【腐れ縁は離れず】

=悪縁や不純な関係の縁は、切ろうとしてもなかなか断ち切れないものである。









祐輔先輩集団と一緒に帰ることが、


まさかあのふーちんと繋がるなんて、思ってもみなかった。






祐輔先輩と一緒に帰るようになって数日経ったある日、


ふーちんの手下、すーちゃんが珍しくうっくんに話しかけてきた。








「ねぇ、最近祐輔先輩と仲いいよねぇ?
祐輔先輩って、すっごい優しいでしょ?」





「あ、うん!すごい優しいねぇ。」














「・・・ふーーーーーーん。」






「??」











ん?なんか言いたげ??










「あのさぁ」






「うん?」










「文化系の部活の人は知らないだろうけどね、
日曜日とか、部活が終わった後、バレー部、サッカー部みんなで
遊んだりしてるんだぁ。祐輔先輩も。」








「へぇ~~!そうなんだぁ!仲いいんだねぇ!!」







そっ。仲いいの。

祐輔先輩ってぇ~、誰にでも優しいから、
けっこう勘違いされやすいんだよねー。好きかも?とか?
でもね、全っ然そんな気ないと思うから。」









電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと









だーかーらーねぇ?


変に近づかないでくれる?
知ってるよね?ふーちんが祐輔先輩好きなこと。
ってかね、ふーちんじゃなくったって、面白くない人、
いっぱいいると思うから。気 を つ け て ね?」







こやつ!








電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと












ってかさ、ふーちんが誰を好きかなんて

知ってるわけねぇーっつーの!















その後の会話は全く覚えていない。



そりゃ~もう、テンパった!








目立たず波風立てず



『平穏無事』 を目標に、



充実した3年間にしようと思ってたのに










しくじった!!












今日の下校どうしよう!



そうだ!早く帰ればいいんだよ!



で、急ぎ足で帰ろう。








うん、そうだ!そうだよ!!



狂犬に追いかけられてるつもりになれば



なんとか速く走れるよ!



なんなら自分が狂犬になる勢いで!!






電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと







おうちに着くまで全速力で帰ろう!



あ!そだそだ、音楽室、サッと出れるように準備しとこう。









その日の部活の練習中は、


どうやったら足が速くなるか、そればっかり考えていた。

(えーー!そこぉ~~!?)









部活が終わって、



部活中にエンドレスでシミュレーションしていたとおり、



音楽室に行ってすばやく出た。








そそくさと校舎を後にする。












「うっくん!俺もすぐ終わるから!」




そ、その声は!!







後ろを振り返ると、外の水飲み場に祐輔先輩がいた。












がーーーーん












「あ!ごめん!今日は早く帰んないといけないんだ!先帰るね!!」





言えた!!




よし!!!!












「あー、そっかぁ~。じゃ、気ぃつけてな!」










なんだぁ~。



案外すんなりいけることだったのねっ。










シミュレーション通り、うっくん的には全速力で


自宅に着くまでずっと走って帰った。









次の日も。




その次の日も。




そのまた次の日も。











そして・・・・・・




















「なぁ!!俺なんかした?

俺のこと避けてない?何怒ってんの?

ムカつくことしたんなら謝るからさっ!」










廊下ですれ違った祐輔先輩に、

後ろから肩をつかまれた。










真剣な視線が痛い。










「いや、別に避けてないよ(^o^)

みんなと一緒に帰ってるんだよ!」






「うそばっか言え。光が独りで帰ってるって言ってたぞ。」












oh!バ レ テ ー ラ !┐( ̄o ̄)┌












「・・・・・・・・・」



「・・・・・・・・・」










無言が続く。




















「もういいよ。」





たぶん、そのあとには”勝手にしろ”という言葉が続いていたんだろう。



うっくんにはどうしていいかわからなかった。












何が最善なのか。




祐輔先輩は何も悪くないのに、困らせてる。




うっくんが独りで寂しい時、いつも助けてくれていたのに・・・。




どうしたらいいんだろう・・・。












・・・ってか?




付き合ってもいないのに、いきなりの修羅場!?




ナニナニこの展開!




なんで好きでもない人のことで脅されたりしてるわけ!!














だけど、中学に入って、


同じクラスではあったものの、


部活が違ってほとんど接点がなくなっていたふーちんと、


また関わることがいやだった。





いや、それだけじゃない。



自分も、人を好きになったことがあるから、


たとえ相手がふーちんであっても、




嫉妬するキモチがわかった。










もう、嫌われたっていい。


祐輔先輩と仲良くするのは止めよう。










祐輔先輩と、その後会話することはなくなった。


廊下ですれ違っても、顔を合わすこともない。


お互い避けるようになっていた。










気まずいまま夏休みに入った。







うっくんは祐輔先輩のことで悩んでいた。


自分は本当に正しいことをしているのだろうか?


胸が苦しかった。










だから、正直、



自分の恋どころではなくなっていた。








月野君とも、だいぶまともに会話できるようになっていたが、


戦線離脱していたし、ふーちんグループの一味であるさあちゃんたちに


色々とあらぬことを言われてはたまらない!という想いがあって、


月野君との会話を、どこか避けている自分がいた。












だってね?


うっくん泳げないし、スポーツも嫌いなわけ。







電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと









って、こんないい波も風もうっくんには必要ナッシング!!



だからね、波風立てずに平和にくらしたい・・・












祐輔先輩のことも月野君のことも、


ちゅうぶらりんのまま新学期が始まった。











数日経ったある日、


その日の部活は、合奏だった。

合奏するときは人数が多いので、かなり密集している。




顧問の先生が来るまで、各自練習しているので、


周りはブーブーピーピーうるさい状態だった。










さあ、うっくんも練習しよう!としていると、










「メバル・・・」




呼ばれた気がした。










「はい?」




隣の月野君に振り向いた。


















「祐輔となんかあった?」





電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと







月野君が耳元で囁いた






電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと








ちょっ・・・いきなりのフェイント!



耳、超ツボなんですけどっ!!!



なんで知ってるの!

(そんなつもりじゃないと思うっ)










心臓バクバク。




破裂しちゃう!!!











「え・・・えぇぇ?な、何がっ?」




「もうさ、許してやれよ。祐輔、へこんでるよ?」




「・・・・・・」












ん~~~~!違う!!




違うんだけど!!




全っ然違うんですけど!!












そんなんじゃない!




悪いのはうっくん。




きっとそのうち、神様が怒って










「お~~ぬ~~~しぃ~~~~~

何度も助けてやったのに恩知らずめぇ~~~

こうしてやるぅこうしてやるぅ~~~」








電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと





(↑打ち出の小槌でつぶされる刑)







ってなっちゃうよ。



うん、それうっくんには一番いやな刑だな。















・・・たぶん・・・







困らせてるのは祐輔先輩だけじゃない。




月野君のことも困らせてる。












どうしたらいいの・・・?














返答に困ったうっくんに、月野君が言った。












「俺が間に入ってやるからさ、もう仲直りすれば?なっ?」








電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと











ハイ!そうします!!




その瞳に乾杯ワイン




そのイケメンに完敗!!









---うっくんは思いのほか薄情だった!!---














その日の帰りは祐輔先輩が終わるのを月野君と待った。



待ってる間、なんだか気まずいんだけどあったかい時間が流れた。








「祐輔に怒ってるわけじゃないんだろ?

・・・・・・・・・なんとなく検討はついてるけどさ・・・・・・

普通にしろよ。俺たちがついてるから。」












ギュギュギュギュイィ~~~~~~ン!!






電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと







パヒューーーーーーーーーン!







電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと








---うっくんは種子島宇宙飛行場より発射された---









月野君、好き!!




しつこいようだけど、何度も言っちゃう!




好き!!!!
















私を月まで連れてって!!





「地球は青かった!そして人間の生きる世界は思うより小さかった!!」





って中継で世界中に言っちゃうから!!














あー、やっぱこの人好きだわぁ~~~。




なにこれっ!




なにこの ”中学生のくせに大人” 発言!












なんだかテンションが上がりすぎて・・・




もう無敵になった気がしたんだ・・・。