転機が訪れたのは、小学卒業した春休みのこと。






卒業のお祝いに、学校から英語の辞書をもらった。



中学で、一番楽しみにしていたのは部活と英語だった。



とくに英語に興味を持っていたわけではないけど、




国語を除く4教科は、学年でも最下位を争うほど、



落ちこぼれていたから。
(え、そんな理由っ?ww)




春休みに、その辞書を何気なく開いて、



「ふーーーん、英語って難しそうねぇ」



と眺めていたら、仕事から帰った父は・・・








「まる子!やっとその気になったか!」






電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと





と、飛びついてきた。






















はい?















ポッカーーーーーーン。
















「お前が家で勉強するのなんて初めて見たよ!



そうかぁ!やる気になったかぁ!!」















えっ・・・そんなつもりではなかったんだけどぉ~・・・













「うっくん、いいか?今までは落ちこぼれでも、





英語は、みんな中学から習うんだ。





スタートラインは一緒なんだから。





英語だけでいいからがんばってみなさい。



授業だけはまじめにきくんだ。



お前は授業中に、ぽーーーーーーっ



と考え事ばっかりしてるんだろ。



集中して授業を受けてみなさい。



それだけでいい。



お前はやればできるんだから」














電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと










うっくんに衝撃が走った。








授業をまじめにきけば、勉強ができるようになるんだ!!
(気づくの遅っ!)








なんだか、生きるヒントを見つけたような気がした。
(話、えらい飛躍したね)









それまでは、授業は妄想をする時間だと思っていた。


授業中だけがある意味楽しい時間だった。



心地よいお経をBGMに(えぇ、先生の声ですがナニカ?)



あれやこれやと考え事をする時間は至福の時だった。









父は以前、






勉強は人に言われてするもんじゃない。



人に言われてした勉強は実にならない。



勉強せずに、将来的に困るのは自分自身だ。


だから、勉強するもしないも、自分の責任で判断しなさい。



目標があるなら、その目標を達成するのに必要なことをしなさい。



それが勉強であっても、音楽であっても、なんでもいい。



でも、勉強は将来的にどんな職業につくにもある程度は必要だ。



お前がそれに気づいて、自分で勉強をするまでお父さんは、



勉強しなさいなんて言うつもりはない。





と言っていた。








だから、父はうっくんが勉強してもしなくても興味がないだろうと思っていた。




うっくんが辞書をペラペラめくったくらいで、




こんなに喜ぶとは驚きだった。


















よし、うっくんだってやればできるんだ!!



英語だけは、みんなに負けない!




英語だけじゃない!他の教科もマジメにきくわよ!









電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと





ぬぉ~~~~~~~!




燃えてきたぜぇ~~~~~~!!












やってやるぜぇ~~~~~~~~~~!











うっくんをさんざんバカにした同級生たちを見返してやるんだぁ!





















そして中学校に入学した。












よぉ~~~し!


先生の話、マジメにきくぞぉ~~~~~~!
















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
















電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと









ナニコレ・・・???



























全っ然わっかんねぇ~

















そりゃそうですよ。








いくらうっくんが”(父曰く)やればできる子”だとしても、






小学校の基礎がないわけですから。






もうね、チンプンカンプン










電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと









という状態だった。
















だけど、うっくんの決意は今までになく固かった。






わからなくてもいいから、マジメに聞こうと思った。













そして・・・











初めての中間テストの結果を見て、驚いた。









電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと









うぉ~~~~~~~~~~!!




なんじゃこりゃぁ~~~~~@太陽にほえろ








英語100点、




国語は99点だった。




残りの3教科も95点前後だった。












ありがとぉ~~~~~!




みなさん、ありがとぉ~~~~~~~!





うっくんは、ついに!




ついに







やりましたよぉ~~~~~~!






電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと





そりゃーもうね、




再び登場しますよね(↑)













種子島の発射台から打ち上げられた気分でした。






それぐらい飛び上がった。









初めて味わった感動だった。







その感動が忘れられず、




その後も授業中だけはアンテナをしまい、電波圏外にしてマジメに授業を聞いた。










相変わらず勉強嫌いだったのでおうちで勉強したことはなかったが、




父から何も言われたことはなかった。










母も、一度も勉強しなさいなんて言ったことはなかった。























先日、母と勉強の話になった。




うっくんは高校生のときは常に2位だった。




一度だけ1位になったことがあったが、どうしても勝てない人がいた。




その勝てないライバルが、うっくんの親友でもあった。










母はその時のことをこういった。






「あんたが、一番仲良くしてるお友達だったからこそ、





お母さんはあんたが2番だってことがとっても悔しかった。





その友達に負けてもヘラヘラして、





闘争心も燃やさず、テスト前になっても





おうちでは勉強しようとしないうっくんを見て、





『テスト前くらい勉強しなさい!!』





って本当はいつも言いたかった。







だけどね、それはお母さんのエゴかなって。





だから言うべきじゃないって思った。」










母がそんなに悔しい気持ちになっていたなんて知らなかった。




もちろん、2番っていうのは、うっくんも悔しい気持ちがあったが、




授業をマジメにきいて、この点数ならそれも実力だと思っていた。




今思えば変なへ理屈だ。








おうちではテレビドラマばかり見ていたし、




テスト前に勉強している姉を見て、








「あんたさぁ、ほんっと勉強すきだよねぇ~。





おうちでまで勉強するなんてしんじらんな~い」





とか、




その当時、どれだけ腹が立っていたんだろうと母を憐れむほど、




うっくんは横柄なことばかり言っていた。






ちなみに、姉は小学生のときから、高校卒業まで1位を譲ったことがなかった。




だけど、10点未満しかとったことのなかった小学時代も、




「お姉ちゃんを見習いなさい!」 なんて、よく聞くセリフ、




自分の親から言われたことは一度もなかった。






(先生からは姉ちゃんを見習えと常に言われ続けました)









でも、あまのじゃくのうっくんなら、




母から「勉強しなさい」と一度でも言われたら、





「フンっ、なにさっ。今勉強しようと思ってたのに、





先に言われちゃったから、もうする気なくなっちゃった!」













なんて、反抗的になるばかりで勉強なんてしなかったと思う。










姉と比較されて、先生みたいに「姉ちゃんを見習え」と言われていたら、




卑屈になって、父が中学入学前に言った言葉も素直に聞き入れなかったと思う。









やはり一番うっくんの性格を理解している両親。










父、母の愛情を今更噛みしめる、31歳の冬。




--完--