロの出だしで大コケ。




目標としていた全国大会の切符は手にすることができなかった。












これで月野君との部活も、残るは春休みの定期演奏会のみ。




受験が終わるまではほとんど部活にも顔を出さない。










貴重な最後の時間が、こんな風にあっけなく終わってしまった。






もう、一刻も早く帰りたくなっていた。










これまで、お盆もお正月もなく、休日は早朝から夕方遅くまで、




ともに練習にあけくれた仲間たちに申し訳ないことをしてしまった。








いろんな恥ずかしさが込み上げていた。




先生に信用してもらえなかったなんて、間違ってた。




実際、大会で成績残すことへの執着なんてなくなってた。




浮かれちゃって、ふわふわしてた。


















早く帰って、大きな声で泣きたかった。


















帰りのバスの中




台風の目のような月野母が、とどめを刺した。








「も~~、私、うっくんのこと大好きなのよぉ。


うちのお姉ちゃんもうっくんはかわいいって、そりゃーもう気に入っててぇ。


早くお嫁に来てくれないかしらぁ?ねえ、うっくんのお母さん?」








「いやぁ~~、光君はもったいないですよぉ~~~。


他にもぉーーーーっと器量が良くて優秀な子がいっぱいいると思いますよ?


うちの子はまだまだ子どもですからぁ。お恥ずかしくてお嫁なんてとんでもないっ」








「そんなことないですよぉ。お嫁に来てくれたら、すっごく嬉しいのにぃ。


うっくん、いつでも来てね?優しくするから、ね?」






「うちの子は、まだまだ部活とかね、勉強とかやりたいことがたくさんあって、


恋愛どころじゃないんですって!そういうの、まったく興味ないみたいですからぁ」








電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと







「あら、そんなことないわよねぇ?うっくん。


だって、光とお付き合いしてるんでしょ?


うちのお姉ちゃんが言ってたわよ?


うっくんの話は常々、お姉ちゃんから聞いてたの。」






「・・・そんなわけないわよね?うっくん?」










「・・・・・・」














こわいぃ~~~~~~



こわいからぁ~~~~~



この母同士のバトル、超こわすぎるからぁ~~~~!

(月野母はまったくバトっている気はなさそうだったが)







うちのママン、目が笑ってないぃーーーーー



もう、かんべんしてぇ~~~~!!!







こんな地獄の数時間が過ぎ、


ようやく自宅に戻り、解放された。














おうちに帰ってからのお母さんは・・・
















無言!!






THE無言!!!















寝る前に、うっくんからお母さんに声をかけた








「お母さん、あれ、違うから。つきあってなんかないから。」




「ん?なんのこと?あぁ、月野君のこと?


お母さん、付き合って悪いなんて一言も言ってないわよ?」








もしや・・・





お許し!!??








「中学生の恋愛なんて、ママゴトなんだから。


したいならママゴトでもなんでもしなさいっ。


お母さんからあんたに言うことなんて何もないわよ。ニコニコ










きょわいっ!



おかあしゃん、きょわいっ!



その作り笑いがこわすぎる!!






今までお父さんが一番怖かったが・・・


ある意味、お母さんが一番怖いということに気付いた


14歳の冬。