☆あらすじ☆
小学時代は、ずっと何もかもが落ちこぼれだったうっくん。
5年生のときに、顔も知らない人をすきになった。
その男の子は月野君。中学の吹奏楽部でうっくんの先輩に!
でも、なんか嫌われてるっぽい?
モテモテの月野君の月野同盟の一員となったうっくんのその後は?
小学時代は毎日一人でトボトボ帰宅していたうっくんだったが、
中学生になってから、部活をして学校が楽しくなったので、
うっくんの様子もおそらくちょっと変化していた。
以前は、集団で帰るなんて超めんどくせぇ~って思っていたが、
集団の中にいても疲れなくなったし、
まあ、相変わらずみんなと何をしゃべるわけでもないんだけど、
一応交換日記メンバーで帰宅するのも悪くないなという気分になっていた。
それに、みんなの話題もジャニーズの話やJ-POPSの話など、
小学生の時にうっくんがしたいと思っていた話題が増えていたので、
一緒に帰るのもまんざらではなくなっていた。
ただ、うっくんは何しろ体が小さい。(当時121センチ)
歩幅もせまい。
すでに平均160センチ以上になっている
みんなの歩くペースについていくことは少々困難で、
途中までは頑張るも、500m地点くらいから
集団に遅れを取るというのが常だった。
とはいえ、他にもサッカー部の集団や陸上部の集団、
バレーボール部の集団などいっぱいいて、
うっくんのうしろから追いつき追い抜く人がたくさんいたので、
うっくんが孤独にトボトボ歩いているなんていう図は、
あまり誰も感じない環境ではあった。
中学に入って、とっても仲がよくなったサッカー部の先輩がいた。
うっくんが仲良くなったというよりは、お姉ちゃんが仲良くしていた後輩で
祐輔という2年生の男の子だった。
祐輔先輩は、いつもうっくんに追いつき、
トボトボ歩くうっくんのペースに合わせて歩いてくれていた。
いろんな話を振ってくれて、一緒に帰るのはとても楽しかった。
祐輔先輩は、とても顔の広い人物で、
うっくんにしゃべりかけながらも、周囲の他の部活の子なんかとも
いっぱいしゃべったりしていたので、
うっくんはその中の一人にしか過ぎなかった。
サッカー部の中心的人物なので、祐輔先輩の歩調がゆっくりになると、
自然と周りの人もそのペースになり、ワイワイ言いながら帰っていた。
うっくんは、学校の帰り道ってこんなに楽しいものなんだなぁって、
中学に入ってから知った。
下校の時間がとても楽しみの一つになっていた。
あともう一つおいしい話があるのだ。
祐輔先輩と月野君は同じクラスで仲がいい。
帰る時間が一緒になったりすると、
祐輔先輩の集団の中に月野君もいたのだ。
祐輔先輩がうっくんに絡んでくれると、
その近くにはいつも月野君がいた。
月野君としゃべることはなかったが、
それでも、近くにいるってことがうれしかった。
帰り道は、途中で二つに分かれて、
祐輔君はうっくんと違う道を使うので、
いつもその分かれ道でバイバイしていた。
バイバイした後は、同じ道の生徒が激減するので、
他にも数人いるとはいえ、月野君とうっくんは、
なんとなく一緒に帰っている雰囲気になる。
それでも、二人が直接会話をすることはなく、
他のメンバーに会話を委ねる状態だった。
この状況はもう1カ月近くになっていた。
なんの進展もないが、それだけでも十分贅沢な時間だった。
そしてもうすぐ月野君の誕生日。
プレゼントをやろうと思えば、
この帰り道の時間に渡すことも可能だ。
だけど、同盟の一員らしいうっくんとしては、
あれだけくぎをさされて、抜け駆けなしと言われているのだし、
中学に入学する時に、
中学では波風立てず、みんなに合わせ、
仲の良いふりをして、何事もない平穏な3年間にしようと
心に誓っていたんだし、という考えもあり、
誕生日はスルー確定だった。
そして・・・
同盟にとっては決戦の日がやってきた。
7月7日。
月野君の誕生日だ。
何事もなく授業を終え、部活の時間になった。
トレーニングルームに行くと、みんながヒソヒソとなにやら話している。
「どうしたの?」
と聞きたいが、自分から話題に入る勇気はなかった。
でも、なんかみんなの様子が明らかにおかしい。
気になりつつも、練習の教室に入った。
すると、早々にとよ先輩が言った。
「今日、さあちゃん、光に告ったんだってね。」
でたーーーーーーーー!!!!
やっぱそうよね。
昔から、「抜け駆けはなしよ!」なんて言った人に限って
第一の抜け駆け人になるんだよね。
うんうん、よくあるパターン。。
最初にそう思ったが・・・
結果はどうだったんだろう・・・
一気に不安が襲ってきた。
自分から告白する気もなく、
片想いでいいやと思っていたうっくんだけど・・・
こうなると話が違う。
誰の彼氏でもなければ、
”片想いを自分で楽しむだけでいいじゃないか”
で終わるのに、
どうして同じ片想いでも、彼女がいると全然違うんだろう。
もし・・・
もしさあちゃんがOKもらっていたら・・・
うん、たぶん、こうなっちゃうね。
さあちゃんと月野君のキスシーンを想像し、身震いした。
「気になる??」
とよ先輩がニヤニヤしながら聞いた。
「あー、うん、気になるといえば気になりますけど、
そんなんじゃないですからねっ!」
結果がどうだったかなんて、聞く勇気がなかった。
「ってか・・・もう返事してるんですか?」
うっくんが聞いた。
とよ先輩はニヤニヤしながら、ゆっくりうなずいた。
聞いちゃう?
いや、無理!
でも、聞いちゃう??
揺れ動いた。
とよ先輩は、周りの目を気にしながらうっくんに耳打ちした。
「ダメだったみたいよ。」
嗚呼!神様!!!
あなたは何度私を助けてくれるんでしょうか!!
えぇえぇ、今後ともお見捨てなくお救いください!!!
こんなときだけすみません!!
・・・でも、さあちゃん大丈夫かな・・・。
決して仲がいいという関係じゃなかったが、
交換日記で、どれだけさあちゃんが月野君を好きなのかを知っていた。
だから、彼女を思うと少し心が痛くなった。
人生初めて仲間意識が芽生えた
12歳の初夏。

