麻枝准さんに関する勝手な考察。 | つれづれマカロン

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Turip 作品に関する考察ならいくらでもしていい感じがするけれど、麻枝准さんご本人に関する考察をしていいのだろうか。メイヨキソンとかにならないだろうか。基本的に褒めるとこしかないから大丈夫かな。


Turip 麻枝准さんと私はほぼ同世代です。麻枝さんのほうが一学年年下かな? これを知った時にはちょっとショックでした。うわ年下の書いたストーリーでわんわん泣いちゃったよー(*_*) 年下の歌手とか年下の絵描きさんはOKなのに、年下のシナリオライターさんとか年下の作家さんって、どきっとさせられます。ストーリーを読んでいる間、手のひらの上で転がされてる気がするからかな。


Turip 同世代、ということは、青春時代(主に高校、大学時代)に影響を受けたアーティストが同じ、ということになります。同世代でも違う趣味ならアーティストも違ってきますが、文学好きオタ系、となると…アラフォー世代としては『小説家』は村上春樹、『ミュージシャン・作曲家』は小室哲哉、と。


Turip 村上春樹も小室哲哉も、今でこそ誰でも知ってるアーティストですが、1980年代には「ちょっとオタクの人が好んでいる」感覚でした。村上春樹さんは完全にサブカルチャー作家だったし、小室哲哉さん…ていうか、当時はTM NETWORKですが、やっぱり少しアニメ系、オタク系。「好きなバンドは?」と聞かれて、米米CLUBやプリンセス・プリンセスを答えるのはOKでも、TMというのはちょっと恥ずかしい雰囲気でした。


Turip それだけに、麻枝准さんの「『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』に衝撃を受け、TM NETWORKの後継バンドとなるためにバンドをやっていた」というプロフィールはとても当時のオタク文学少女だった私には懐かしく、親しみ深い物があります。


Turip さて、何が言いたいのかというと……麻枝准さんすごいなあ、と言いたい。何が凄いかというと、ものすごく影響をうけるのが容易い、いや、影響を受けずにはいられない二人を好きでいながら、ちっとも猿マネ的影響を受けてないところです。


Turip まず村上春樹さん! 春樹さんといえば「やれやれ」! と、言われちゃうくらい、春樹文体は真似するのは楽なんです。好むと好まざるとにかかわらず、はっとするような、そういうものだ。やれやれ。春樹ワードはいくらでも数え上げられるし、後はビール飲んでパスタ茹でて、綺麗な女性と寝て井戸に潜れば春樹ワールド! じっさい、あの頃の文学雑誌の佳作くらいの作品には、思い切り村上春樹文体になってるー!という作品が見受けられました。


Turip 私は以前、二次創作小説を書いていたのですが、村上さんの本を読んで一時間以内に文章を書くと…駄目でしたね。やめようやめようと思っても、とっても春樹文体になってしまう。


Turip 麻枝さんの話に戻ります。『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』に影響を受けている作品、といえば『CLANNAD』。カラフルな事件が起きる、いきいきとした現実世界と、閉ざされた静謐な『幻想世界』。『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』のふたつの世界と呼応しているかのようです。なのに。


Turip 麻枝准さんの文章をつらつらと見ても、ちっとも村上春樹の影響を受けてない。世界観や、雰囲気(世界の気配みたいなもの)はしっかり影響されているのに、文章はオリジナリティがあり、また簡単に真似できる「春樹っぽい言葉」を一切使っていない。


Turip 日本の文学者で、村上春樹の薫陶をうけた、とはっきり書いている人は多くない。それだけに、村上春樹の『表面』は真似せず、『本質』をつかみとっている麻枝准さんの存在は貴重だと思います。


Turip 麻枝准さんは作曲・作詞家としても有名です。Wikipediaの記述は完全に信頼するには心もとないですけど、小室哲哉の…TM NETWORKの音楽に麻枝さんが影響を受けたのは間違いないです。だって、『Angel Beats!』…。謎キャラTKがつぶやくTM NETWORK曲の歌詞の数々。「Get Chance and Luck」や「Just Wild Heaven」くらいならちょっとかじったファンでも書けますが、「絶望のカーニバル」「スクランブルでトラブルダウン」となると…TVの前で「アルバム曲の木根曲の、サビでもない部分か!」と独り言ツッコミしてしまいました。


Turip 話は変わるのですが、ユニコーン(一旦解散する前)の曲に『PTA-光のネットワーク-』というものがあります。奥田民生さんが小室哲哉さんの真似をしたメロディ(と、光GENJIのような雰囲気のメロディ。これは阿部義晴さんの担当)の、変わった曲ですが、小室さんの真似をした部分は「ぷっ」と吹き出すほどTMTMしてる。奥田さんのボーカルが宇都宮隆さんを真似ていることを差し引いてもそっくりです。つまり、小室哲哉メロディも真似しやすい


Turip 麻枝さんは学生時代に、TM NETWORKの後継となるためのバンドを組んでいた(コピーバンドじゃないところが業が深い。)くらいですから、小室さんのメロディ『風』な曲を作ることはたやすいでしょう。でも、麻枝さんの作る曲は小室哲哉さんの影響を欠片も感じさせない。キャッチーで食べやすい小室メロディ。一見(一聴?)分かりにくいけど、噛めばスルメの麻枝メロディ。


Turip 話をまとめると、青春時代にとても影響を受けやすく真似しやすいアーティストに触れて、しっかりとその魅力を受け取っているのに、その亜流になっていない麻枝准さんはやっぱり一流の人なんだろうな、ということです。しかも、物語と音楽という二分野において活躍している。


Turip 今までにお作りになった作品だけでも充分お腹いっぱいになれるけれど、やっぱりもっと新しい作品を作ってほしいです。『Angel Beats!』ゲーム化って噂は本当なのかな? そうだとしたら、真っ先にTK攻略しに行きたいです……。(男性キャラ攻略できるかは謎ですけど。)



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