09月17日のうつ病記と読書『胡桃の中の世界』 | つれづれマカロン

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46歳ひきこもりの
人生楽しみたい日々なのです





 うつ病になったのが20歳の時です。うつ病歴20年になります。ここまでこじらせると、社会復帰もままならない。世間は怖いし、働いた経験もないし。今からちゃんとした会社へ就職するなんて無理だし、バイトするにも体力がなさすぎるし……。




 母に「私は今後どうしたら良いんだろう」と真剣に相談してみたところ、「何はさておき、体力をつけるといいんじゃないかしら」との答え。アルバイトするにしても、それ以前の精神科の社会復帰支援活動に参加するにしても、体力がないとはじまらない




 そうか!とすごく納得して、昨日は朝食後と昼食後にエアロバイクで運動しました。「体力をつけるんだ! 世間に出るんだ!」と心で唱えながら、それぞれ5分ずつ(情けない……)熱心に漕ぎました。




 その結果、夕方には体力の限界がきて眠ってしまいました。いま、真夜中の12時です。こんな時間に起きてしまって、しかも熱っぽいから体温を測ったら37.1℃で、途方に暮れています。だるいし、暑い……。こういう結果になっても、体力づくりは諦めないで続けたいと思いますが。




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 昨日は澁澤龍彦さんの本『胡桃の中の世界』を読み終わりました。読了は3回目です。何度読んでも面白い! 澁澤龍彦さんの興味のあるテーマを気ままに描いたエッセイ集です。楽しんで書いているのが伝わってきます。澁澤龍彦さんの本はたいてい楽しそうに書かれているけれど、その中でもこの『胡桃の中の世界』は出色の「楽しそうさ」です。




 『石』の永遠性の話から始まって、時計というものが『時間』を無機質の世界に閉じ込めたという説、戦争で失われた中国の巨大な西洋風庭園、ギリシアの音の出る独楽『イユンクス』……本当にテーマは様々、というかばらばらですが、澁澤さんの好きなもの、という点で一致していて、不思議な統一感を醸し出しています。




 澁澤さんの本全てに共通するツッコミどころ。澁澤龍彦さんは呆れるくらい多くの資料から引用しながら物事を説明するのですが……。『かの有名なレンヌの司教マルボードによれば……』 誰ですか。知らんがな。『この小説のあらすじは読者諸氏はとうにご存知だろうからここには書かないが……』 知りません。書いてください。……という風に、澁澤さんの中の「有名」「常識」の基準がおかしいです。いわゆる碩学の笑えるところです。




 アニメ『少女革命ウテナ』の第二エンディング『バーチャルスター発生学』の歌詞に、このエッセイ集から取られたと思うフレーズがあって、最初に読んだ時にはびっくりしました。『月天水星天金星天太陽天……』の部分と、『一つの有機的な世界、一つの永久運動装置』の部分。




 他に、『少女革命ウテナ』の合唱曲『スピラ・ミラビリス劇場』の元ネタと思われる『脅威の螺旋(スピラ・ミラビリス)』という言葉も出てきます。もっと『ウテナ』の言葉がこの本に入っているのかもしれませんけれど、『ウテナ』のサウンドトラックまできちんと聴いていたわけではないので、私が気づいたのはこれだけです。




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